表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

第三回なろうラジオ大賞用

雪だるまが砕くのは……

作者: 城河 ゆう

『昨日未明、突如街中で大量に出現した雪だるまですが、近くを歩いていた女性が雪だるまに取り込まれ、低体温症で病院に救急搬送される、と言う事件が多発し、恐怖の声が――』

「う~ん……やっぱ、なんか怖いな。」


 テレビを付けた途端に流れ始めた臨時ニュースに、思わずブルリと身震いしてしまう。

 被害者は、彼氏と歩いていた若い女性ばかりだし……一応、聞いてみようか。


 付き合い始めて3年程になる彼氏に、電話をかけてみると、数コール後、声が聞こえて来る。


『――もしもし?』

「あ、(マモル)?あの、今日のデート、どうする?」

『どうするって、何が?』

「いや、例の雪だるま、若いカップルの女性ばっかり狙われてるって話じゃん」


 出来れば、騒動が終息するまでは、外出も控えたいんだけど――


『大丈夫だって。 いざとなれば俺が守ってやるし、久々のデートなんだ、楽しもうぜ』


 ――ダメか……





「ちゃんと、手繋いでてよ?」

「わかってるよ。 こうしてたら、遥を拐いようが無いしな」


 そう言って、いつも以上にしっかりと手を繋いで歩く。


「もうすっかり冬だねぇ。 あ、年末年始どうする?」

「……まずはクリスマスだろ?」


 鼻で笑いながら言ってくる衛。


 いや、クリスマスはもう予定しっかり決まってるじゃん。

 そろそろ年末年始も予定決め始めたいのに……


 ――いつもそう。

 私だけ心配して、直前で慌てて、結局適当に過ごす。

 まぁそれでも、楽しかったらいいんだけど。


「お?あれ旨そう!ちょっと待ってろ!」

「えっ?ちょっと、衛!」


 近くの売店に目を付けた衛が、手を離して行ってしまう。



 もぅ!離さないでって言ったのに――あれ?






 何、ここ?






 真っ暗で、寒くて、それに、身体が動かな……えっ?嘘っ!?まさか雪だるまの――


 幸い、呼吸はできるようだけど、どんどんと……なんだか、心が冷え切っていくような、嫌な感覚に包まれる。




 なんで、いつも私が我慢するの




 なんで、ちゃんと話聞いてくれないの





 なんで、私は





 なんで、









 なんでナんでナンでナンデ!








 もう








 疲れちゃったな








 このまま目を瞑ってたら――






 ――




 ――か





 ――るか



「――遥!」

「……え? まも、る?」

「大丈夫か!? ワリぃ、俺、手、離しちまって……」


 そのまま、ぎゅっと抱き締められると、あんなに冷え切っていた心が、じんわり暖かくなったように感じた。







 たぶん、もう大丈夫。





 雪だるまから、何度



 ――リア充ども、心を冷やし切って、くだけ散れ――



 って、言われても。





 今なら衛を、信じられそうだから。

新手の『リア充爆発しろ』でした(笑)


ジャンル選びがムズイ……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 私の方は取り込む側(雪だるま)に回りそうです(笑)はい。
[良い点] 雪だるまさえもリア充爆発しろな時代に!笑 ジャンルは、パニックとか?笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ