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2025年11月26日水曜日

ざるラーメン(10年前)


 結婚してから、実家に帰ると決まって貰ってくるのが、ラーメンの麺。家のラーメンの麺がいかに凄いものかを改めて気付かせてくれたのは妻である。妻が作る家庭のラーメンは、シンプルにうまい。中華鍋でたっぷりの野菜を炒め、シャンタンスープの素や塩コショウで味を整え、ささっ、とうまいタンメンを作ってしまう。家庭のタンメンのレベルとしてはかなり高いと思う。

 あと、実家のラーメンの麺そのものを存分に味わえる食べ方を教えてくれたのも妻だ。作り方は簡単。実家のラーメンの麺をたっぷりの湯で茹でて、ザルにあげ、氷水で締めて、はい、できあがり。あとは市販のめんつゆにすりごま、すりショウガ、刻みネギ、天かすを投入し、浸けて食べるだけ。ざるラーメン。シンプルだが、麺の味がダイレクトに味わえる。実家の麺を家庭で味わうにはベストな選択ではないか。あまりにもシンプルすぎて結婚するまで、(製麺所の家でありながら)一度も食べたことは無かった。

 今では、ざるラーメンをメニューに加えている店もあるし、スーパーでも売っている。日本の家庭に浸透してきているのを実感するが、スーパーの添加物だらけの麺はお勧めしないし、子供にも食べさせないで欲しい。(と言っている私は散々食べてきたのだが。)是非、実家のラーメンの麺でざるラーメンを家庭で作り食べて欲しい。一度食べたら、他のざるラーメンは食べれないと思う。時代は、無添加でうまいラーメンを求めている。

 ざるらーめんとともに、夏の麺の定番と言えば、冷やし中華。子供の頃は酢の感じが嫌いで、(酢の物全般に)食えなかった。給食には、(健康のことを考えてのことだが)酢の物が出ると、マジ泣きながら食った。(昔は給食を完食するまで先生に監視され、無理矢理食わされた。)今でも酢の物は苦手だが、冷やし中華は大好物だ。何故好物になったかというと、それは私が『冷やし中華にマヨネーズを付ける派』だからだ。マヨネーズを付ける派、付けない派は世の中を二分しているが、断然付ける派。酢の感じがマイルドになる。

 話は逸れるが、給食について。社会人になるまで、極度の偏食であった私が、どうして給食は食えたのか。前述したように、無理矢理食わされた面もある。あと、朝飯は食わなかったし、夕食が悲惨だったので、給食に賭けていたところもある。また、苦手なものも多かったが、基本少年が食いやすいメニューになっているのも大きかった。でも、最大の要因は、私は昔からいいカッコしで、かつ責任感が強かったからだ。

 子供の頃は、大して頭も良くないのに、目立ちたがり屋で学級委員長とかやっていたし、生徒会の副会長とかもやっていた。そんな私は、嫌いだからといって給食を残すことは、対外的にできなかった。根性で食った。また、この場合も、嫌いな食べ物を先に食べる派と後に食べる派に二分されるが、私は今でも先に食べる派だ。肉の脂身は当時最も苦手な食べ物だったが、できるだけ咀嚼せず、無理に飲み込んだ。嫌いなものを先に食い尽くしたあと、好きなものだけをじっくり味わったのであった。

 ざるラーメンの話に戻る。実家でラーメンの麺を貰う時、父は必ず私に言うことがある。「麺は2.3日熟成させてから食うこと」である。その後同じ事が漫画『美味しんぼ』で紹介され、今では一般的になったのだが、流石である。麺には、今が一番うまいというポイントがある。私が子供の頃、当時のお客さんは、麺は作りたてがうまい、という蕎麦的な間違った認識を持っている人が大半で、父の考えは理解されなかった。時代が父に追いついてきた、といえる。

 最後に、広島時代に出会った呉冷麺を紹介したい。呉市にある呉龍と珍来亭が有名。呉に営業で行った時には必ずと言っていいくらい、食べた。普通の冷麺や冷やし中華とは全然違う、甘めのスープに平打ち麺。これが実にハマる。うまい。お勧めだ。

 今、ちょうどこれを書いている時、TV『男子ごはん』の本日のメニューは、冷やし中華であった。あっさり風とごまだれ風の2種類の冷やし中華で、どちらも超うまそうであった。冷やし中華は進化してきている。ただ、『家の2.3日経った麺を使ってたら絶品だろうに』とも思ってしまう私がいたのであった。

 

 



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