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営業日誌2007-2008  作者: クリントン
退職日誌
65/116

2025年11月23日日曜日

やぎそばについて


 冷や麦についての回で、休日の昼食は小遣い貰って、小学生の頃は隣の桐山さん(今で言う鉄板居酒屋。昼は焼きそば屋)で、中学・高校の時は、ちょっと離れたお好み焼き屋で好物の焼きそばを食べていた、と書いた。桐山さんの方の焼きそばの麺は家(製麺所)が卸していた。何故焼きそばのことを思い出したのかというと、家の焼きそばが存続の危機にある事を知ってしまったからだ。私は60歳だが、8つ上の長男は68歳で製麺所をやっている。今でこそ、焼きそばの地位は上がってきたが、東京ならいざ知らず、岐阜くんだりではまだ焼きそば専門店は少ない。家の焼きそば麺を使う店が激減している。なぜか。

それは作る方(家)にとっても、取り扱う方(店)にとっても大変手間の掛かる焼きそばだから、である。

 主夫となり、昼食も作るようになって、週に1回くらいのペースで焼きそばを作る。理由は、手軽で、そこそこうまくて、しかも(材料が)安い、からだ。スーパーに行くと30円前後で焼きそばが売ってる。豚こまとキャベツ、卵を載せても、1食200円もしない。主夫には大助かりだ。なぜ焼きそばの麺が安いか、それは安い粉を使っているからだ。富士宮やきそばのようなスーパーでも(ブランド化された値段の)高い焼きそばもあるが、大半の人が安い焼きそばの麺を購入する。焼きそばが安くてもそこそこ食べれるのは、ソースの味自体が濃いからだ。蕎麦やうどんやラーメンやパスタよりも(ソース)味が強いので、安い麺を使ってもそれなりに食べれてしまうのだ。

 このスーパーのやきそばの対極にあるのが、家の焼きそばの麺である。まず、乾麺である事が最大の特徴だ。乾麺の焼きそばの麺。あと太い。スーパーのより断然太いし長いし、もちっとして麺として味がある。断然うまい。この焼きそばを作るには、乾麺である為、冷や麦と同様の手間暇が掛かる。原材料は、ラーメンの麺を作るときに出る、クズ麺である。これを水に浸し、再度練ってから、伸ばし、裁断し、そして屋上で天日干し。天日干しも、ただ干せばいいと言うことで無く、一気に干すと曲がりが出てしまうので、干すのと、箱の中で休ませるのとを、何度も繰り返す。主力のラーメンを作るのだって手間が掛かるのに、兄が焼きそばを作ることが難しくなっているのは当然である。しかも取り扱う店が減ってきて。兄は焼きそばを辞めようと思っているのではないか。

 もう10年以上前になるが、広島時代、支店の仲間とその家族、総勢50人以上の大規模なBBQ大会があった。そこで50人分の家の焼きそば麺を送って貰い、若手と一緒に焼きそばを作ってみた。まず大鍋で湯を沸かし5分ゆでる。茹で上がった麺に素早くサラダ油を回しかけ、くっつかないようにし、かつ水分を一気に飛ばし乾燥させる。(ベタベタさせない。)後は、バーベキュー用の鉄板に豚こま、キャベツ、焼きそば麺を次々投入し、(高温で)ジュージュー焼き、塩コショウを振った後、仕上げに(地元)おたふく(焼きそば)ソース。こうして家特製極太焼きそばは完成し、食べた側から、うまい!うまい!という賞賛の声の大合唱が巻き起こったのであった。

 36年営業一筋でやってきて、今回会社を退社し、今私は人生の岐路に立っている。焼きそば屋かラーメン屋。どちらかやってみたいという思いは、ある。

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