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第3話 可愛すぎる幼馴染

魔力を練って、練って、質を高めて、高めて――そんな事ばかりを繰り返すうちに、俺こと“ゼスカ・カイレンス”は8歳へとその年齢を重ねていた。


それ故、分かってきた事がある。

といっても、身の回りの事だけなのだが。


先ずは、俺の現状。

転生した私はどうやら、元の時代より500年は優に過ぎている時代の、何て事の無い平凡な村に住まう仲睦まじい両親の元に生まれた一人娘であるようだ。


…………そう“娘”であるのだ。


男から女にシフトチェンジ…………まぁ、特定の層の方々にとっては喜ばしい事なのではあるのだが、俺にとってはぶっちゃけどうでもいい。

別に男と女で実力の優劣があるわけでもなければ、俺はまだまだ成長しているのだから。


しかし、だ。一つだけ、言っておきたい。

いや!!はっきりと申し上げておきたい事がある!!

それは――――今世の俺が中々に可愛いという事だ。

いや、割とマジで。


この世闇さえも照らしてしまうであろう白を基調に、ピンク色が散りばめられている長髪。

そして、ゆめかわ女子大歓喜であろう薄ピンクの瞳。

そして何よりパッチリ二重……完璧か?これは将来べっぴんさん不可避ですよえぇ。


そんな事を思いながら、現在。

俺が今何をしているかと言うと……。


「ゼスカちゃんみてみて~まんまるどろだんご!!」


――――子供の相手をしていた。

この天使の如き純白な笑顔を私に向けながら、丸すぎて最早真球かと疑ってしまいそうになる程に丸い泥団子を手に持つこの少女の名は“リア・インゲニウム”

まぁ簡単に言って幼馴染と言う存在である。


ぶっちゃけ言うが、こんな子供の遊びにかまけていられる程俺は暇ではない。

それにそもそもの話、俺の中身は大層な歳を食った老人であり、更に言えば武術にばかりかまけていた人生故か大人になってからというもの人と……まして、子供となんてまともに話した事すらないし、興味の欠片もないような人間なのだ。


故に、そんな泥団子を堂々と見せられたってはいそうですかとしか――――。


「さっすがリア!!どうしてこう天才なのあ~よしよしいい子いい子おてて汚れちゃったね後で洗おうね~~」


いやいや無理でしょこんな存在自体が反則級美少女天使を甘やかさないなんて事!!こんな子にキツく当たる奴がいたら俺が一から教育しなおしてあげに行っちゃうレベルだよ!?


なんだお前気持ち悪いなとか思うだろう?

いやまぁ、そのような気持ちも分からなくはないが――そもそもとして、俺の中身はジジイなわけでして、リアは孫のようなもの(孫なんて居なかったけど)というかなんというかに見えてしまいまして……イコール甘やかしちゃうというわけですよ。


これが……父性!?あ、今は母性か。


――しかし、遊びばかりにかまけていられないのもまた事実。

この体も成長を重ねて十分動けるようになってきたし――そろそろ、どれ程まで力を引き継げているか試しに行ってもいいかもしれない。


そうだな、今すぐにでも――。


「ねーねーゼスカちゃん!!手洗ったらかけっこしようよかけっこ!!」

「もちろんいいよ。それじゃスタートの位置とゴールを決めよっか〜〜」


…………うむ、やはり明日にしよう。

なぁに、急ぐような事じゃない。そう、急ぐような事じゃないんだ……。

俺は自分にそう言い聞かせ、明日こそは絶対に力を試すぞと決意を固める。


――ちなみに、ちゃんと接戦を演じながら負けた。

俺に勝った時のリアの表情は何者にも代えがたい程に素敵で、それだけで見る価値を見出せるものであった。

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