表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/39

はじめのルート

フチュは一日ですっかりクラスの人気者になった。

家に帰ると彼は「いやー、学校って楽しいな!」とご満悦の様子でかばんを放り、「アイスを所望する!」とキッチンに駆けていった。


フチュに振り回されてすっかり疲れてしまった千歳は、二階にあがって自室のベッドに倒れこんだ。


「だいたいのカップリング案は固まった」


フチュはカップアイスとスプーンを持って部屋に入ってくるなり言った。


千歳は「そう」と興味なさそうに答えた。

眠くて仕方なかった。ウトウトがそっと降りてきて、千歳の表面に膜を張っていた。


「腐力を溜める最も効率的な攻略ルート。栄えある一人目は、伊集院肇だ」


「え!」


ウトウトの膜を引き裂いて、千歳はガバッと起き上がった。


「い、伊集院くん……?」


伊集院の射るような目が、記憶の中から千歳を見つめる。

思わず身震いする。


「見たところ、伊集院は無自覚流され攻めタイプだな。千歳、男性ホルモンを母胎に置き忘れて生まれてきたお前なら、ノンケの伊集院だってその気になる。誘惑して神妙に待て!」


「無理だよ、伊集院くんは僕のことを嫌っているんだ」


「嫌っている? なぜだ?」


「それは、分からないけど」


「実際に嫌いって言われたのか?」


「それは、言われてはないけど……。でも、いつも睨んでくるし、男らしくないとか、女々しいとか、嫌味を言ってくるんだ」


「なんともまあ時代に似つかわしくないジェンダーバイアスゴリゴリな輩のようだな。だがそこがいい」


スプーンでアイスをすくって口に運ぶと、フチュは邪悪にニヤけた。バニラの甘さで頬が緩んだわけではなさそうだ。


「そういう生意気な輩を屈服させるのはいいものだ。実にいい。千歳、お前の魅力で存分に分からせてやれ」


「無責任だなあ」


千歳はそう呆れるが、BL鑑賞を楽しみたいだけの地球外生命体に、そもそも責任なんてものがあるわけないのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ