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休日は友達と

入学して1週間、随分と学院にも慣れてきた。

ローグナーも狩人コースらしいので、ぼっちにならなくて済んだ。


1日の流れとしては、光の9刻半から授業が始まる。

光の10刻半に1限目が終わり、2限目は光の11刻に始まる。

光の12刻に2限目が終われば、なんと闇の2刻まで昼休みだ。

その後3限目が始まり、闇の3刻に終わる。

実はこれで授業は終わりだそうだ、信じられない。

緩くね?楽じゃね?

僕的にはそうしか思わなかったよね。

他の子達は1刻も授業がある!って嘆いてたけど。

寧ろ途中休憩が長すぎるでしょって思ったけど、これには訳があった。

ほら…校舎が…広いから…移動で間に合わないんだって…


まぁ僕は転移魔法使えるけどね。


基本的には、授業は3種類しかない。

教養、魔術、コース選択。

第1学年が1限に教養の授業なら、第2学年は魔術の授業をして、第3学年がコース選択の授業を行う。

そんな感じで、学年で被る事はないようになってるそうだ。

国語とか数学とか社会とか理科とか体育とか、そういう感じで分かれてるわけじゃない。

寧ろ教養の授業に色々詰め込まれてる感じ?

国語やったり、数学やったり、護身術やったり…

とにかく、全て纏めて『教養』だそうだ。

まぁ高校とか大学でやる行列式とか、この世界じゃぶっちゃけ必要ないもんな。

確かあれって確率学とか座標計算の算出で使うんだったけど、魔法が存在する世界でそんなちまちました計算などいらないわけで。

立体のモノ作るのに設計図引いたり大きさ決めたりとか自分の手で最初から、ではなく、魔法で一瞬、だもんなぁ…

最低限の四則演算とか、それさえ出来れば生活出来るんだよね、リアルに。


ちなみに3限目まで終わった後に、前世でいうところの部活動を行なったりするらしい。

名目は『研究活動』と言って、5人以上のグループであれば活動が認められ、申請書が出せるとの事。

『火属性研究会』とか『スキル研究会』とか、まぁ色々あるそうで、既存の研究会と被ったものは受理されない。

僕もどこかに所属してみようかなぁ…


そんな感じで授業初日は教養は入学試験の答え合わせで終わり、魔術も申告した属性の確認のみ、コース選択は顔合わせとコースの概要説明だけだった。

次の日からは普通に勉強スタートしたけど、教養と魔術は知ってる事ばっかでかなり眠かった…

コース選択で狩人の歴史について学んだのは面白かったかな?

暫くは座学らしいので、真面目に聞いてます。

そして今日は学院入って初めてのお休み。

みんなとルーファスの家で会うから、変装はなし。

ファーマが僕とシャーリーを送ってくれるそうだ。

リリーは身重なので留守番です。

手土産にみんなの好きなクッキーを作っておいた。


そういえばみんなから、入学式後の夕方頃に『レター』が届いたんだよね。

どれかわからなかった、という内容だった。

なので僕はちょっとしたイタズラ心で、最初に見つけた人に新作ケーキプレゼント、と返信した。

但し教室に押しかけるのは禁止、と追伸も入れて。

…次の日、西棟昇降口の横の木に隠れるようにこちらを伺ってるニコラを見て、ちょっと呆れた。

白制服が目立ってる事に気付かないんだもんなぁ…

そんなやりとりをしてから会うのは初めてなので、なんか言われるかちょっとドキドキしてる。

ファーマの運転で、オルテス公爵家に向かう。

うちの家紋を見て、何人かの人がこっちをじーっと見てる。

これは誰が乗ってるか気になるという、好奇の目だな。

特に父様、母様、僕は有名人だから。

何人かはぞろぞろと付いてきて、正体を見てやろうとしてる。

オルテス公爵家の敷地内に入ると、門の外の人達の声が大きくなった。

どうやら愛し子()だってわかったみたいだね。

まぁそこからだと僕の顔は見る事出来ないけど。


「ユージェ、よく来たな」

「お招きありがとう、ルーファス…なんか、慌ただしいね?」


ルーファスが玄関まで迎えにきてくれたけど、なんだか屋敷の中が騒がしかった。

いつもなら整列して待っててくれるメイドさんとかもいない。


「あぁ、なんだかさっき父上が帰ってきてな、バタついてるんだ、悪いな」

「構わないよ、そんな時に来て悪いね」

「いいや、寧ろ突然帰ってきた父上が悪いんだから。何か探し物をしてるらしくてな、俺も会ってないんだ」

「どうしたんだろうね、忘れ物かな?なんか宰相さんらしくないというか。あ、ちなみに僕が最後?」

「まだレオだけ来てないんだ、先に部屋で待ってよう」


へぇ、いつもならナタリーと一緒に先に来てるレオがいないのか。

レオだけって事はナタリーはいるんだろうな、珍しい。

僕はルーファスの案内で、ルーファスの自室に向かう。

中に入ると、ニコラとナタリーがこっちを見て笑顔を見せた。


「ユージェ!久しぶり!」

「ご機嫌よう、ユージェ君」

「やぁ、ニコラ、ナタリー。ちなみにニコラ、君の事はここ数日昇降口で見てるから、久しぶりでもないよ」

「え?!なんで知ってるの?!」

「かなり目立ってたよ?だから来週からやめてね」

「はぁーい…」


不貞腐れるように、ニコラが頬を膨らませる。

見た目は美人系なのに、本当に残念だよね…


「それにしても、全然わかりませんわ。ユージェ君、女の子になってませんよね?」

「女の子になるのは魔力使うから、やらないよ」

「え、やった事あるの?!」

「あるよ、1番の変装じゃないか。女の子の姿の時は侯爵家メイドのジェリスちゃんですわよ、うふふ」

「めっちゃ見たい!!絶対可愛いよね!!」

「私も見てみたいですわ」

「まぁ、いつかね」

「それはそうと、レオは遅いな。ナタリー、何か聞いてないか?」

「ええ、いつもなら一緒に来るんですけど、今日は先に行っててって『レター』が来まして…」


ナタリーの言葉の後に、部屋の外が騒がしくなる。

そのまま飛び込んできたのは、噂のレオだった。


「ユージェ、いる?!」


え、僕?

一体どうしたっていうんだ、レオ。

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