第21話 始まりの街『アインツガルド』②
展開遅くて申し訳ないです。次から気をつけます。
9月12日章だいを変更
※前話に引き続き黄の勇者視点
街を歩いて気づいたのは、街の人の勇者を見たときの反応が思ったよりも気さくだということだ。
俺はてっきり勇者っていうのは「オオ!勇者サマ!」って崇めて、讃えられる存在だと思っていた。けれどすれ違う人達は凝視はしてくるものの、話しかけてくるようなことはなく時々気になった店に入ってみてもごく一般的の対応をされる。なんだったら軽くタメ口世間話もできる。
なので俺はこの国にとって、勇者はあまり重要な存在じゃないのかと推測した。
同じ事を思ったのだろう。「思ったよりも勇者の扱いが軽いんですね」と近月が康祐さんに言うと
「そりゃあ、この街だけの特徴だな。なんせ勇者の本拠地と言ってもいい街なんだぜここは。一日ぶらつけば数人の勇者と会える街でいちいち崇めてらんねえだろ。それに勇者の存在がそんな公に知られてるわけでもねえし。
心配しなくても、他の街や他国へ行けば神様のように崇められるし、機会があればこの街でもお目にかかれるだろうよ」
と返してきた。
そして、康祐さんの言ったその機会は意外にも早く訪れた。
……訪れてしまった。
「「「勇者様、ようこそいらっしゃいませ!!!!」」」
まるで規律の行き届いた兵隊のように一列に並び、声をそろえる店員。全員が掲げるように持っている肉塊の刺さった鉄の串はさながら槍だろうか。
体ははち切れんばかりに筋肉がふくれあがっており、店の制服らしき服がピチピチになって体を締め付けている。
そんな店員達に、ヒーローをみる子供のような瞳・・・・・・無垢で、キラキラとした目を向けられながら一斉に声を出される気持ちが分かるだろうか。
康祐さんが、俺たちが新しく召喚された勇者で、召喚されてから初めて訪れる店だと店員に伝えたときからずっとこの調子だ。
──やっぱ勇者って、めちゃくちゃすごい存在なのかも。
はっきり言って、彼らの強烈とも言える羨望の眼差しはめちゃくちゃ暑苦しい。
でも近月はそんな眼差しを浴びながらも特に気にせず、普通に立っている。康祐さんも同じだ。
しかし唯一の女の子である坂棟さんは顔を引きつらせ、そして距離を取るようにして半歩体を下げているのを俺は見逃さずに目撃した。
まあ、仕方ないよな。女の子なんだから。
体を康祐さんの背に隠れるように移動しながらそう思った。
◆
暑苦しいおっさん店員達にテーブル席へと案内された俺たちは渡されたメニューをみながら注文を考えていた。
「あ、そういえばお金ってどうすればいいんすか?」
そしてメニューを見たときに金額らしき数字が目に入ったから俺は康祐さんに質問してみた。そういえば俺、財布すらも持って来てないんだけど、これからどうすればいいんだろう。まあ異世界に日本の通貨が仕えるとは思わないけど。でも手ぶらなのは不安だ。
「あぁ、金のことはもうこれからは気にしなくて良い。勇者の飲食費は基本すべてタダ。『帝国持ち』だ」
「え、タダ!?」
飲食費がタダ・・・・・・。
じゃあこれから先もこういった店の食べ物が食い放題なわけか!?うっそ!?
「随分気前がいいですね」
隣に座る近月も康祐さんの言葉に関心の声をあげる。それに比べ、正面の坂棟さんは無言だ。
康祐さんはニヤリとした笑みを口元に浮かべる。まるで、子供が父を自慢するときに浮かべるときのような笑顔を。
「そうだぞ。
この国、『ベリエット』は勇者の待遇に力を注いでいる。これからお前らが住む家だってな、日本にいたときに比べれば圧倒的に広く感じると思うぜ。来たばかりのテメェらにはもったいないくらいだ。頼めばメイドや執事だって付くんだぜ」
メイドッ!?
すげぇ……俺今まではただの高校生だったのに。部屋だって5歩歩けば壁にあたるくらいの狭さ。そんな俺が、広い部屋に住めて、そしてなおかつメイドがつく!
メイド!!
これからの生活を考えれば考えるほど、胸の中に希望が溢れてくる。どうかんがえても、良い未来しか浮かばない。
この世界に召喚されて、本当に良かった。
「でもその分、何らかの働きを求められるんじゃないですか?」
はっと我に返る。近月の言葉は、俺を夢から叩き起こすかのように現実へ引き戻した。
確かに。よく考えたら、そうだよな。
甘い話には裏があるっていうか。
少しだけ、浮かれるのが早すぎたかもしれない。
「確かに、勇者にはいろいろな『働き』が求められる。国の防衛戦の参加、襲われている街の救助、盗賊の討伐。それにこの国の『象徴』としての役割まで……正直あげればきりがねぇ」
やっぱり、浮かれるのは早すぎたようだ。
俺、これから無事にやっていけんのかな……。喧嘩の一つもやったことない平凡な俺が、そんな大役。本当に……。
「けどな」
湧き水のように胸の内から湧いてくる、ネガティブな思考。それを康祐さんの短い言葉が遮った。
「けど、お前らよく聞けよ……。これはな、最大のチャンスなんだぞ?この国に召喚されたのは、とてつもない幸運なんだ」
さっきまでとは違う、真剣な康祐さんの言葉。その言葉は、不思議なことにするりと自然に俺の中に入ってきた。学校でよくきく校長先生の話とかとは何かが違う言葉に俺は自然と真剣に耳を傾けた。
「俺たちが、あの世界に居続けたとして、どれほどの人間になれる?
想像してみろよ。
毎日使うのか分からねえ勉強して、すごいのかわかんねえヤツの言う事を聞いて、そんな人生を歩み続けて、俺たちは一体どこへ辿り着いていた?」
一度そこで言葉を止めた康祐さんは、俺たちの顔を窺うように見回した。
……漠然と、そう。漠然と考えていた。俺は一体どこへ辿り着くのかと。
ついこの間まで中学生で、そしたらすぐに高校生になって、一年が経っていた。
じわりじわりと、落ちて行く砂時計の存在が日々大きく感じていく。そして何かに追いつめられていくような、息苦しさも同時に感じていた。
やりたいことなどなく、なりたいものもない、。なのに時間だけはすぎていく。
だから俺は、ライトノベルにはまった。アニメにも。漫画だってはまった。
もしこの物語の主人公が自分だったら……。そんな願望を持ちながら……。
「召喚された勇者の中には、やっぱり『誘拐』だとか『家に返せ』とか言う奴もいるぜ」
「まあわからなくもないが」と言いながら、康祐さんは隣に座る坂棟さんをちらりと視線を向けた。
視線を向けられた坂棟さんは、無言を貫いている。けれど、正面にいる俺にはその瞳が少しだけ揺れていることに気づいた。
坂棟さんが不機嫌だったのは、そういうことだったんだな。
「でも俺は、嬉しかったよ。召喚されたときは、正直な。
くたびれた魚屋の、長男に産まれちまったもんだからな・・・・・・。親父はそこを継げってうるさくいってきて、色々反抗とかして。でも内心では『あぁ、俺はここで死んで行くんだ』と諦め、溜め息まじりに店の看板を見上げていた。そんなときに俺は召喚されたんだ」
そこで康祐さんは一度テーブルに置かれた水の入ったコップを、飲み干した。
「だからよ……俺みたいなやつからしたら、こんなにも幸運なことはないと思う。確かに使命もあるし、ルールもある。世界が変わったことで、失った物もな。
けれど、この召喚にはそれ以上の価値があると俺は思っている。自分がより大きな存在になるチャンスっていうのはなかなか与えられるもんじゃねぇよ。
だが、俺たちは与えられた。その『チャンス』をな。
そのチャンスは、自らの欲望を満たすと同時に周りの人たちをも幸せにしちまうほど大きな力だ。勇者のおかげで笑っていられるってやつも少なくないんだぜ?この国にはな……」
康祐さんの言葉が、枯れた大地に降る雨のように心に染み渡る。
そして気づいてしまった。今俺がいるのは、ついこの間まで望んでいた願望の中。
漫画やラノベの主人公がたっている場所に、俺自身が今。立っているんだということを。
湧いてくる感謝の気持ち。俺はいつの間にか心から、召喚されたことに対して感謝を感じていた。
「そんなことより、僕は早くあの冒険者の話の続きが聞きたいんですが。さっきから気になって仕方ないんですよね」
……コイツ、マジか?
今康祐さんの言葉に胸がジーンとくる、そういう所だろ!
空気を真っ二つにぶった切る近月へ失望の気持ちを感じつつ康祐さんへ視線を向ける。
俺だったら正直ぶち切れると思うけど、意外にも康祐さんは楽しそうな様子だった。
「ははっ、そういえばその話しのために店に入ったんだったな。ワリィワリィ。つい似合わねぇ長話しちまったぜ。あっ親父、ガバス焼き4人前頼む。注文忘れてたわ」
「ヘイ!!おい、テメェら4ガバス!!」
「「「ガバス4了解!!」」」
店員のおっさんの言葉に厨房にいる人たちが一斉に暑苦しい声を返す。
「それで、たしか『サイセ・モズ』のことだったか?」
「そうですね。市川さんが彼らのことを何か言いかけてやめたので、それからずっと気になってますね」
声に少しの恨みがましさを乗せながら言葉を発する近月。
「サイセ・モズ、そして、そのパーティー『サウザンド』は急速なランクアップとレベリングで最近注目株のCランクパーティーって所までは言ったんだっけか?」
「まあ、ちょっと情報が補足されてますけど、概ねはそうですね」
「実は『サイセ・モズ』には噂があってな。それが少し気になって名前も覚えてたんだよ」
「面白いうわさ……?」
何だろう。実は自分のパーティーの女とデキてるとか?
「『ミレニアム』の子孫って噂だ」
ほんの少しだけ重みが増した康祐さんの言葉が、耳に残る。
その言葉の持つ意味は、わからなかったけど。
近月も同じように意味が分からなさそうな顔をしている。顔をしかめて、目にもっと詳しく話せよという意志がにじみ出ている。坂棟さんは聞いているのかそうでないのかわからない様子でコップを見つめ続けている。
「『ミレニアム』っつーのは、冒険者パーティーの名前だ。『悲劇の冒険者』『終焉の住人』とも呼ばれている。『終焉の大陸』の『未帰還冒険者パーティー』だ」
未帰還……?それって……。
「死んだんですか?」
頭に浮かんだ疑問を代弁するかのように近月が康祐さんに質問をする。
「たぶんな」
「たぶんって……調査とか、しないんすか?」
「はっ、いちいち帰ってこれねえ冒険者の捜索なんざ、冒険者ギルドはやらねえよ。何か異常があったり、ギルド自体が送り込んだ冒険者じゃねぇかぎりはな。
その『ミレニアム』はギルドの依頼とかじゃなく、自分自身の私情で『終焉の大陸』に行ったんだ。だから、ギルド自体も関与しない」
それって少し、冷た過ぎるんじゃ……。遺品とかだってあるだろうし……。
「それに」
思考を、康祐さんの言葉に遮られる。
「調査がやりたくてもできないんだよ。その場所……『終焉の大陸』はな」
平坦な口調で述べていたが、『終焉の大陸』と口に出す瞬間だけ顔を苦々しくしているのが見えた。一瞬だが、確かに。
「その終焉の大陸というのは?」
持ち前の知識欲を全開にして質問をする近月。
「『終焉の大陸』っていうのはな……」
康祐さんの口から語れる、『終焉の大陸』の話を俺はいつの間にか食い入るように聞いていた。
圧倒的数を誇る、未帰還者の存在。そして、康祐さんですら足下に及ばないという異常なまでにレベルの高い魔物達。そんな魔物が次々と産まれては死んで行く環境。
とてもじゃないが生き物が行きて行ける場所ではないらしい。
「まあほとんど受け売りなんだけどな。冒険王『マードリック・パーソン』の書いた本『終焉の大陸』ってやつだ。面白いからお前らも機会があれば読んでみろよ」
康祐さんは「ハマるぜ」と軽く笑いながら付け足す。
「それほどの場所から、その人マードリック・パーソンって人は帰ってこられたんですか?」
「あぁ、終焉の大陸の帰還者はマードリック・パーソンが史上初だ。終焉の大陸に行き、そして生きて帰って未知の大陸の情報を世界に広めたとして歴史上の偉人になっている。亡くなって随分立つ現在でもその名は語り継がれている。まさに英雄的存在だ」
すげぇ……。めちゃくちゃかっこいいな、それ。
マードリック・パーソンの話は、とても面白くそして心引かれるものだった。そんな風になりたい。そう思わせる魔力があった。だから俺がそれを口にしても仕方ない事かもしれない。
「俺もいつか、終焉の大陸に」
「やめとけ」
無意識に溢れ出てしまった言葉に、康祐さんからびっくりするくらい冷たく刺すような声で遮られる。
先ほどまで楽しい様子を見せていたとは思えないほどの声に、体が一瞬ビクついた。
「終焉の大陸は、そういう生易しい所じゃねーんだ。憧れとか、英雄とか、偉業とか、金とか、強さとか、そういう人の都合でどうこうできる場所じゃねぇ。
かの冒険王だって『運が良かっただけ』という言葉を残している。分かるか?この世界でもトップクラスといえる『1000LV』を超えた化け物みてえな『超人』が、逃げ帰って来て『運が良かった』と言葉を残すことの意味が……」
そこで、康祐さんは言葉を止める。そして視線を俺に向けて来た。
「終焉の大陸は、この世界の”アンタッチャブル”……『触れてはならない領域』だ。どの国も、どの種族も、この世界にいるどんな強者もその大陸には触れない。触れるとしたらよっぽどのバカだけだ。
そしてこの国の方針もそうだ。15代目勇者──今では『全滅の世代』と呼ばれる彼ら全員が終焉の大陸で命を落として以降、一度もあの大陸には関与していない。俺は気にしてねえが……ちょっとした禁句みたいな話題にもなっている」
緊張でごくりとつばを飲み込む。
それは康祐さんの放つ重苦しい空気にあてられたのか、それとも話す内容の重さにあてられてなのかは自分でもわからなかった。
──15代目勇者って、俺たちと同じ世界にいた人……だよな。それが全員死……
一瞬だけそんな考えが頭をよぎる。
だがその事を深く考えるよりも先に、纏う重苦しい空気が霧散した康祐さんが言葉を発した。
「まあ俺が言いてえのはだ。終焉の大陸にそんな夢見たいなもんを抱くんじゃねぇって話だ。せっかくこうして召喚されてチャンスもらってんのに、命落としてたらもったいねえだろ?お前、まだ女経験なさそうだしな。勇者ってのは超モテるんだぜ、この国はよ」
──ああ。
なんてことない。
あの真剣な眼差しも、重苦しい空気も、刺すような言葉も全部俺を心配しての言葉だったんだ。
それほどまでに危険だということを俺に知らせるために……。
けど。
「すんません、それとありがとうございます……」
「あぁ……」
康祐さんの言葉は確かにありがたかった。
こんなに人のことを心配してくれるなんて人生でそんなにない。へたしたら両親以外では初めてだ。
──でも。
それでも俺の心の奥底で渦巻く英雄『マードリック・パーソン』の話。そのときに沸いた何か熱い感情。
俺は『終焉の大陸』を、心の底からあきらめたとは正直断言できなかった。
◆
「ガバス焼きお待ち!!」
おっさんの大きな声とともに、運ばれてくる肉塊。それも4つ。
食欲をそそらせる匂いは出している。出してはいるだんけど、それでも。
「多いですね」
「……」
「確かに」
おもわず、近月の言葉に同意してしまう。
巨大な肉の塊は何かの生き物の、どこかの部位なのだろうか。この肉塊で、丸々何かの動物一匹ってことはなさそうだけど。形もサイコロ状だし。
「テメェが選んだンだろぉがよ。うめぇんだからちゃんと食えよな。
っと、わりぃ。俺ちょっとトイレいってくるわ。先食っててくれ」
そう言い残し、席を外す康祐さん。
先に食えっていわれても、どう食べるんだコレ……。一緒に運ばれて来たパンと食うのか?
「とりあえずいただきましょうか」
「そうしよう」
「……ああ」
覚悟を決め、三人で肉に手を伸ばす。そのときだった。
「テメェ!!ババァ何俺の服汚してんだよオイッ!!」
店の外から、そんな怒声が聞こえて来た。男の声だ。
視線を怒声のしたほうへ向けると、店を出て少しした所で男がおばあさんの胸ぐらを掴んでいるのが見える。結構、えげつない光景だ。
「喧嘩ですか?」
「そうらしい」
近月の質問に答えている間にも、男は怒声を重ねて行く。
「おいババァなんとか言えよ!この服いくらしたと思ってんだッ!お前の持ってる、その汚ねぇ料理が汚したんだぞッ!!」
男は、そう声をあげながら、掴んでいるおばあさんを揺する。結構激しくゆらされているおばあさんは、揺れと恐怖で何も言葉を言う事ができなくなっていた。
──あのおばあさん、かわいそうだな。
助けにいこうかな?なんかヒーローっぽいし。うーん、でもなあ。
やっぱやめとこ。
だって俺まだレベル1だし、仲介に入って男にやられたら嫌じゃん。
日本でこんなことやってたとして、誰か助けに行くか?行かないだろ、普通。警察が来るのまったりとか、遠目で見たりとかするでしょ。
だから俺もそうする。怖いわけじゃないよ?
……ちょっと怖いけど。
それにあの話し聞いてるとおばあさんにも非がありそうだし。この街にだって警察っぽい人いるでしょ。その人たちにまかせよう。
「ガバス焼き結構イケますねぇ」
そう思っているうちに、近月はガバス焼きを既に食べはじめていた。マイペースな男だ。
でも折角だし、俺も食べよう。
「……あれはやりすぎだ」
俺が遠目で喧騒を見守ることを決意し、ガバス焼きへ手を伸ばそうとしたとき、そんな声が聞こえて来た。
声の元には、赤い髪の……坂棟さんがいた。
坂棟さんはその言葉を発しながら立ち上がり、くるりと体を向きをかえ走りだす。
その先には、あの──今まさに怒鳴っている男とおばあさんたちがいた。
え、うそ。
坂棟さん行くの?マジ?坂棟さんって、そういうキャラだったの?
うっわすごいな。勇気あるなぁ。
鳳連と、幅音さんが喧嘩っぽいのをしてたときは不安そうに右往左往してただけだったのに。
もしかして、自分の事だと動けなくて、他人の事だと動けるのか?
ありえるかも。
あの男、結構ガタい良いし大丈夫か?坂棟さん。
助けにいくか?
うーん、やめておこう。そもそもそういう正義感みたいなの、今更だしな、俺。
警察みたいなのもすぐ来るだろうし大丈夫か。
頑張れ!坂棟さん!
そう、心でエールを送りながらがバス焼きへと手を伸ばした。
マードリック・パーソン(人名)
著書『終焉の大陸』を書き上げたSランク冒険者。終焉の大陸の調査を世界で初めて達成し、その偉業を讃え『冒険王』と呼ばれている。『1000LV』超えの超人。