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『星に願いを』

作者: kastee

初めて、短文小説を書きました。つたない部分は多々あるかと思いますが、どうぞお許しください。

これまでは見えなかったような星たちが  夜空を覆いつくすようになっていた。

地上からの光はほとんど消え失せている


終わるはずのなかった命の営みは  気が付けばこんなにも小さな  もろい輪の中に漂っているだけ。

はるか遠くの星たちは  私たちをさいごまで見守ってくれている。

そう思っていた


残された命は  想像以上のはやさで崩れ去っていく。

わたしだけが地上に残される  ただひとり



あるとき  星のかけらが降ってきた

まばゆい輝きと  うらやましいほどの熱をまとって。

地上は少しのあいだ光をとりもどした。

わたしはその光に  ただ祈りをささげた



光がおさまるまでに  残された命のほとんどが

わたしの目ではとらえられないほどにまで  散ってしまっていた



ガシャン



星のかけらは二つにさけた  そして  その中からわたしのしらないものがわきだした。

わたしが祈っていたもの  もう思い出せないほどのたくさんの願いが

そのどれかが  かなった



星のかけらの中身は  わたしの言葉を解しているように見えた。

それが命であるのかは  もうどうでもよかった


もう一度  この地上に命を巡らせてほしい

そのための方法は  わたしが全てさずけるから。

わたしがやがて尽きてしまう前に



星のかけらの中身は  わたしの知っている命とはまるで違う方法で  その数を増やしていった。

より大きく  より高く  より力強く  地上を巡りはじめた


わたしはずっと  言葉をかけ続けた。

過去に  どれほどの間違いが繰り返されてしまったのか。

二度と  そんな過ちを繰り返さないためのように必要なことを。

もう地上から  命が消え失せてしまうことのないように




わたしの命は尽きた

星のかけらの中身は  しばらくの間  わたしを包んでくれていた。

そして  わたしと一緒にこの地上に生きてきた命たちと同じく

わたしは  崩れ去っていった



星を見上げていた。

地上から放たれた私は  延々と漂い続ける


もう遠く離れてしまった地上へ目を向けると  星のかけらの中身たちが

みんなわたしの後を追ってきているのに気が付いた



地上には  だれも残っていなかった



わたしはとても悲しかった


やがて  わたしはまた星のかけらの中身たちに包まれた。

そして  また  延々と続く星々を見上げていた



「どうして地上を見捨ててしまったの?」

「・・・ひとりだけになってしまうのがいやだった?」

「・・・そんなことも願っていたかもしれない」

「・・・でも・・・悲しい  わたしはなんのために・・・」




すこしづつ意識が消えていく  見上げた星の輝きが  色を失っていく




朝の光が少し眩しく感じる。

いままぶたを開けば、またいつもの今日が始まる。

じっと耐えた。まぶたを開けたら全て消えてしまうような気がした。

きっと、どこかにいたはずの、孤独にふるえながら星を見上げ続けた悲しい命が、

なかったことになってしまいそうだったから。


そうだ、今日は海辺に行こう。そして、星空を見上げよう。

同じような悲しい気持ちにならないような、今度こそ間違えないような、

星への願いを捧げよう。

今日はやることがすこし増えた。

少しシリアス目な感覚でしたが、どうだったでしょうか?

今後も、色々なアプローチで作品を作ってみたいと思います。

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