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私の婚約者は6人目の攻略対象者でした  作者: みかん桜
本編

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41.宰相子息との恋愛フラグ

「はぁ……」


 辺境伯領への視察権利、手に入れられなかったの。


「ディアごめんね」

「仕方ありません。母は強しってやつですね」

「なにそれ?」

「母親に逆らえる者はいないってことです」


 意味が違うかもしれないけど、そんな言葉があったはず。


「言えてる」


 発端は私が側妃様に、時間によって表情を変える海の話をしてしまったことだった。


 次の視察担当をウィル様にしてほしいとクリスハルト殿下にお願いしたところまでは問題なかったのに。私も海を見てみたい! と側妃様が手を上げられてしまったの。


 私はウィル様と2人で海が見られるなら、道中側妃様が一緒でも良かったのよ? でもウィル様がそれは絶対に嫌だって譲らなくって。


 そんなに嫌がらなくても……と思ったんだけど、中学生——前世より早熟って考えたら高校生かな? 男子高生がせっかく彼女と旅行に行くのに、母親同伴って前世に当てはめて考えると確かに嫌かって考え直したのよね。


 まぁ実際は旅行じゃなく視察だし、側近に侍女に侍従に護衛もいるから側妃様御一行が増えたところで……いや、それでも親と一緒は嫌か。


 でもあまりにウィル様が嫌がるものだから側妃様が拗ねちゃって。王妃様と行くって言い出しちゃったのよね。


 お二人仲良しだし、女子旅は楽しいだろうけど妃二人で行くとかありなの? って思うじゃん? それがありだったのよ。話を聞いて乗り気になった王妃様が書類とか諸々首尾よく整えちゃったから。


 王妃様、仕事早すぎでしょ……。


「その次は俺達に行かせてもらえるよう、兄上の言質は取ったから」 

「ありがとうございます」


 あれから色々調べて、辺境伯領でしか手に入らない物や食べ物があるって分かったの。私、生魚を食べる文化じゃないかなって思ってるのよね。ま、仮に生魚はなくても魚介類料理は多いはず。


 あ~、考えたら海鮮料理が食べたくなってきた。


 そうそう、アクセサリーについては辺境伯領出身の王宮騎士が教えてくれたのよ。名前は覚えていないそうなんだけど、話を聞くにそれは恐らく真珠だと思うわ。


 それよりも何より……。


「ウィル様と海、見たかったなぁ」

「ディア~! ごめんね?」



✽.。.:*・現在・*:.。.✽



「ですがあの時メープル伯爵夫人が同行したおかげで、海水から塩を作ることが可能になりましたからね」

「ふふ。そうね」


 王妃様と側妃様の視察に、驚くことに我が母が側仕えとして同行したの。お母様は元々王妃様とお友達だったのもあって王妃様から指名されたのよ。


 辺境伯領から帰ってきた時の3人は、お土産もたくさん買ってすっごく楽しかったと……視察っていうかもうそれ旅行じゃんね。


 仕事もちゃんとしたみたいだけど。


 お母様ったら私に感化されたのか新しい食材に目ざといの。私もお母様に、海って本当に塩辛いのか確認してきてくださいってお願いしてて……お母様はその約束をちゃんと守ってくださったの。


 そこから辺境伯とか宰相とか色んな大人を巻き込んで塩をつくり、にがりを使って豆腐を作り……。ようやく念願の豆腐を手に入れられたのよね。


「そうでした! 今日は豆腐ドーナツを持ってきたんです」


 使用人に合図して持ってきてもらう。紅茶も新しく入れ直してもらい、おやつタイムよ。


「まさか大豆がスイーツになる日がくるとは思っていませんでした」


 豆腐、今やジェームズ様の侯爵領の名産品になったものね。食事よりもスイーツとしての方が需要があるってのはほんの少し残念だけど。


「さすが俺のディア」

「ふふっ///」


 ウィル様ったら『俺のディア』だって。ニヤけちゃうじゃない。


「そういえばフラワー男爵令嬢が、大豆はお肉の代わりになると言っていましたよ」


 今思い出したのか、そう呟いたノエル。


「大豆が? 何を言ってるんだ?」

「狙いがわからないな」


 ノエルも側近の皆様も首を傾げながら話しているけど、多分それ大豆ミートのことだと思います。ローズ、作りたいなら自分で頑張って~。

 

 私ね、もうあなたとは絶対に関わりたくないの。だって『ジェームズが健康とかありえない』って言ってたでしょ? デイビット様の時も思ったけど、攻略のためなら人の不幸を望むなんてちょっと分かりあえないわ。


 口にできる食材が少なく病弱だったゲーム上のジェームズ様。体力が必要な人付き合いも人が多い場所も苦手で、放課後はいつも馬車が来るまでの間人気のない温室で休んでいた。


 まぁ……だから出会いイベントの場所が温室だったみたいなんだけど。そう、あの日ローズが待っていたのはジェームズ様だったのだ。


 そしてなぜか持ってたヒロイン特製ドリンクを飲み、僅かに体力が戻ったジェームズが感動してヒロインとの交流が始まるみたいなんだけど、知らない人持参のドリンクなんて飲むなよ侯爵令息!


 状況を知ったヒロインが野菜レシピとか、野菜を使った料理を差し入れることで2人の距離が縮まっていく。


 ジェームズ様の健康を取り戻すのは自分の予定だったから現状病弱でないことが許せない。しかも私がお肉の臭みを消す方法を教えた結果、騎士? ってくらいジェームズ様のガタイが良くなったことも、ローズは不服みたいで。


 だから……栄養失調じゃないことを嘆いていたローズなんかに、宰相子息との恋愛フラグを折ってたこと謝らないからね?


「ディア?」


 ちょっと機嫌が悪くなってしまった事に気が付いたウィル様に顔を覗かれ、せっかく引いた顔の赤みが戻ってきてしまった。


「ち、近いですっ///」

「ふはっ。機嫌悪いのはどっかいった?」

「むぅ」

「ディア可愛い~」


 ウィル様にぎゅーっと抱きしめられ、さっきまであったローズへの怒りもすっかりなくなった。


 ふふ。いつも『二人きりの時にお願いします』と言うジェームズ様も、さすがに今日は目を瞑ってくれるみたいね。



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