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初恋

作者: 石丸淳也
掲載日:2026/10/01

子供の頃、仲の良い友達もおらず、いつも一人で過ごしていた。

多少は、寂しい気持ちもあったが、慣れてしまって辛くはなかった。

いつものように、近所の神社に行くと、その日は、女の子が一人いた。

髪を大きめのリボンで結んだ女の子だ。

私に気付くと、ニッコリ笑って、「一緒にあそぼう」と誘ってくれた。

最初は恥ずかしがったが、追いかけっこや、かくれんぼ、他愛もないおしゃべりが楽しかった。

ある日、近所の人が家にやってきて、家族に伝えた。「神社を通ったら、お宅のお子さんが、遊んでいたんだけど、様子がおかしい…」

それを聞いた姉は、次の日に、こっそり神社を見に行ってみた。

私が遊んでいるのだが、まるで、目の前に誰かが、いるような振る舞いである。

怖くなった姉は、思わず声をかけた。

「そろそろ帰るよ」

名残惜しそうに、振り返って、手を振る弟…

この子は、何を見ているんだろう…

不安になり家族に相談した結果、信心深い祖母の知り合いの住職にお願いする事になった。

相談を受けた住職は、例の神社に訪れた。

リボンをつけた女の子が視えた…

「あれは、いかんなあ…」

次の日、私が神社でリボンの女の子と遊んでいると、住職が、ゆっくりと近づいてきた。

普段は、ニコニコ笑っている彼女の顔が険しくなっている。

住職は、私の頭を撫でながら、

「この子は、この世の者ではない。このまま一緒にいては取り込まれてしまう。今日でお別れしよう」

いつのまにか姉が側にいて、私の肩を握っていた。

今度は、女の子に住職が、話している。

険しい顔をしていた彼女も、段々と穏やかな顔になっていった。

「最期のお別れわしなさい」

住職さんに言われ、彼女に言った。

「今まで、ありがとう。楽しかったよ」

涙が自然と溢れた。

彼女も泣いていた…

住職が念仏を唱えると、彼女は、光に包まれて、ゆっくりと消えていった…

「使われなくなった神社には、時々、ああいった者が現れる、ゆっくり忘れなさい」

あれから、10年以上経つが、今でも神社巡りは好きである。そして、無意識に彼女を探してしまう。もう、会えないのは分かっているのに…











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