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みじかい小説

みじかい小説 / 035 / ヒナの決断

掲載日:2025/10/04

よく言われる「楽しんで取り組む」とか「自分との闘いに勝てばいい」とかどこの世界のきれいごとかと思う。

陸上競技では、競争相手に勝たないと意味が無いのだ。

順位がすべて。

だからこそ、日本一や世界一の選手は特別なのだ。

何が特別って、まず体の出来が違う。

黒人選手はそもそも骨格と筋肉のバネが違う。

アジア人である私があれに勝てるとは思わない。

努力でなんとかできる差ではないのだ。

残酷なまでの現実が、そこには横たわっている。

であるならどうするか。

日本一なら目指せるのではないか、とヒナは思った。

ネットで女子100m日本一の記録を検索する。

もう何度も見たその記録は、夢の中にも表れるほどだった。

一年前のヒナは、一年あれば、努力さえすればこれを超えられると思っていた。

一年が経ち、なんと浅はかだったのだろうと思った。

おそらく、この記録を持つ選手と、ヒナの体では、黒人選手ほどではないにせよ、明確な差が存在する。

ヒナはそう感じた。

それほどまでに、日本一の記録ははるか遠くに感じられた。

日本一なんて、無理じゃん。

じゃあ、どうする?

高校総体で一位?

いやいや、今の私の記録は12秒ジャスト。

県でベスト4を目指すくらいがちょうどいい。

県でベスト4なんて、日本一と比べれば、なんとも地味に感じられる。

そもそも、私はなんで100m走をしているんだっけ。

そりゃあ、走るのが好きだからだ。

他人より早く走るのが、単純に気持ちがいいのだ。

でも県でベスト4にもなれていないのが現実だ。

やっぱりこの秋で陸上競技を引退しよう。

将来を見据えて大学受験に専念しよう。

私みたいな人、たくさんいるんだろうな。

ジョギングの足をゆるめ、ヒナは静かに星空をあおいだ。


※この小説は、youtubeショート動画でもお楽しみいただけます。

 以下のurlをご利用ください。

 https://youtube.com/shorts/8HT3GTI7RzU

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