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第26話 灰色の勇者と『彼ら』の奇妙な関係

 「GOOOAAAAAA!!!!!!!!」


 5mほどの一つ目の巨人が、ピリピリと体に届くほどの巨大な咆哮をあげる。そして、まだ根の部分に土の残っている、引き抜いた木を両手で力一杯横薙ぎに振るった。まるで棍棒のように扱われた木は、物と物がぶつかる音をいくつも産み出しながら空間を進んでいった。


 

 ─ベチョリ。

 近くに巨人の振り払った木に当たったであろう何かが落ちる。

 肉がつぶれ、いたるところから骨が突き出た魔物だった。血液や体液をまき散らしたその物体は、当然だがもう死んでいる。魔石もこの分だと砕け散ってしまっているだろう。

 同じようにまた一つ、また一つと辺りに空中で死体となった魔物が落ちてくる。


 視線を一つ目の巨人に戻す。

 すると、巨人の頭部にあったであろう『頭』がなくなっていた。代わりに大量の血液が吹き出している。

 喰われてしまったらしい。頭部を、丸ごと。

 空を飛んでいる巨大なマムシのような魔物の仕業か。それとも巨人の下に群がっている魔物がやったのか。 

 これだけ大量に魔物が集まっているとどの仕業なのかすら見当がつかなかった。


「ワオォォオオ!!!!」


 ぼうっと立ち尽くしていると、二足歩行になった狼のような魔物が爪をつきつけようとこちらへものすごいスピードで襲いかかってきた。

 ──パシリ。

 しかしその自慢の武器である爪が俺に届くことなく空中で突如静止する。

 なんてことはない。ただ突き出された手を俺が掴んで止めただけだった。 


 ──ミシリ、ミシ、ミシ。

 魔物を掴んだ俺の手は、止まることなく魔物の腕の中へとのめりこんでいく。肉や骨の抵抗を感じさせないほどに。

 やがて、パキリと骨のく抱ける感触が手から伝わってきた。苦悶の表情を浮かべた魔物が反撃に出る前に、大きく空中へ放り投げた。腕をくだかれ、宙を浮く魔物。その上にはちょうど同じように宙に投げだされた巨大な魔物がおり、数秒後その魔物につぶされるようにして犬の魔物はその命を終えた。


「はぁ……水を手に入れるだけでも一苦労だな……」


 一難去ってまた一難。

 視界のはしに映る、新たに押し寄せてくる大量の魔物の群れを見てため息混じりにそう呟く。そして【アイテムボックス】から武器庫産の剣を取り出し、その魔物の群れに体を向き合わせた。

 

 『外』は厳しい。

 今日も、相変わらず。





 『外』にはたくさんの環境がある。

 『氷雪』、『砂漠』、『湖』、『草原』。


 今俺がいる『森』なんていうのもその一つだ。

 飽き性の人間がテレビのチャンネルをひっきりなしに変えるかのように移ろいゆく環境。その原因が『環境魔獣』と呼ばれる魔物によって引き起こされると気づいたのは、既にだいぶ昔のことだ。

 そして、これは至極当たり前のことなのだが、そんな過酷な外でも生きている魔物たちがいる。あふれかえる魔物の群れの中、移ろいゆく環境の中を。その姿は『外』の強烈さを引き立てるためだけに存在するかのような彼らが、そうでないことを証明するかのように。


 今俺のいるこの森には『湖』がある。

 『環境魔獣』によって作られたわけではない、その天然の湖はあまり大きくはない。その変わり、水棲の魔物たちの数も比較的少ない。環境魔獣によって作られた湖と比べれば正直いないも同然だ。

 この湖は『安全』に水を手に入れるにはもってこいの場所だろう。


 "だからこそ"。


 そう。だからこそ、この森は今、地獄のような光景に包み込まれている。

 環境の変化や強靱な魔物から逃れようとする魔物達。そんな災いと相対し、"運良く生き延びてしまった"彼らはその後もなんとか生きなければならない。それは確かに今この瞬間を生きてしまっている者の運命だ。物語がハッピーエンドで終わろうが、バッドエンドで終わろうが、生きている限り現実が続いていくのと同じように。


 そんな生きようとする魔物達が取り得る手段。それは『移動』だった。

 安住の環境を求め、多くの魔物達は『外』のあちこちを旅するのである。


 ここは『森』という環境。

 燃えて死ぬことや凍えて死ぬことに恐れる必要がない。そんな環境に、『環境魔獣』のいない安全な湖。そんな多くの生き物にとって"安住の地"としての条件に当てはまる場所があればどうなるのか。


 それが、目の前の地獄のような光景だ。


 環境を求め、争いあう魔物達。それも10や20ではきかないほどの数が、今ここで濃厚な『弱肉強食』を表現したような闘争を繰り広げていた。


 ─そして、その中に俺もいる。


「フゥー……」


 大量の魔物の屍を前に一息つく。何時間と行われていた地獄の闘争も少し落ち着きを見せてきた。そのせいで周りの光景は森というよりは戦場跡という感じだが。

 環境魔獣によってつくられた湖で水を取るのはかなり大変だが、いない湖から水を手に入れるのもかなり大変だ。毎回同じような目論見で集まってきた魔物達との戦闘に巻き込まれてしまうのだから。





 魔物たちの死体からほとんど成果が上がらなかった魔石の回収を終える。

 そして俺は、この森へ辿りついたときからずっと気になっていた、ある方向へと視線を向けた。

 ずっとその方向から感じていた。『大量の視線』。


 まあそれが何かは予想がついているため今まで方っておいたわけだが……。

 森の中でも頭二つほど飛び抜けた巨木。その木の人が何人乗ってもビクともしなさそうな太い木の枝から"彼ら"はこちらをうかがっていた。


「ギィ────!!」

「ギィ、ギィ」

「ギィ」


 隆起した筋肉。するどい目つきに魔物の牙や爪を棒にさしたかのようなお粗末な武器。しかしその武器についた血糊の多さや、使い古された道具から発せられる独特の雰囲気は決してその事を笑えなくさせる。


 "ゴブリン"。

 彼らを見る度に初日に追われたトラウマのような記憶がよみがえる。『トレーニングルーム』でボコボコにされたのもあるが、やはり本気で死を覚悟した分、より深く脳裏に刻み込まれている。


 彼らは木の上でこちらを伺いながら互いに向き合うように武器を振るっていた。ちょうど武芸の稽古を行うように。

 その動きに、どこか見覚えがあるのは気のせいではないだろう。もし俺の闘っている姿を外から見たらああなるのでは……と、そう感じるような動きだ。


 俺が彼らを見ていると、大柄でその体に傷跡をたくさんつけたリーダーと思わしきゴブリンがこちらの視線に気づく。するとそのゴブリンは突然、武器を掲げて

「ギィ──!!」

と大きく声をあげた。

 

 その声を受け動きをピタリと止めるゴブリンの群れ。辺りを見渡しどこか満足そうな大柄のゴブリンは、何の合図もなしに木の枝から飛び降りた。

 他のゴブリン達もその後を追うように降りていく。

 かなり高い位置から飛び降りたのにも関わらず、途中にある木の枝や地面に転がっている魔物の死体を巧みに使い、全員が無事に地面へと辿り着く。

 そして全員降りてきたことを確認すると、今度はスルスルと魔物の死体と死体の間でできた即席の路地のような道をすすみ、あっという間に湖の縁へとたどり着く。ここまで乱闘して来た魔物をあざ笑うかのように見事な手際だ。


「なるほど。魔物との戦闘を極力へらすためにか。確かにあの集団と真っ向から戦うのは得策じゃないな……」


 ──外で生きる、彼らの行動には外で生きるための知識がふんだんに凝縮されている。


 たとえば彼らは夜をどう明かしているのだろうか。

 この厳しい外では、一夜を明かすだけでも尋常じゃないほど大変だ。それが群れともなればその難易度は計り知れないものがある。

 

 『アラ・フローネ』という植物型の魔物がいる。

 『森』の環境魔獣にあたるその魔物は、編み目のような茎を地面にはりめぐらせて、『領域』を作る。その『領域』の中は茎からしみ出す溶解液にまみれ、触れた他の生きた魔物を溶かし、養分にして吸収してしまうのだ。

 しかし驚いたことに、この『アラ・フローネ』のつける白い実をすりつぶして体にぬると『アラ・フローネ』は茎から溶解液の分泌を行わないのだ。

 その習性を利用すれば恐怖の対象でしかないその環境魔獣がほかの魔物から身を守る砦となる。イソギンチャクに隠れるクマノミのように。彼らはこの厳しい外でそのようにして夜を明かす。


 もちろん、外で常に『アラ・フローネ』が見つかるわけではない。『外』において一番ありえないのは『安定』なのだから。新たな環境に飲み込まれたり、ほかの魔物に敗れるということももちろんある。そうするとゴブリンたちはまた別の手段で夜を明かす。彼らの本当にすごい所はそうした手段をたくさん持ち得ているところだ。


 だから現在、ゴブリン達が俺を観察して戦闘の技術を吸収しようとするようにまた、俺も外で生き延びるための力をゴブリンから吸収していた。

 お互い接することはない。けれど遠くから確かに意識しあい、観察しあう、奇妙な関係が俺とゴブリンの中で続いている。



 しかし、何も最初っからそうだったわけではない。

  

 最初のゴブリンとの出会いは言わずもがな異世界へ召還された初日。生死をかけた追いかけっこの記憶は今なお脳裏に焼き付いて離れない。

 そして、二度目の会遇はある日の外出のときだった。深い『霧』の環境。足下も見えないような、そんな霧の中を歩いていたとき、ゴツリと何かにあたった。

 体が少しよろめかしながら、「なんだ?」と疑問に思うのと同時だった。その声が聞こえてきたのは。


 ──ギィ……


 かすれているような鳴き声。その声には少々、不機嫌さがふくまれていたように思う。

 自分が何に当たったのかを察したとき、反射的に身を屈めた。トレーニングルームで何回も聞いた経験がそうさせたのだろう。

 その直後、空気を切り裂く音が頭上を通り抜ける。具体的に何が起こったのかは霧の中で判断が付きにくいがなんとなく想像はつく。そして、もし身を屈めていなかったらと思うと背筋が冷えた。

 【アイテムボックス】から剣を取り出す。そして、霧の中から感じる複数のプレッシャーにそなえた。霧の中で複数とのゴブリンと戦うのは『トレーニングルーム』で訓練済みだ。


 その後は"殺し合い"だった。

 俺自身、命をねらわれているからには手加減などはできない。数匹のゴブリンを切り捨てながらその霧の環境から何とか脱することができた。


 初日がそうであったように、俺とゴブリンは互いに殺し、殺されあう関係だったのだ。それが、奇妙な形に変化したのはいつの頃だっただろうか。


 ゴブリンと顔をつきあわすたびに戦いを繰り返す。中にはかなり危機的な状況もあったものの生き残り続けた。対して、ゴブリン側は少しずつだが俺との戦いでその数をへらしていく。戦いにおいて、片方が無事なら片方が何かしらの負傷を負っているのは当然のこと。


 そんなゴブリンたちに変化を感じたのはある日、ドアから出た瞬間のことだった。

 突き刺さる大量の視線を感じ、身構える。ついにドアと俺の関連性を見いだしたゴブリンが本格的に襲ってきたのかと、そう思った。

 

 だがしかし、その考えが間違っていることにすぐ気づく。

 なぜならこれだけわかりやすいくらい大量の視線をよこしているのにも関わらずゴブリンたちは一向に襲ってくる気配がなかったからだ。

 怪訝に思いながらも下手にこちらから刺激して戦いを持ち込みたくはない。正面切っては数的にどう考えてもこちらが不利なのだ。

 俺は警戒心を強めながらもその日の外出の目的をこなし始める。

 『外』を移動しているときにずっとついて回る大量の視線。それが1日、2日、1週間と続けば彼らがいったい何の意図をもってつけ回しているのかがだいたいわかってくる。


 『学習』だ。


 要するに彼らは俺からその戦闘の"技術"を学びたいらしかった。『トレーニングルーム』で記憶の中にある剣の技術を見よう見まねで実戦経験の中培った正しいかどうかもっわからないような拙い技術を彼らはほしがっていた。

 人の存在しないこの領域において、その技術ですら驚愕にあたいするのだろう。事実、俺がゴブリンの攻撃から生き延びられているのはその技術不足も理由の一つにあげられる。生き延びる知識はたくさんあるが、それを応用して何かをするという知恵が育まれていない。ゴブリンとしての強さは、種族としての力にすぎないのだ。

 彼らもそれがわかっているからこそ、このような手段にでたのだろう。より強くならなければこの外では瞬きをした次の瞬間には死んでしまうことなんてざらなのだから。


 まあ俺自身も彼らの知恵を拝借するいい機会だ。ゴブリン達は俺から戦闘を。俺はゴブリンから知識を学ぶ。そんな奇妙な観察の関係はこうして生まれたのだった。



 ◆



「ん」


 いつものように森の中を歩いていると、遠くでなにやら衝撃音が響いてきた。

 別に衝撃音自体はこの外において珍しいものでも何でもない。ただ、その方向が先ほどまで大量の視線を感じていた方向だったので少し気になった。


「少しだけ見てみるか……」


 そう決意し体を方向転換させて森野中をすすんでいく、するとそこには大型の魔物が戦っている、大柄で傷跡が多いあのゴブリンがいた。ほかにゴブリンたちの姿は見えず、彼一人がその大型の魔物と対峙している。そのせいか、体は傷跡とは違う今できたばかりだろう傷であふれていた。左腕に関してはちぎれ掛かっている。

 ゴブリンは決して1対1で戦う種族ではない。むしろ1対多にして絶対的で有利でないとそもそも攻撃すらしない種族だ。そのゴブリンが1対1で戦っているということは……。


殿しんがり……か……?」


 仲間を逃がすために仲間内の一番強い人物が命を費やして魔物の足をとめる。非常に冷静でかしこく、群れの長としてどこまでも正しい手段だ。

 恐竜とダチョウを組み合わせたような大型の魔物は「グエェェェー!!」と声をあげながら大柄のゴブリンを追いつめる。


 そして



 ──バクン。


 と弱ったゴブリンを口に入れ、数度租借するとゴクリと飲み込んだ。

 満足になったその魔物は、ぐるりと体を反転させ見た目の大きさとは裏腹に軽やかな足取りでその場を去っていった。





「行ったか……。『D3』ランクの牛の肉なのに結構うまそうに食ってたな」


 【アイテムボックス】から咄嗟に取り出した牛の肉。それを【ペテン神】の効果でゴブリンだと思いこみ、食べたどこか満足そうな魔物の背を見送りながら呟く。

 そして、視線を倒れてる傷だらけのゴブリンへと移した。


「立てるか?」


「ィ──……」


 ゴブリンの傷を【治癒魔法】で治す。しかし、受けた傷が多すぎる。ここまで傷つくと【治癒魔法】は逆に負担となり命を落とすきっかけにもなりかねない。

 死ぬ一歩手前までの【治癒魔法】を施した時点で一度しようをやめる。


「まあ『トレーニングルーム』でお世話になった貸しがあるからな……。それで勘弁してやるか。ほら、少しだけ歩くぞ。立てるか?」


 痛ましいゴブリンを無理矢理たたせ、そして肩を担ぐ。そのとき少しゴブリンがしんどそうな声を出したが、我慢してほしい。


「……ジケナイ……」


 ん?今何か、聞き覚えのある言葉を……。


「カタジケナイ……」


 『かたじけない』ゴブリンの口から漏れた言葉は、まさしく聞き覚えのある『日本語』のそれだった。


「お前……その言葉を知っているのか……?」


「カタジケナイ……」


 肩に担がれながら朦朧としてるだろう意識の中、言葉を繰り返すゴブリン。どうやら意味を知ってしゃべっているという感じではない。しかし、使いどころとしては間違っていないのでそこらへんが気になる所だ。

 がくりと肩にかかる重みがます。

 ついに意識を手放してしまったらしい。

 頭の中にある様々な疑問を振り払い、出現させた『ドア』を開いて『ラウンジ』へと入る、


「お帰りなさいませ、秋様」


 いつものようにお辞儀姿で出迎える春。身にまとったメイド服も大分板に付いてきた。


「春、余ってる『RP』で『治療室』の作成を頼む」


「それは、この小汚い生き物のためにですか?」


「ああ、そうだ」


「了。すべては秋様の意のままに。『治療室』の作成には『3000RP』が消費されます。……作成いたしました」


 春の声を聞き、即座に新しく出現した『ドア』の中へと入る。そして中に備え付けられた二つの真っ白いベッドの片方にゴブリンを寝かせた。


「治療もそうだがまずは栄養からだ。このままじゃ【治癒魔法】の負担に耐えられない。流した血も多すぎる」


「了解いたしました」







 3日ほど経つと大柄なゴブリンはそこそこ回復をした。

 だがそれでも少々筋肉が細くなっているのはあの戦いの激しさを物語っている。


「行くのか?」


「ギィ──」


 あの日、俺がゴブリンを連れてきた場所へ続く『ドア』の前にたつゴブリン。回復したとはいえ、そこそこだ。体力も戻っていないだろうし、ちぎれかかった左腕はもう一度つなぎ治したとはいえ治療済みとはおせじにもいえない。もう少しおいてやってもよかったがゴブリン自身が帰る事を望んでいるのであれば、俺ができることはなにもない。

 ドアノブをひねり、ドアをあけるゴブリン、押していた手の力にあわせてゆっくりとドアが開いていく。

 外にはいつものように鬱蒼とした森が広がっていた。少々植物の生態が変わっているのは環境の変化が行われたからであろう。


 ──ガサガサ


「ん?」


 草の茂みがゆれ、視線をあわす。

 するとその茂みから、ゴブリンがひょこりと出てきた。

 いや、そこだけじゃない。陽の光の届かない森の奥。その暗闇から溶け出てくるように、一人……また一人とゴブリンが姿を現す。気がつけばドアの周りをゴブリンの群れが囲っていた。


「ちょうど迎えもきたみたいだな」


 ゴブリンは俺の声になにも反応することがなく、森の暗闇へと歩み進めていく。

 そして、そのまま振り返ることなく深い森の暗闇と同化するように消えていった。それを追うように、ゴブリンの群れも。


 "彼ら"はこれからもこの厳しい"外"の世界を生き続けるのだろう。変わりゆく環境と、襲い来る魔物の中を。



 ──カタジケナイ


 治療中、何度も耳にしたその言葉が耳の奥に残っているのを感じながら、俺はゆっくりとドアをしめた。


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― 新着の感想 ―
[一言] ゴブリンがゴブリンのまま強い作品に間違いはない
[気になる点] 大昔の勇者が関係しているのだろうか?
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