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誘ったダンス

ちょっと短め?

「…ユージェ、レオ、あれはどなた?」


メグ様とルーファスから隠れるように、僕達の背後でニコラが尋ねる。

まさか、王女だって事すら聞いてなかったのか…


「マーガレット王女と宰相様のご子息、ルーファス=オルテスだよ。ちなみに公爵ね」

「ひぃっ!!」

「こうなると、ニコラだけがちょっと異質な感じするよねぇ。身分が結構違うし?なんていうか、嫉妬で虐められそうな感じ。そういう小説読んだ事あるよ」


あ、確かに。

こんな高位貴族や王族に囲まれる士爵令嬢って、よくある嫉妬の対象じゃん。

でも…


「…なんとなく、ニコラは無意識に躱しそうだけどね」

「あー、わかるぅー」

「な、なんの話してんの?ねぇ、レオ、あたし逃げていい?」

「ダメだよ、それは不敬でしょぉ」


あぁ、ニコラの顔色が悪くなっていく。

それに比例するように、メグ様達はこちらに近付いてきた。


「…ユージェ、その後ろの娘は誰じゃ?」

「魔法師団第3師団長のご息女、ニコラ=フラメンティールですよ。先程仲良くなりまして」

「ふ、フラメンティール士爵令嬢、ニコラ=フラメンティールと申します。お、王女様におかれましては、ご機嫌麗しゅう…」

「…リリエンハイド王国第一王女、マーガレット=リリエンハイドじゃ。よしなに」

「オルテス公爵子息、ルーファス=オルテスだ。ユージェとレオと仲良くなったのか」

「は、はい、先程お声をかけていただいて、親しくさせていただいておりますです、はい」


ニコラ、めっちゃ挙動不審だ。

ルーファスの眼光鋭いからなぁ。

そういうところは本当に宰相さんに似てるわ。


「ルーちゃん、ニコラ怖がってるから睨まないであげてよぉ」

「む?睨んでなどいないが…」

「目を細めて一点を見つめると、睨んでるように見えるんだよ。ニコラはちょっと変だけど、悪い娘じゃないから警戒しなくて大丈夫だよ」

「ちょ、ユージェ、酷くない?!」

「いやぁ、だって人の話聞いてないし?ニコラは安心して友達だって言えそうだよ」

「…なんか、褒められてる気がしない。友達なのは嬉しいけど…」

「…何やら、随分と仲良くなったようじゃのぅ…妾とはそのように話したりしないくせに…」


ん?メグ様なんか言った?

最後の方は声が小さくてあんまり聞こえなかったな。


「そういえば、レオは踊らないのか?」

「んー、元々ダンス苦手なんだよねぇ」

「あたしも…ダンス苦手。それにここって目立つから間違えたら恥ずかしいし…」

「ニコラも?なんなら僕と踊る?ちゃんとリードしてあげるよ」

「え、い、いいの?こんなとこで踊っちゃっても…」

「スキル持ってるから、ちゃんとフォローしてあげるよ。ほら、お嬢さん、よろしければ私と1曲いかがですか?」


オロオロするニコラに、僕は笑いながら手を差し伸べる。

少し迷ってから、その手を取ってくれた。


「じゃあ、ちょっと行ってくるね」

「い、行ってきます!」

「あぁ、頑張れよ」

「見守っててあげるよぉ」

「…うぬ」


僕はニコラの腰に手を回しつつ、その場を後にしてダンスホールへと向かっていった。

さーて、今回は緊張せずに、楽しんで踊るかなぁ。

さっきは初めて踊るって事とメグ様みたいに王女様相手だったからっていうので、楽しむって気持ちでは出来なかったんだよね。


「…妾とは、妾が声をかけなければ踊ってくれなかったくせに…」


あれ?またメグ様なんか言った?

少し振り返って様子を見てみたけど、メグ様は俯いていて表情を確認する事が出来なかった。


…後でルーファスとレオに聞いてみるか。

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