LOVESLAVE(ラブ・スレイブ)
「卒業式」と校門に建てられた看板が降ろされ、夕陽によって仄かに朱色に染まっていた桜によって鳴殿中学校はいつもよりも彩られていた。その学校を数時間前に卒業した私・幽河美李は、今まさに青春真っ盛りのイベントに参加している。
「前々からずっと好きでした…幽河さん、付き合って下さい!!」
生徒会に所属し目立っていたからなのか、告白されることは慣れているしお付き合いを断ることはもっと慣れている。私の答えを聞けば、彼は耐えうる程の胸の痛みに涙することだろう…
「丁重にお断りさせて頂きます」
まぁとはいえ言葉を濁すつもりは毛頭ないけど。
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卒業した明殿中から去り、送迎用車の中で運転手であり執事でもある初老のタチバナは瞳をウルウルしながらハンドルを手にしていた。どうやら卒業式の様子を見ていたらしい。
「ご卒業おめでとうございます、式でのお嬢様の答辞は素晴らしく感動いたしました…うぅっ」
「涙を流すのは帰ってからで頼むわタチバナさん…貴方は今運転中なのよ」
「あぁこれはこれは…大変失礼いたしました」
タチバナはハッとした表情となり、急いで懐からハンカチを取り出して自身の目元をサッと軽く拭った。
「お嬢様、例の物がお屋敷に届いたそうです」
「何時に?」
「丁度卒業式が終わった直後です、正確な時間帯は午後1時27分43秒…ただ送られてきた木箱は「2つ」あるとか…」
「二つ…一つではなくて?」
「お屋敷に居るメイドからの伝言によると、一つは「ご卒業祝い」のシールが張られていたそうです」
「いかにも怪しい話ね…」
その時の私がふと後部座席の車窓から茜色の夕焼けを眺めていると、その視界の中にビルに設置された大型スクリーンによってニュース番組が放映されていた。聞こえる限りの内容から察するに緊急速報らしい…ニューステロップには「元強盗殺人犯の男、脱獄」と書かれていた。
「ああ…この人は」
ニュース番組を目にした私は、まず鞄からスマートフォンを手にした。スライドしていた指はスッと止まり、ある男の顔写真を覗いた…どうやら的中のようだ。
「タチバナさん…すみませんが、寄り道したいので少しお時間もらえるかしら?」
「…そう仰るのではと思っておりました、ではどちらまで?」
私が握っていたスマートフォンにも、大型モニターには同一人物が映っていた――――。
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某所・地下駐車場―――。
「それでは私はスーパーに寄ってまいりますので…何かあったらお電話ください」
「ええ、分かってるわ」
運転席から降りたタチバナさんは鍵をつけたまま
私を車中に残して駐車場から歩み去ったと
同時に、スマホが振動し着信音である黒電話のベルがポケットの中から鳴りはじめた。
「もしもし? ………お祝いの言葉、ありがとうございます。 」
母からの電話だったが、少しだけノイズが発していたため私は車から一度降りた。
「これで私も参加する条件は全て揃えました、あとは「人材」を」
その時、後ろから何者かの右手が私の右肩を強めに掴んだ。首の後ろ側には鋭利な何かが触れた感触があり、後ろに立っているのは男性らしくハァハァと息切れしていた。ナイフを持った手の甲にはサインペンで殴り書きされた一文が書かれており内容はシンプルだった。
[電源を切れ!!]
「…申し訳ありませんが、急用が入りましたので切らせて頂きます」
電話の向こう側にいる母に挨拶を交わしスマホを切ると、男は私の左耳に近づく。
「いいか? 五体満足で無事にお家に帰りてぇんだったら、俺の言う事を聞きな…分かったか?」
「…」
できるだけ男を刺激しないように私はコクっと頷く。
「よしっ、まずはお前が乗ってた車に乗れ…もちろん助手席にだ」
男の口調から察するに私がどの車に乗っていたか分かっていたらしく、先程自分が降りた黒塗りの車の助手席に座る。ここでようやく…男が臨時ニュースに出ていた脱獄中の囚人であったことを確認した。フードを被った脱獄犯は刃物を私に向けながらもゆっくりと運転席へ座った。そして…そのまま車のハンドルに手をかけ…
身体に電流が走ったからなのか、身体が縮こまり痙攣し始めた。…まさか、自分からこうも簡単に引っかかるとはね。
「で、電流…ッッ!?」
ハンドルから電流により、脱獄犯の男は瞳孔を開きながら後ろにもたれかかって気絶した。私は軽く掴まれた肩を優しく払い、スマートフォンでタチバナさんへ電話をかけた。
「タチバナさん? もうお目当ての代物は手に入れたから買い物終わったら帰ってきて良いわよ…
あっ、あとついでにキャラメルロールケーキ買って来てくれるかしら?」
地下の静寂は守られたまま、外を染める茜色の夕空は紫色に移り変わり始めていた。
~~~
某所・廃墟ビルの一室―――。次に私たちが寄り道したこの場所は何十年も前に留置所として使われていた施設で、今は私が個人的に使わせてもらってる。 …とは言っても殆どがこういう「お客様」と談話する時とかに面会室を使う程度だけど…
「うぅっ…こ、ここは…?」
先程まで気絶した男が目を覚ますと、足は縄でパイプ椅子に縛られ、両腕は手錠によって強く拘束されている。
「その様子だと随分グッスリだったようね」
「テメェ…この雌ガキがぁ!」
私と男の間には厚さ約2cm程のガラスを隔てられているが、身動きの取れない状態でも威嚇してきた。
「…これでも貴方を警察から助けたんだから、先ずはお礼のご挨拶でなくて?」
「気絶させておいてこんな意味不明な場所に縛りつける女に下げる頭はねぇよ…!!」
「小悪党程吠えるものね…そう思わない、強盗殺人犯の坂郷克路さん?」
ファイルを開き、私は胸ポケットのペンで彼…坂郷に対しての評価を書き始めていく。
「…アンタは、一体何者だ?」
「その質問に答えるのは、貴方が私の『求めている人材』かどうかを確認させてから…ね」
「人材だと…?」
つい先ほどまで吠えていた坂郷も、ようやく冷静になり始めた。
構わずファイルにある彼のプロフィールを読み続けていく。
「坂郷克路、H県・Y県・C県を中心に計11件の強盗殺人を犯した凶悪犯…刑務所に入れられるが、看守囚人関係なく暴行を繰り返し…現在逃走中ってとこね」
「おい待て…前科については新聞とかニュースを見ればわかるとは思うが、なんでムショん所の事情まで知ってんだよ?」
「さっきから疑問形ばっかね貴方。…情報通なの、おまけに地獄耳でね…」
何故…私のような女子高生が彼を攫ったのか、大まかにそれを説明した。
最近命を狙われていること、警察に助けを求められない状況下にあること…そして身を護る為には命を狙ってくる者たちを何とかするしかないこと…説明できる所まで全て説明した。
「つまりテメェは、俺を用心棒として雇いてぇっつうことか?」
坂郷の方もようやく冷静になったらしく、素直に私の話を聞いている。
「経歴が利口な奴を使うと、犯罪者よりもアシがつきやすいのよ…『お掃除』し難くなってしまうじゃない」
「殺しも辞さねぇってことなんだな?」
「ええ、私を殺そうとする奴がいたら、二度とそんな過ちを繰り返さないようにするのが最大の優しさでなくて?」
私はテーブルの上に置いてあったリモコンを手に取り、後ろに置かれたテレビに向けて電源を入れた。
『現在脱獄中の坂郷克路囚の行方は分かっておらず、警察によれば……』
今現在、夜の7時26分…彼が気絶してから2時間程経過していたのにも関わらず警察は坂郷の行方を掴めずにいたのだった。ここにいるとも知らずに…
「最低限の自由は保証してあげるわ。ただしその為には新しい顔と名前が必要だからそのつもりで」
何秒か考える姿勢となった坂郷は数秒固まった後に元の姿勢へと戻った。
「一つ、質問させろ」
「許容範囲以内の内容なら、ご自由に…」
「生原っつう刑事の情報は握ってるか…?」
「…ええ、勿論。 因縁の相手である刑事さんよね?」
私はガラス越しにいる彼にスマホのフォルダの中にある画像を一枚見せる。中年男性でコート姿…灰色のハットを被った男性が映っていた。
「俺の知る限り、出会った奴の中で一番のキレ者だ…。たとえ整形したとしてもすぐに見破っちまうだろう…それならば」
「脅すネタが欲しい…と」
写真に写っている生原剛樹というこの男は○○署の刑事であり、今まで何十人もの犯罪者が彼に手錠を掛けられていった…まさに凄腕の刑事である。勿論目の前にいる坂郷も、かつて彼の手によって現行犯逮捕されていた。
「人間的に強い奴ってのは、身内に迫る危機には弱ぇ。嫁や子供の情報を握りゃあ奴もしばらくは動けねぇ…そこでだ、アイツの周辺にいる人間の情報と交換条件でお前のボディガードをやってやんよ。 …どうだ?」
「ええ、問題無いわ…私としても警察が嗅ぎまわるような面倒は御免よ」
「なら…交渉成立だな」
交渉を始まってから24分41秒…坂郷克路は私のものとなった。
「幽河美李、貴方の主人となる私の名前。 よろしくね…坂郷」
(まぁつっても…子守りみてぇなもんだろうしチョロそうだな。 最悪、コイツを誘拐するチャンスさえ握れば…)
この時の私は、正直坂郷の返事に関して嬉しいとは感じていなかった。この男がこの交渉に乗ることも、因縁の刑事さんの情報を掴みたいと言い出す事も、脱獄した後にあの地下駐車場に向かうことさえも私は知っていた。でも、まだ…望んだ結果とはなっていない。
「あっ、そうそう…それは私から貴方への誕生日プレゼントよ。 新たな生まれ変わる貴方へのね…」
私は下に置いてあったプレゼント箱をテーブルに置き、箱のフタを開けた。箱の中の物体を見た坂郷の反応は嘲笑であった。
「何の冗談だ?…少なくとも俺はテメェよりも年上なんだ。 こんなんで喜ぶと思うか!?」
「そんな事言っていいのかしら? これは今後貴方にとって不可欠なもの。大事な大事な…
『新しい容器』だもの♪」
[ は? ]
何も存在しなかったはずの空間に現れた二つの巨大な鉄の塊が、
[ は? ]
磁石のように引き合いながらも、狭間にいるのにも関わらず自分の置かれている事態に気がつかない坂郷へと迫っていく。
[ は? ]
[ は? ]
ブチャッッ!!!
[]
…彼は、文字通り命潰えるその瞬間まで私の言葉を理解することができなかったらしい。
だが問題ないだろう、一度死ねば嫌でも分かることなのだから。
先程まで人間の形をしていた血肉は、「装置」と呼ばれているこの二つの鉄塊に刻まれた魔法陣が怪しい光を放った。
「初期動作は問題なさそうね…」
転生装置からコンクリート製の地面にポツリポツリと落ちる「赤い物体」は、地面で寝相するかのように動き始めた。数秒とかからないう内に「物体」は煙状に姿を変えてガラスの隙間からこちら側に入ってくると―――
再び液体状に戻り、プレゼント箱の中へと吸い込まれるように入り込んでいった。
するとプレゼント箱の中にある何かが動いたのか、ガサガサと音をたてる。箱の中から現れたのは…一体の木製人形だった。私の求めていた結果―――
―――坂郷克路の転生が、成功したようだった。
「どうかしら坂郷、新しい自分になった感想は?」
「新しいっ…自分だと……?」
坂郷が自分の変わり果てた姿に気づくのに時間は掛からなかった、周りを見渡そうとガラスのある後ろを側へと振り向いたのだ。そこには数秒前に磨り潰され肉塊となった以前の身体と、ガラスからの反射して映る変わり果てた今の自分を初めて見た。
「…おい、おいおい待てやクソ娘! より詳しく説明しやがれ!!」 」
「説明するも何も…お約束通り新しい身体を与えてあげたのよ。 これで警察に追われることなく」
「じゃあ聞くがよぉ…俺は一体…何になっちまったんだよ!!」
本人に説明すべきことは全て話したから話すべきことは特にないが、私は口で説明するだけではと思いプレゼント箱の包装紙を掴みながら破っていく。箱の正体は玩具のパッケージで、そこには記載されていたのは…
『ギアルマテクス社製隷従魔玩 オールドシリーズvol.4』
「隷従魔玩…それが人間を辞めた貴方の新しい転生先。 主である魔女に付き従い、その身朽ちる…いや壊れるまで主を守る為に造られた道具」
淡々と説明するのか悪かったのか、説明している内容でなのか…それとも両方であるかは分からないが、
血が通うことはなけれど血の気が引いているかのような表情をしていた。
「隷従魔玩…魔女だと…何を、何を言ってんだ?」
「まぁそうね、つまりこれからは一生貴方は玩具のままって事」
私は破った包装紙を細かく千切って、紙吹雪のように撒き散らすと…
「ふざけんなよっ!? ワケわかんねぇ話をベラベラと…俺は用心棒としてテメェに付いてやるっていったんだ、人形遊びする為に外に出たんじゃ…ってぐぁ!!」
坂郷はテーブルから私目掛けて飛びついて襲おうとするも、物影から現れた有刺鉄線によって左脚を絡め取られ私に触れることすらできなかった。
「ならどうするの…元の身体に戻させる為に私を痛めつける? 辱める? それとも殺してみる? まぁどれも今の貴方にとって現実的な選択肢ではないわね」
一瞬のうちに坂郷の身体を覆った鉄線の棘によって動けば動く程に木製の身体に傷ついてゆく坂郷であったが、それも構わずに私の足元へ這い寄ろうとする。…丁度その時に異変は起きた。
「なんだよコレッ、俺の…耳?」
坂郷の耳にあたるパーツがボロボロと崩壊し始めたのだ。そればかりか崩壊したことによって空いた穴からは、人間の指に似た触手が飛び出てきた。
「…どうやら貴方の身体の場合、お遊びすらできそうにないわ」
人形の中に込められている魔力が不安定になっている…簡単に言えば暴走状態に近い。
「な、何だyコレ? 身i&縊kの中から…r4什g:紊%k@gが…あ?」
私は後ろに掛けていたブレザーのポケットからスマートフォンを手に取り、坂郷に背を向けながらタチバナへ電話を掛けた。
「タチバナさん、残念だけどやっぱり『おまけ』は役立ちそうにないわ」
『左様でございますか…本社の方に返品いたしますか?』
「お、俺$oij3ahあ:{@0f崘pe嶽j%¥×狆fj籟i9!?」
「あ~ちょっと待ってて貰えるかしら? 今、電話中だから」
「ふfj39j薈mir;榠、kp3兌kf=K0勇kfvF.<Mこj!!」
振り返った時には最早人語を発することもできなくなっており、坂郷の意識さえあるのかどうかさえ分からない状態であった。
「まぁでも…一応活きだけは良さそうだから、一旦預かるってお伝えくださるかしら?」
『かしこまりました』
「新しい身体はまだ慣れないみたいね…だけど安心していいわよ…私は物持ちが良い方なの」
坂郷の身体に出来ていた一ヶ所の穴からできたヒビが新たな穴とヒビを生み、それに比例して中から飛び出る触手の数も増えていった。その時の坂郷の姿はかつての凶悪な強盗殺人犯や玩具の人形ではなく…無数の触手の生えた化け物へと変わり始めていた。
「ああ…でも近々同類ができるかもだから、その子よりも強いってことを証明したらまた別の身体と交換させてあげる」
私の口にした言葉を耳にした坂郷…いや坂郷だった化物は狂いもがくような動きを止めた。
「しかも、因縁の相手である生原刑事の一人息子よ…貴方にとっては一石二鳥の好機ではなくて?」
そう言って私はその部屋を後にすると、そこには有刺鉄線によって身を封じられた触手の化け物がその場に残った。
「…0i6rchur……だ38,cociィ…おihあ等…deai頃イ…!」
翌日からこのビルの近くに住みつくホームレス数名が重傷を負い、夜中にビルの前を通った時に獣の叫び声が聞こえる者もいたらしい。そのような周辺で起きた怪事件や噂などによって、この廃ビルは「巣窟」と呼ばれるようになるのはそう時間を要さなかった。
部屋から退室した私は廃ビル近くの駐車場でタチバナと合流すると、タチバナは私にタブレットを手渡した。…合流する数分前に「ギアルマテクス社」の方からビデオメッセージが届いたそうだ。私は帰宅する車中でメッセージを再生すると、
『幽河美李様、この度は中等部御卒業おめでとうございます。並びに我々「ギアルマテクス社」の商品をご購入頂いたことにつきましても、この上なき感謝の意をこちらのメッセージを送らせて頂きました』
映像に映る人物は深々とお辞儀をしていた。…しかし画面の向こう側にいるその人物はスーツ姿でありながら、頭部には金庫のような被り物を被っているあまりに異様な人物(?)であった。が、「金庫の男」は気にせずに説明を続ける。
『さて…ご存知かと思われますが、隷従魔玩をご購入した時点で幽河様にも今後「継承戦争」へ参加していただきます。勿論、 ご存知の通り…原初の魔女の正統後継者の座は、千年経った今でも空席のままとなっております。 後継者候補生であるあなた方にとって、主を守る「駒」となる魔玩は貴方を守るための道具ですので中身の方は慎重に選ぶことをお勧めいたします!』
「……」
魔玩の中身…つまり魔女の為に命を捧げる僕、または愚か者とも呼ばれる人間。その「素質」を持つ者はごまんといるが、大半は戦場に散りゆく塵芥となってゆく…だからこそ選び抜く必要がある。
坂郷克路みたいな凶悪な人間を僕にする魔女は多いけど、私は…ずっと前に決めている。
『それでは…幽河様が運命が貴女様を選ぶことをお祈り申し上げます!』
「金庫の男」は再び深く辞儀を行った所で映像メッセージは終わった。こちらも見終わった時には、車は既に自宅に到着していた。私はそのまま自分の部屋へ向かいドアを開けると…
そこにあるのは当然いつも通りの自室。ベッドに、机、テレビにパソコン、教科書用の棚…
部屋の壁一面にクモの巣のように広がる人物相関図、私に関わった人物全員の「個人情報」ファイル用の棚、…盗聴・盗撮ツールの詰まったプラスチック製収納ケースその他諸々…日常的でつまらない見慣れたものばかりだ…つい数時間前までは。この部屋の中にあるものの中で一番新しく、夢中にさせてくれるものは2つある。
1つはとある男子学生の情報…最高の僕となり得る存在の全て。「生原大樹」、私は貴方を選んだ…。そして、最高の僕には…
2つ目となる厳選した最高の「隷従魔玩」を与えてあげる…。
「切なくなるほどに待ち遠しいわ…生原大樹くん、貴方はどんな玩具になってくれるかしら?」
2つ目となるプレゼント箱に入った「ソレ」の掌は…私に挨拶をしようとしているかのように、箱から揺れながらはみ出ていた。
第0夜「新しい巣窟と」end
【敵存在確認数】 ?人
どうも、作者のTHE黒と申します。まず新年号になるまでお待たせして申し訳ありませんでした。今回で短編読切小説シリーズの最後の作品となります。それぞれジャンルの違う短編小説でしたが、書いてみると難しい所がたくさんあって色々と発見することができたのでいい経験したと実感しています…まだ満足はしていませんが。さて近日中にTwitterでアンケート形式のつぶやきをしたいと思います、質問は単純なもの…「3つの短編小説の中で面白かったのはどれか」です。できるだけ締切は長くしようと思うので、この小説しかみていないのであれば是非とも他の2つも見て頂きたいと思います。感想やアドバイス等も、Twitterや「なろう」で送っていただけると更にありがたいのでそちらの方もよろしくお願いします。現在投稿中の長編小説の「NIGHTNEON」も出来次第早急に投稿したいと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。それでは皆さん、また近いうちに…