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タイトル未定2025/09/18 16:57
猟銃を掃除する手を休めダークレはグラスの酒を飲んだ。安酒だが美味い。安値だったのは猟銃も同じだが、こちらも悪くない買い物だった。この前は竜を仕留めた。人里を襲っていた大物の羽毛恐竜で多額の賞金が掛かっていた奴だった。危険な相手だったが良い稼ぎになった。 しばらく楽が出来るだろう、と彼は思った。また酒を口に含む。
潮騒の音が聞こえている。しかしダークレのいるベランダから海は見えない。コバルトブルーに染まる亜熱帯の海は反対側にあった。海が見えなくても別に問題はない。彼の目の前には、白い砂浜の代わり白い石を敷き詰めた石庭がある。庭を囲むバナナの木やカナリーヤシそれにブーゲンビリアといった樹木の緑を背景にした白い石組の空間を眺めている方が、心は和む。