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[chapter:終章]花と死神
[chapter:終章]花と死神
翌日。
「夢じゃなかった」
寝癖もそのままに、部屋のすみに居座る死神を見て、羽柴が言い放った第一声がそれだった。
「夢だと思ってたんですか」
「休み前だったから、疲れてるんだと思ったんだ」
そしてそれから、えっ? と羽柴はシンを見た。
「えっ、じゃあ俺、死神に花冠作っちゃったの?」
今さらだろう。そして、唐突にシンは納得した。
「……なるほど」
人間の訳が分からないのではなく。
「あなたの訳が分かりません」
「……ちょっとひどいよね」
自覚はあるけど。と羽柴が気まずそうに視線をそらして、その日の朝は始まった。
終。