2025年12月6日土曜日
ちゃんぽんについて
出前一丁、家系ラーメンの他に中毒状態になっているのが、ちゃんぽん(リンガーハット)とKFCだ。KFCのTVCMはずるい。ダイエットや健康の事を考えると食わない方がいいのは(頭では)分かっているが、あの『今日ケンタッキーにしなーいー!』のCMが流れると、どうしても食いたくなってしまう。また、定期的に行われる安売り(28日はとりの日など)は、お得好きの私としては食わなきゃ損みたいに思ってしまう。KFCの企業戦略にまんまとハマっている。業界で言う、『いいなりちゃん』状態だ。
ちゃんぽんについては、以下、10年前に書いたものを載せる。
幼い頃から母の料理を食わなかった、と書いたが、大分大きくなってから好物も出来た。あいかわらず週3くらいは外食していたが、母も料理する時間が出来てきて、手の込んだ料理もたまに作るようになった。要は、以前は料理をしたくても、する時間がなかったのだ。また、母はあまり食に関心がないようで、子供達が家から出て行ってしまってからは、味噌汁と御飯と漬け物ばかり食っている。
母が作る料理の中で私の好物は、茶碗蒸しとちゃんぽん。申し訳ないが、この2つしかない。
母の性格からして、茶碗蒸しを作ることはかなり面倒だったと思う。ただ、私が喜ぶのと、意外にも父の好物だったので、たまに出てきた。 父は今でも寿司屋やうなぎ屋で、座るやいなや、人数分の茶碗蒸しを有無も言わさず注文する。
茶碗蒸しを母が作る時、私は必ず3つ作ってもらう。2つは夕食に食う。残りの1つは、翌朝温め直してご飯にかけて食う。茶碗蒸しかけご飯。最高にうまかった。「私の好物はカレーじゃなくて、茶碗蒸しだよ、お母さん。」
ちなみに、母の茶碗蒸しを最後に食べたのは、大学の時だから30年くらい前になる。その後は帰省しても、寿司屋かうなぎ屋か焼肉屋に行く。母の手料理はほとんど食わない。妻に言わせれば異常な家族らしい。今は夫婦2人で毎日、デニーズかサガミ(うどんチェーン)に通っているらしい。
ちゃんぽん麺を家で作り出したのは、私が高校生になったくらいだから、かなり後の話。その頃には、家の商売もラーメンチェーンに押されていて、一時の忙しさは無くなっていた。母は料理をするようになったし、父も釣りに行って、釣ってきた魚を料理するのに台所に立つ事が増えた。そんな頃、我が家の台所のコンロには、いつもダシ(出汁)があった。
父は、「ダシが命」と事あるごとに言っている人で、私が結婚する時も、ダシの大切さをコンコンと説いた。料理の基本はダシにあり、普段からダシを切らしてはいけない。味噌汁、煮物、何にでもダシは使える。だからお前は土日にはダシを取り、小分けにして冷凍しておくように、とまで言われた。が、冷凍するような事は2、3回やって、余りにも面倒なのでやめてしまった。そもそも現代の家庭では、父母のように、味噌汁は毎日飲まない。
ダシは煮干しダシ。煮干しは頭と腹を取り外し、干椎茸と共に弱火でコトコト煮る。製麺所の中は、いつも煮干しダシの匂いが漂っていた。家の味噌汁は、白味噌か合わせ味噌。父が九州の宮崎出身だったので、白味噌が多かった。今では白味噌もうまいと思うが、当時は白味噌の味噌汁は苦手だった。
母がこの煮干しダシを使って、ちゃんぽんを作ったきっかけは、おそらく父からの提案だろう。また、父はイカ釣りもやっていて、我が家の冷凍庫に結構な頻度であった。作り方は、いたってシンプル。中華鍋に油をひき、ニンニク・豚肉・イカと、たっぷりの野菜を炒める。煮干しダシを投入し、塩、胡椒で味を調える。後は、茹でたチャンポン麺を投入し一煮立ち。我が家の『和風煮干しダシちゃんぽん』が完成する。私は高校を卒業するまでの3年あまり、母のチャンポンを異様な頻度で食いまくった。毎日のように食っても全く飽きなかった。
今でもちゃんぽん好きで、リンガーハットでよく食べるし、長崎の元祖の店でも食べた事がある。それらから見れば、母のちゃんぽんはちゃんぽんとは呼べないのかもしれない。(豚骨スープですらない。)しかし、母のちゃんぽんは私にとっては、大切な母の味だ。家のちゃんぽんの麺は、太麺なのでモッチモチ。スープも魚介系だが、ニンニクと豚肉でパンチが効いて、ゴクゴク飲める。育ち盛りのラーメン屋の子には、理想的な食い物だった。今、家ではチャンポン麺は作っていないと思う。残念だ。
ちゃんぽんといえば、こちらも社会人になってハマった店がある。東京大森駅山王口を出てすぐにあった、ちゃんぽん、皿うどんの店、紅山桜飯店。この店には、旭川に転勤するまでの5年半の間、勤務していた大森支店の近くにあったので、毎日のようにちゃんぽんと皿うどんと定食を食い続けた。夜も飲みに行った。親父が中華鍋を振る姿は、芸術家を思わせ、出てくる料理は全て芸術的にうまかった。あの親父、生きてるかなあ。食べたいなあ、親父のちゃんぽん。




