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悪夢の内容

ちょっと短め。

母様の読み聞かせが終わり、現在飴玉配布中です。

人数少なかったからみんなで1個ずつ食べて、残りは今後孤児院で食べてもらう事にした。

今回食べたのはいちご味、甘くてフルーティー。

こっちも買っとけばよかったかなぁ。


「ジェリスちゃん、どうしたの?」

「いちごも美味しかったから、今度買おうかなと。あぁ、そういえば奥様、先程とある情報を得ましたので、ご報告があるのですが」

「どうしたの?」

「街の中で、違法に魔導具を販売してる商人がいるようなのです」

「違法?別に魔導具を売るのは違法じゃないわよ?」

「…盗品の装飾品に適当な魔法を付与して、効果を偽って売ってるそうですよ」

「それは…二重に問題ね」


母様が美しい顔を顰める。

眉間なんて皺が刻まれちゃうんじゃないかってくらい寄せてるし。

まぁそうだよね、さすがにうちの領地で行われてるなんて許せないよね。


あの男から聞き出したのは、盗品を集めて魔導具にして売ってる商人の情報だった。

そしてその男も騙されて売られていた、と。

どうしようもねぇな。

話をまとめると、商人には手下が数人いて、そいつらが他領他国から装飾品を盗んでは集め、商人自身が魔法付与しているらしい。

この領地に売りに来るのは不定期で、他領にある悪い奴らが集まる場を渡り歩いているとの事。

次はいつかわかんないけど、多分漆黒期辺りになると言っていた。


そこまで母様に伝えると、めちゃくちゃため息吐かれた。

あ、途中から聞いていたシャーリーも顔面蒼白だ。


「…これは、完璧に旦那様案件ね…」

「ジェリスさん、よくその男から聞き出せましたね。一体どうやって?」

「闇属性の魔法を使っただけで、大した事はしてませんの。勝手に話して下さいましたわ」


そう、闇属性魔法『ナイトメア』を使っただけで、あの男は全部白状した。

魔法をかけている間の魔力消費は多いけど、中々使える魔法だったよ。

名前の通り、相手に魔法をかけている間はずっと悪夢を見せる事が出来る魔法。

とりあえず最初は某生物災害なゲームのプレイ動画を思い出して見せてたんだけど、どうやらこの世界のアンデットと似たような感じだったみたいでそんなに怖がられなかった。

井戸から出てくる女性とかも、驚いただけで泣くほどではないし。

じゃあ他に何が怖いかな?と思って、趣向を変えてみた。

この世界の概念には存在しない『ブラック』という怖い体験を…


そしたらこれがクリーンヒット。

この世界風に変えてみたからわかりやすかった模様。

終わらない仕事(延々と魔物狩り)、辛く当たる上司(同じパーティーメンバーのリーダー)、手柄を横取りする同僚や濡れ衣を着せる恋人(よくある冒険者テンプレの『コイツがパーティーを引っ張ったから負けたのよ!』とか)、1日24刻労働させられたりとか…

たまーにこの前見た天災級の魔物に襲わせて、死ぬギリギリの体験させてみたり。

なのに誰も心配してくれないという、心削る演出付きで。

これを1ヶ月分、早送りで悪夢に詰め込んだ。

最後には立派に壊れた社畜の出来上がり☆

そこに『ホワイト』な別パーティーからの引き抜きという餌をチラつかせると、あーら簡単、情報ゲットだぜ。

悪夢を止めてあげると彼は疲れたらしく、安らかな顔で眠りについた。

目覚めてリリーのお兄さんに対面する頃には、きっと心を入れ替えてまともな職に就こうと思えるようになってるよ。


「闇属性は珍しいので、あまり存じ上げませんが…かなり恐ろしい魔法を使ったのでしょうね…」

「ジェリスちゃんたら、容赦ないわねぇ」


未だに顔を青くしているシャーリーは、ブツブツと魔法について恐怖していた。

母様は口では困ったわねぇと言いながら、笑って僕の頭を撫でてくれた。


…内心、旦那様のお役に立ってる息子にサムズアップしてそう。

喜んでもらえて何よりです、母様!

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