【戯曲】手紙
◯登場人物
・主人公
(・X)
◯注意等
・()内はやってもやらなくても構いません。できる限りト書きを排していますので、お好きなように演じてください!
・お好きに解釈して、お好きに削ったり伸ばしたりしていただいて構いません。
ただし、発表等を行う場合は作者までご連絡ください! 詳細は作品ページにあります。
都合があえばみにいきます!!!!!
◯概要
・上演時間:約5分
・上演人数:1~2人
◯本編
とある街中。
X、手紙を落として通り過ぎていく。(舞台上、手紙だけがある。)
主人公が通りかかる。手紙に気づく。
主人公「あ。落としましたよ! ……あれ、いない。手紙、だよね。宛名は、ない。封はされてるみたいだけど」
(主人公「この時の私は、この手紙を拾ったことで、あんなことに巻き込まれるなんて、夢にも思ってはいなかったのです」)
主人公「誰かに渡すところだったのかなあ? それとももらったところ? まさかラブレター!? ……なわけないか。どうしよう、道の端に置いておく? でも雨が降ったら濡れちゃうし、カラスが咥えていっちゃうかも。警察に届ける? でもなあ〜、近くの交番、基本的に誰もいないんだよね。駐在してない駐在さんって何やってるわけ? いや、そんなことはどうでもよくて。どうしよう、これ。拾っちゃったよ。拾わなかったら見て見ぬふりもできたのに。いやそれはそれで後で気になったかもしれないけど。どうしようかな〜、どうしようかな〜、どうしようかな〜。結局持って帰って来ちゃった」
主人公「結局その日は手紙は机の上に置いて、私は眠りにつきました。そして、草木も眠る丑三つ時」
窓の割れる音。飛び起きる主人公。
主人公「うわあ!? え、何!? え!? 窓割れてる!? なんで!?」
主人公「だ、誰かいるの? いやそんな訳。一人暮らしだぞこちとら。……石? なーんだ。石が投げ込まれただけか。ってなんで石ー!?」
主人公「な、何これ。なんか紙がくくりつけられてる。えーと、なになに? 『手紙を渡せ』手紙!? って、こ、これか!? なんで!? え、やっぱ拾っちゃいけないものだった的な? (銃声)う、うわぁーー!?」
主人公「私は思わず手紙を掴んで駆け出しました。真夜中の暗い道を無我夢中で走って、河川敷までやってきて、私はその手紙を全力で投げ捨て……ようとしました。できませんでした。人の手紙を投げ捨てるだなんて、そんなことできるわけがない。そうして、私はその手紙が妙に気になってきたのです。気になる。すごく気になる。一体この手紙は何なんだ。開いてしまおうか。開いて……、いいやダメダメ。人様の手紙を開くだなんて。でも、やっぱり……手紙、手紙、手紙。私はいつの間にかその手紙を開いていました。中に入っていたのは……」
主人公、倒れる。