メイーナの変装
土日に更新が出来ませんでした…
すみませんm(_ _)m
アッシュ君との会話はそこそこに、僕達は先生の誘導で入学式を終えた。
首席代表挨拶は平民科はメイーナさん、貴族科はルーファスだった。
メイーナさんはさらっと終わったけど、ルーファスはなんか凄いカッコよかったわ。
堂に入ってるというか、様になってるというか。
さすが宰相さんの息子って感じ。
ちなみに貴族科の次席はナタリーで、レオが5位、ニコラは17位でギリギリみんなと同じクラスだったそうだ。
第1学年は入学試験の結果、第2と第3学年は前年度の期末試験の結果でクラスが決まるらしい。
今年度は貴族科1〜17位までが花組、18〜35位までが雪組。
平民科1〜19位までが月組、20〜38位までが星組。
…どこの愛し子だ、名付けたの。
宝塚を彷彿とさせるじゃないか。
そんなこんなで、現在教室で担任待ちです。
僕は第1学年月組。
席は自由との事だったので、1番後ろの窓際を占領しました。
隣にはいつの間にかメイーナさんが座ってた。
アッシュ君は教壇の目の前、先生に媚び売りたいのかな…?
僕の前は黒髪の男の子が座ってる、というか、寝てる。
特に声をかけてこないし、僕も声をかけてないから、まだ名前もわからないけど。
「…ユズキ」
「ん?何?メイーナさん」
「…呼び捨てでいいって、言った」
「あぁ、ごめん。それで、どうかした?メイーナ」
メイーナさん…メイーナが少し膨れたように、僕に呼び捨てを勧める。
今日はなんだか表情がよく変わるなぁ。
最初に会った時は何考えてるかわかんなかったけど。
「…今日も、あの店行く?」
「あの店って、ドライフルーツの?いやぁ、行かないかなぁ。ちょっとバカな事したから、制服では行かないよ」
「…バカな、事?」
「お客さんに楽しんでもらおうかと思って、一芝居打ったら店員さん困らせちゃったみたいで。暫くはやめとくよ」
「別に、困ってない…」
「え?」
メイーナが小さな声で呟く。
僕には聞こえちゃったけど…
あれ?もしかして…
「…ナル君って呼ばれてた子、もしかしてメイーナ?」
「…そう」
マジか、それはびっくりだわ。
お客さんの態度とかから、てっきり男の子だと思ってたし。
身長は確かに同じくらいだけど、髪色は違うし、話し方とかもあっちの方が流暢だったというか…
「…あれは変装?」
「…見た目は、こっちの姿が、変装」
ほう、つまり地毛はあっちだと。
これはウィッグかな?
魔導具付けてる感じはしないし…
話し方はこっちが地なのかな?
あれは芝居というか、無理してやってたのか。
「えっと、理由は聞いてもいいの?」
「…ここじゃ、無理」
あー、もしかして、庶子の件が関わってるのかな?
それはここで言えないよなぁ…
「じゃあ、今はいいや。それより、この前は変な事言ってごめんね?」
「…大丈夫、参考になった。これからあれで接客する」
それ、大丈夫なのか?
お姉様方、鼻血出しちゃうんじゃ…
そんな事を思っていたら、教室の扉が開いてセリウス先生が入ってきた。
その後ろから暗い紺色の髪をきっちり纏めた女性も1人付いてきている。
「おはよう、そして改めて入学おめでとう!私がこの月組を指導するセリウスだ!生まれは平民で、ここの卒業生でもある!よろしく頼む!」
おぉ、セリウス先生が担任だったのか。
ならサルファ先生は星組担任なのかな?
「皆さん、初めまして。副指導のシェルネと申します。生まれは貴族で、元々は子爵位三女です。セリウス先生と同じでこの学院の貴族科卒業生です。よろしくお願いしますね」
シェルネ先生がカテーシーと共に挨拶する。
なるほど、確かに貴族らしい気品があるな。
先生達はそこから簡単な説明をしてくれた。
平民科は指導員が平民出身、副指導員が貴族出身と決まっていて、貴族科はその逆らしい。
貴族科の副指導員って大変そうだよなぁ。
教え子は学院を出れば、自分よりもずっと偉くなる人なんだから。
「さて、今度はお前達に自己紹介してもらおうか。扉側から順に立ち上がって、名前、出身、得意な属性、それから一言ってところだな。さぁ、始めていけ!」
うわぁ、自己紹介とか困るんですけどー!
悪目立ちはせず、あくまで友好的な感じで印象に残さないと…
というか、順番的に僕最後じゃね?
大トリ、あっかーん!!!!