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僕から俺へ

作者: amakawa saiji

 この話はあくまでも私個人を肯定する為の物語である。世の中に受け入れて貰えないならそれを受け入れてもらえるようにここから変えていこうとおもう………。



 今年の夏休みはなんとも重たい空気が流れている。

科学的なとかではなく、周囲から聞こえる音の大半は、ため息ばかりだ。

その重たい雰囲気に僕は、ふーーと一仕事を終えたかのように息を吐き出す。


 毎年ある夏なのに、今まで経験した夏の中で一番重たい夏だ。

そして、ここにいる皆んなと共有できる最後の夏だった。



 中学校までは義務教育という理由で通うしかなかった。

反発することもできないほどの臆病者だったから。中途半端な思春期を過ごした。

そんな日本で生まれそっだったのならばさも当たり前みたいな理由で僕は、学校へ、教室へ重たい腰を上げて足繁く通っていた。時々仮病を使ったりして学校に行かない時もあったが、仮病を使っても孤独な時間があるばかりで何も心を満たす事はなかった。


 小学校までは弱いものいじめをしていた僕だったが、中学では僕がいじめられるようになっていた。

なぜ立場が逆転してしまったのかもわからないけれど、とりあえず味方と思える人間はいなかった。

教師、友達だと思っていた連中、果ては親、兄弟までもが僕の明確なる「敵」だった。

だから仮病で学校を休もうと、普通に登校しようと周りからの僕への扱いは毛ほども変わりはしなかった。みじんも存在を認めてはもらえなっかた。陰では頭のおかしいやつという事で「ラリゴリ」と呼ばれていた。

(ラリったゴリラみたいだからだと大人になって教えてもらった)

だからなのか、僕は僕自身に仮面を着けた。

悪口でも何でも言われているだけで存在は認めてもらえているとその時の僕は歪んだポジティブさでそれを肯定していた。


 知られていないことは居ないのと同じ。周知され存在を認められることが居ること、はたまた生きていることだと思っている。

だからこそ、ピエロという仮面を心につけて日々をだましだまし過ごしている。

 矛盾だらけの生活は気づけば孤独と隣り合わせで不安にかられては無駄な散財を繰り返し、ああなりたくないと思っていた大人になっている。

 鏡に映る自分はなんだかぼやけているようで見るも儚い。

この仮面を身につけた僕ごと受け入れてくれる相手が見つかったときにようやく自分の人生が始まってくるのだと心の何処かで期待していた。

期待が気体に変わり始めてそんな相手と出逢う機会は無いんだろうと、僕の人生を嫌いになり始めて泣きたくなった。

 泣き始めても、泣きわめいてみても、泣きじゃくってみても、泣き殺してみても、泣かないでみても結局変わらないと、泣く泣く見送ってみる。

周りからの目にも見えない、実際のところは誇大妄想かもしれない、そんな重圧の中でそれを感じさせないように振る舞っている。

 誰にも知られる訳にはいかない。家族にも兄弟にも10年来の友人にも見せない1面。

マリオブラザーズの隠しステージのような、ドラゴンクエストの隠し扉みたいな何か条件を達成することで現れてしまうようなそんなヘマをすることもなく26年間大事だいじ大事おおごとにしないように育ててきた。

 自分の気持ち、本音、本性、主義、主張、主観。

知られてしまうことが怖く、またそれと向き合う勇気もない。

臆病な自分。

強がって虚勢を張り、嘘で繕って、オニギリのように包み、握り出来上がった、中の具は作った本人ですらわからないものになっている。

誰か食べてくれる人が表れるのか未来に希望なんて持てやしないけれど、後少しもすればオニギリは石になってしまうことだけはわかっている。


 章の転換はどうやってすればいいの 産まれてから貴方と出会うまでが1章ではなく物語の前説だとするなら、あなたとの出会いが1章で、一生続いていく記念日という思い出が更新されて、改訂されて何十章にもなっていく。

最終章君とのお別れはまだまだ先の話だと思っていたんだけどそれは唐突にやってきてしまうもので、ハッピエンドで終われる物語のようにはいかないね。

 逝かないでといったのに奇跡なんて起こりはしなく、あっけなく、唖然と呆然と自失している間にあなたは逝ってしまった。

遠い遠いところに。


 あなたとの想い出の写真をスマホで見返して、泣いた。

そして遺されたものに、残してくれたものに目を落としまた泣いた。


 それはほんの短い、けれども生きていた、認めてもらえていた、ポッカリと開いていた穴を塞いでくれていたそれ程までにアナンタに依存させてくれていた。

ありがとう、ありがとう僕も後を追ってもいいですか?


 君は見ていない僕のことなんて僕が見ていたのは君のことだけだったのに。。。

世界の景色が鈍色で見えた中で君だけは輝いて見える。

 僕の目に色を届けてくれた君で色づく僕は君色さ。

少しギザなことも君の前では恥ずかしげもなく言えるよ。

 君が放つ光だけが僕を照らしてくれた。

僕は脇役でそこら辺のモブキャラと変わらない平凡な人生を送ってきたよ。

他人に誇れるようなことなど何一つもないけれど、君は少しだけしかめ面になりながら話を聞いてくれていたね。

 何がきっかけだったのか 君の目は光を失った僕も一緒に暗くなった

君は言う何もない、何も残っていない、何も見えない、心が闇に包まれた。

僕は僕自身に問う。本当にそうなのかな? 

僕は答える、君には僕がいるよ、だって僕には君がいたよ、君が何かに絶望して輝きを失ったなら僕のことも道連れにしてほしいな

安らかな時も辛い時も君に寄り添い君とともに壁を壊し時には乗り越えていくよ

君が僕を頼らないならそれはそれでいいんだよ、、、

 僕を拒絶しようと君が僕の光だと、ただそれだけで僕の心は嬉しいのだから

欲を言うならば僕のことを頼ってほしいって願っているよ

そんな僕に関わってしまったばかりに君が周りから陰口を言われているのは知っているけれど、僕だけは君の味方だからね、恐れないで。



 貴女は僕と離れて最高の輝きを取り戻した、僕の目にはそう映った。

その輝きは僕を苦しませるばかりだ。

僕だけをこんな暗闇の中に置き去りにしたままで。。。

 許せない 許せない 許せない

僕のものだったのに、僕だけのものだったはずなのに、どうして、どうして。

貴女の隣にいる人は誰なんだ。


 そんな笑顔もできたんだね、貴女が見せたことないその表情が堪らなく俺の心を騒つかせている

貴女の瞳にははなから俺は映っていなかったんだね。

最初から分かっていたことだったけれど、一方通行の気持ちも貴女になら、貴女なら汲み取ってくれているだろうって心のどこかで思い込んでいたから。

 俺は貴女を恨む。貴女がが泣いて、叫んで、その顔が鼻水や涙でぐしゃぐしゃになって許しを請うまで。貴女に盛大な制裁を。

貴女が隣の奴に助けを求めたなら俺はその心の拠り所を消すよ。

貴女だけしかいなかったんだ。貴女が俺を善にも悪にも変えてしまう、悪に落ちたらもう善には戻れなかったよ。

貴女は苦しさのあまり命を散らしてしまったね。

俺はそうなって初めて君に言うよ

ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい

いくら謝ろうと君も彼ももういない。


 また元の生活に戻るだけ、僕は君の分も長く生きるよ

そうして僕は次の太陽を探しに出かけるよ。


<終わり>

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