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2025年11月30日日曜日

家系ラーメン


 ざるラーメンの対極にあるのが、家系ラーメン。太くて硬い麺に、豚骨を長時間煮出したスープの豚骨醤油ラーメン。父は九州の人だが、15才で離れてるので、基本豚骨ラーメンは食べない。脂が舌の感覚を鈍らせる事で、麺の味が分からない、と言う理由だ。昔ながらの製麺所の親父として、至極真っ当な考えで、そうなんだと思う一方、世間のラーメン事情からかなり取り残されていると思う。

 私は18歳で家を出てから今まで、40年以上もの間、全国を転々としてきた。社会人になって転勤は10回経験した。内、神奈川は2ヶ所、横浜と横須賀である。横浜の時は2ケ店目、20代後半、独身生活を謳歌していた。とうの昔にバブルは崩壊していたが、横浜時代は私以下の若手が優秀で、団結力も強かった。

 当時それこそ毎日飲んでいた4人のメンバーは今は別々の会社になったが、それぞれでかなりの地位までになっている。(私以外)。自分にとってもこのメンバーとの出会いがその後30年以上も営業を続けることが出来た基礎となっている。

 1カ店目では上司や先輩の言われる通りやってきた。例えば、Aという銘柄をお客様に勧めなさい、と上司が言う。1カ店目の私は言われたままやみくもにセールスした。が、2カ店目で上司がBという銘柄がいい、と言うとすかさず私の内線電話が鳴る。実は隣りのM君からなのだが、上司のお客様の注文明細を見ろ、と言う。画面を見てみると、複数のお客様のBの売り注文が入ってる、って具合。

 こう言う上司は信じられない。じゃあ、自分で理論武装して銘柄決めよう、と勉強する。M君も「この本読んだ方がいいですよ」とよく本を貸してくれた。営業戦略に置いても同じで、上司の言いなりでなく、成果をあげるべき最良の方法を話しあった。夜な夜な飲み屋で集会が開かれた。

 その飲み会の〆が、駅前の横浜家であった。ラーメン食ってる時は既にベロベロで記憶が飛び、惰性だけで食う。翌日(当日)朝起きて、ゲップの匂いで家系ラーメンをまた食ってしまった事を知る。猛烈な胃痛と二日酔いのまま会社に行き、朝礼が終わると、「営業行ってきます」と外へ。歩いて1分のカプセルホテルに直行し爆睡。眠りから覚めると、4人のメンバーは、揃っており、さあこれから(夜も含めて)どうしようか、と作戦会議に入るのであった。

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