表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

[chapter:序章]Before the end.

[chapter:序章]Before the end.


 奪え、

 奪え、

 奪え、

 奪え、


 根こそぎすべて、

 ただ唯一の、

 命を奪え。


 死神ならば、

 きたるべき時に鎌を振り上げよ。

 きたるべき時に鎌を振り落とせ。

 かくあるべし。

 かくたるべし。


 生命の歯車を止めるのだ。

 『魂』という鍵を奪うのだ。


 ――……。


 ――だが、


 だが、私は、思うのだ。

 これが、なぜ、死神の仕事なのかと。

 なぜ、私は、死神なのかと。


 なぜ、私は、あなたを――……


「泣かないでよ」

「泣いていません」


 ふふふ、と小さく笑われる。


「そうだね」


 わずかに頭を動かすと、さらりと薄い茶色の髪が揺れた。紫にもみえる瞳を細めて、穏やかに笑うと、苦しげに咳をした。


 何もできない。

 何もできない。

 何もできない。


 ――いいや、違う。


 己の反証に、大鎌を持った腕がびくりと震える。


 ――ひとつだけある。


 ――いいや駄目だ。


 葛藤と逡巡がその死神をあざ笑う。


 そして、


 ――……選択の時がきた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ