B1-1 誕生まで はじまりの儀式
「そろそろ子供欲しいよ。考えてないの?」
嫁からの要望だ。
結婚して1年少し。
結婚したのは29歳。嫁は26歳だったがすぐに誕生日を迎えた。2歳差だ。
もうお互い30歳と28歳。子供が成人するころには50を超えてしまう。
大学時代、親父が定年になってお金が…と苦労していた学友を思い出した。
理系で大学院前期を考えると24歳迄育てる必要がある。
確かに1人目、2人目を考えるとリミットはあと5年しかない。浪人まで考えると4年だ。
「分かった。考えておく。」
要望があるということは何かのインスピレーションだろう。
時は満ちている。あとは行動しかない。
神聖なる儀式に向けて、これから禊と事前儀式が必要だ。
禊について妻に話をしても付き合うわけ無いから一人だが。
今日は肉を食べない。酒も呑まない。
滝に打たれたいところだがソンナ秘境では無いのでお風呂だ。
座禅を組み、日本全土の大地と大気の精霊と神を呼び込む。
残念ながら運動音痴の俺の遺伝子じゃスポーツ神が宿った所で
GTRのエンジンを積んだ軽自動車と同じで壊れちまうな。
元々記憶力が良く数字に強い方だったので、それを生かす方向
の勉強系神がマッチしているはずだ。
神々が沢山居そうな出雲の地、そして全国へ呼びかけをイメージする。
頭脳派天才の精霊と神よキタレ…。
おっと忘れてた…昼に決めて夜の儀式だと急すぎないか?。
急すぎて頭脳派系神々不在も考慮する必要があるかもな。
護国神社には英霊が沢山居るに違いない。
頭脳派天才の英霊よ~。
実家の山々に宿る精霊もイメージしておくか。。。
沢山の精霊・神々・英霊に要望した。
もちろん愛情たっぷりで大事に育てると約束する。
夜になって儀式が始まる。
何かが憑依して、通り過ぎたようだ。
確かに小さい何かがあったような…。
抜けた髪の毛が、顔に当たったせいでは無いと思いたい。
R18じゃないよねこれ。