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精霊の愛し子

漢字間違ったりしてたので直しました。

「さて、ここからが本題で大切な事だ。これはこの国の大人ならほとんどが知っている事で、親から子供へ教えられるこの国の秘密だ。だからと言って他国に知られてはいけないというわけではないのだが…まぁこの国の常識なだけであって、他国では通じないとだけ思っていなさい。いいね?」

「「「はい」」」


兄妹3人で返事をする。

なんだろう、僕の事に関してだと思ったのに、肩透かしだな。


「この国には、特別な力を持つ人間がいる。その人間はな、ある日突然人格が変わったようになり、体にある特徴が現れる。それは、髪の色が一部変わる事なんだ。我々はそれを『精霊の愛し子』と呼ぶ。一説には精霊がその人間と融合し、人格が変わると言われているのだが…」


父様が僕を見る。

…おやぁ、身に覚えがあるなぁ…

全然関係なくないじゃん、僕の事じゃん。


「…ユージェリス、隠しているのかもしれないが、お前のその右側の髪…色が違うんじゃないか?」

「…これ、生まれつきじゃないの?」

「少なくとも、お前が目を覚ますまでは銀髪のみだったよ」


ほう…そりゃあびっくりですよ。

思わずゲン○ウポーズでため息。

隣で2人がオロオロしてる。


「それでな、その『精霊の愛し子』…俗に言う愛し子様は普通の人間よりも魔力が高く、実際に精霊様も見えるらしい。現在のこの国に愛し子様は王妃様だけだったんだが…お前が愛し子様だと、2人目という事になるな」


え、王妃様って愛し子様なの?!

って事は、僕と一緒…?

…でも一説によると精霊との融合だし…

いや、前世って言っても信じてもらえなかったからそう言ったとか?

あり得るよなぁ…自分とは違う人間を排除したがるのは人間の悪い性質だし。

精霊様って言われるくらい高貴な存在なら、排除対象外だろうから、見える事で肯定されるかもしれない。

うわぁ、その可能性しか考えられないんだけど。


「それでな、基本的に愛し子様は見つかり次第、王城へ赴き、認定を受け、国民へ発表しなくてはならないんだ。それにより悪い事を考える貴族達への牽制とする」


なるほど、みんな知ってれば手を出しづらいと。

でも国民周知かぁ…恥ずかしいというか、なんというか。

悶々と考えていると、ロイ兄様が父様に質問をした。


「あの、高い魔力って、どれくらいですか?」

「基本的には平均魔力よりも10倍はあると言われている。例えば10歳までの平均魔力は500、毎日鍛えている子供でも高くて倍の1000ってところだが、多分愛し子様だと5000はある。ユージェリス、自分の魔力量を見る方法や魔法の使い方については知っているかい?」

「わ、わかんない…」

「魔法を使う場合、基本的には言霊を使う。言葉に魔力を込めて詠唱などをする事で発動が可能だ。魔力の込め方は体の奥にある魔力を感じ取り、それを体外へ放出させるイメージだな。そしてこう言う。《ステータス》」


なんとなく、父様の体がぽわっと光ったように見えた。

あれが、魔力かな…


「魔力を込める力を断ち切ればステータス画面は消える。この魔法は自分しか見る事が出来ない。他者に見せる場合は《ステータスオープン》だ」


目の前に透明な画面が現れた。

どうやら父様のステータス画面らしい。


ーーーーーーーーーー

ルートレール=アイゼンファルド


職業・アイゼンファルド侯爵家当主、宮廷魔術師長

称号・賢者

年齢・30歳

属性・火/水/地/風/光/聖/無

HP・4578/4578

MP・4840/4840

ーーーーーーーーーー


おぉ、属性いっぱい。

ってか父様って宮廷魔術師長?!

わぁ、結構エリートなんですね!

アイドル系エリートイケメンって、何それ最強じゃん。


「わぁ、お父様、すごい!」

「ありがとう、フローネ。ちなみにHPは個人の体力なので年齢による平均などはない。病弱な人間でなければ、大体MPと同じくらいの量だったりするな。MPは年齢によって大体の平均が存在する。先程も言った通り、10歳までで平均500の最高1000、20歳までで平均1000の最高1500、30歳までで平均1500の最高2000、それ以降は固定または鍛錬次第で上昇する。それでも最高は3000ってところだ」

「じゃあお父様はすごい高いんですね!だって5000近いし、属性もいっぱい!」

「そうだな、ロイヴィス。だからこそ宮廷魔術師長になれたともいう。というより、我がアイゼンファルド家は代々宮廷魔術師長を王家より承っている。将来はお前が私と同じように鍛錬し、継いでいくことになる」

「え、僕が?!で、でも、もしユージェが愛し子様なら、僕よりも魔力高いんじゃ…」

「その可能性は高い、が、先程も言った通り愛し子様は貴族に悪用されてはいけない。そういう暗黙のルールがあるから、役職につかす事が出来ないんだ。基本的に愛し子様の意見が最優先となる。機嫌を損ねて高い魔力を暴走させて国が滅んではいけないからな。愛し子様が王命に従わなければならないのは、2つしかない。それ以外は断る事を許されているんだ」

「でもそれって、愛し子様を増長させるのでは?自分はなんでも許されるーって」

「その可能性は昔から懸念されているんだが、何故か歴代の愛し子様はそんな方々ではなかったんだ。国の歴史に残るような問題を起こした愛し子様は、今までいない」


…つまりそれだけマシな人格者が転生してるって事かな。

僕だってさすがに暴君のような真似をするつもりはないし。

うーん、だから問題ある対応のような気がしても、変える事が出来ないのか。


「お父様、従わなければならない王命ってなんですの?」

「それはね、戦争時の兵役と、災害時の救援だよ。他国との戦争になれば高い魔力を持つ愛し子様を先頭に戦い、災害が起こった際には人命救助の為に国内を駆け回ってもらう。どちらも国の為なんだ」

「お兄様、戦争行っちゃうの…?!」

「今のところ、他国との戦争予定はないよ。隣国との仲も良好だから、どちらかと言えば災害の心配をした方がいい」


うーん、まぁその王命は従わないとダメだよね。

だって人の命がかかってるんだし。

でもそんな内容なら、なんだかこの国の王族はまともな人っぽいな。


「さて、簡単な説明が済んだところでユージェリス、お前も自分のステータスを確認してみなさい。そして私達にも見せてごらん?先程の私と同じ項目だけでいい」

「同じ項目?」

「ステータスは全てを表示するが、ステータスオープンは念じる事で表示する項目が選べるんだ。偽造は出来ないがね」

「なるほど…じゃあ、やってみる!」


さーて、鬼が出るか蛇が出るか。

本当に僕は愛し子様なのかなー?


…まぁ、そんな気しかしないけどね。

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