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お忍びの相談

「あ、おかえりぃ」

「おかえり。さすがユージェ、カッコよかったぞ」

「ただいま。ありがとう、ルーファス」

「ルーファス様、レオ、ただいま戻りました!」

「あれ?メグ様達やうちの両親は?」

「あそこで他の人達と話してるよぉ」


レオの指差す先を見ると、確かに大人達に囲まれたメグ様とベティ様がいた。

そのすぐ近くでは別の人と話してる父様達もいる。

まぁこういう場では挨拶も多いか。

あぁ、そういえばさっきのメグ様の様子、聞いておこうかな。


「ねぇ、2人共。さっきメグ様様子変じゃなかった?」

「あー…まぁ、あれだよ、ちょっと拗ねてたねぇ」

「なんか寂しそうだったな」


拗ねてて、寂しそう…

あれか、お兄ちゃんが取られて不満げな妹か!

…多分好きな人が取られたって方じゃないでしょ、うん。

後で少し構ってあげないとなぁ。


「そっか、わかった」

「本当にわかってるぅ?」

「まぁ、フォローはするよ」

「ふぅん…」


レオが意味ありげにこっちを見る。

いいじゃん、メグ様とは出来ればそういう関係になりたくないんだよ。


「ねぇ、デザート食べようよ!」

「あぁ、そうだったね。2人も食べるでしょ?」

「「勿論」」


ハモった。

本当に甘い物好きなんだな。

僕達4人はデザートコーナーへ移動した。


この国のデザートって甘さ控えめだよなぁ…

もっと甘くてもいい気がするんだけど。

あと、ケーキとかのスポンジ類がちょっと硬い。

ベーキングパウダーが足りないのか、泡立て器が足りないのか。

でも3人は嬉しそうに食べてるなぁ。

…そういえば、この1年チョコを見かけてない。

まさかこの世界にないのか?

暗記スキルさんも反応しないし…

まだあんまり料理の本とか読み込んでないから、わからん!

今度探してみよう。


「そういえば、この後どうする?」


レオが口にクリームを付けたまま、僕達に尋ねてきた。

あざと可愛いな…ん?この後?


「何が?」

「もう少ししたらここも終わりでしょ?その後、何かする?って事だよぉ」

「何かも何も、家に帰るだけだろう?」

「だって帰っても今日はやる事ないじゃないかぁ。ならみんなでお忍び王都散策とかどうかなー?って思ったんだよ」

「え?!行きたい!!」


やった!!友達と遊びに行くとか早速叶うとは思わなかった!!

ついレオの言葉に被せるように肯定してしまった。

あ、ちょっとみんな驚いてる。


「だ、だが、ユージェは出かけられるのか?その髪ではすぐにバレるぞ?」

「ちゃんと魔法なり魔導具なりで変装するから大丈夫!王都だったらお忍び許可も得てるから!」

「誰に?」

「陛下と父様!!」

「…愛し子様ってお忍びは許可制なんだねぇ」


いや、そうじゃないんだけどね。

ちょっと黒い靄の原因がわかんないと遠出禁止っていうか…

あの話は国家機密扱いだから言えないけどね…


「とにかく、お忍びしたい!どうやってやればいいのかな?!」

「じゃあ各々家で着替えてきて、ハイド大広場の噴水前で待ち合わせるとか?」

「「「ハイド大広場?」」」


レオの言葉に聞き覚えがない3人がハモる。


「王都の真ん中にある噴水広場だよ。よくそこでお祭りとかもやってるんだってぇ。今日は建国記念日でもあるし、なんかやってるんじゃないかなぁ?」

「へぇ、よく知ってるね」

「お家柄、情報通なんでねぇ。まぁ実際に行った事はないけども」

「お家柄?…まぁいいや、ならそれがいいんじゃない?あたしも王都にいるのは明日までだし、折角だから遊んでみたいわ!」

「ニコラ嬢は領地に戻るのか?」

「元々こっちには住んでないんです。領地まで遠いし…」

「ちなみに僕も普段は領地にいるよぉ。たまに親父殿に付いてこっちに来るの」

「俺は基本がこちらだな。領地は王都の隣だし」

「僕もルーファスと一緒」


なるほど、なら尚更このメンバーで遊べるのは今日がいいな。

にしても、ルーファスとなら結構頻繁に会えそうで嬉しい。

…さすがに毎日は無理だろうけど、1週間に1回とか遊んでくれないかなぁ…

ロイ兄様やフローネと違って、僕は家庭教師の授業とかないし、暇なんだよねぇ…

ジャルネにも行けないし、なんか研究でもしようかなぁ…


「ユージェ?どうかしたのか?」

「ん?ううん、なんでもないよ。それより、その広場集合でいいじゃん、有名なところなんでしょ?」

「そりゃ、王都に住んでればみんな知ってるところらしいからねぇ」

「じゃあそこに着替えたら集合ね!うちの屋敷は遠いから、急がなくっちゃ!」

「うちは近いな、王都の真ん中なら」

「僕ん家は普通かなぁ?」

「うちは遠いな、王都の端にあるし。でも移動方法はあるから大丈夫かな」

「移動方法?」

「魔導具で認識阻害させて、『ジャンプ』で屋根の上跳んで移動すれば人混み関係なし」

「…愛し子様ってなんでもありなんだねぇ。僕、まだ魔法全然使えないよ」

「活用出来るものはしないとね。見つからなきゃいいんだから」

「王妃様はお城にずっといてよくわからないけど、愛し子様ってみんなそうなのかしら?ちなみに私も魔法は使えないわ」

「さぁな、前愛し子様の方は俺達も知らないし…俺は簡単なものをいくつか覚えたくらいだな。魔力操作が難しくて…」


なんか3人から変な視線を向けられるな…

いや、まぁ僕が規格外なのは承知の上ですよ。

でも人がいるところとかはちゃんと手加減スキルとか使って自重するし?

加減がわからなくてやり過ぎるって事はしないつもりです、はい。


「まぁとりあえずそこは置いておいて、この4人で行くので決まりか?」

「バランス的には女の子が足りないよねぇ」

「ニコラ、誰かいないの?」

「ごめん、貴族の女友達はいないんだ…領地の平民ならいるけど…」

「…そうだね、食欲に負けて料理に一直線だもんね」

「マーガレット王女は?」

「いやダメだろ。王女だぞ?何かあったらどうする、さすがに責任は取れん」

「愛し子のユージェはいいのにぃ?」

「ユージェは…なんか大丈夫そうだろう?絶対に強いし、魔法も使える。それに愛し子様に手を出すバカはこの国にはいないが、王女様は誘拐されて他国に連れ去られる可能性だってある」

「まぁ愛し子様に危害が及べば国が滅ぶからねぇ。一方王女様はそういう力はないし…でも他国から来た人は愛し子様なんて知らないか信じてないかだし、ユージェも危険だよ?」

「それを言ったら俺達もだろう。これでも高位貴族子息だぞ?」

「それもそっかぁ」


なんか物騒な話してるな。

そうか、愛し子ってそんな扱いか。

まぁ滅ぼすつもりはないんだけどさ。

まぁ誰が捕まっても問題ならば、捕まらなければいいだけであって。


3人を守るくらい、頑張ってみせますとも。

遊びに行くのは楽しいですよネー(・∀・)

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