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衝撃と紹介

あけましておめでとうございます!

今年も頑張って更新していきたいと思います(*´∇`*)

…ご飯、普通。

え、そんなもんなの?侯爵家でしょ?

いや、不味くはないよ?!


オムレツに、ベーコンに、トマトとかが乗ったサラダ。

それとスープとヨーグルトとロールパンと紅茶。


前世の食事とそんなに大差なくて安心したけど、味普通ってか、物足りない。


オムレツは軽い塩味ついてるだけで、中までしっかり火が通ってるし。卵焼きかよ。

もっと牛乳とか入れて、チーズも中に包んだ方が美味しいのに…

ベーコンはサッと火を通してるだけ。

カリッカリの方が好きなんだけど…

サラダはドレッシングかかってない。

めっちゃ素材の味。

スープはコーンスープだけど、コクが足りない。

とうもろこしそのまま食べてるみたいだ、とうもろこし美味しいけど。

ヨーグルトは蜂蜜かかってて、まぁ美味しい。

でもこれって蜂蜜の味が美味しいだけだな…

ロールパンは…ロールパンじゃなかった。

見た目に騙された、これはスコーンだ、硬い。

紅茶は…うん、美味いわ。


えー、自分で作って自分好みにしたいわぁ…

一人暮らしだったし、料理は出来る。

めちゃくちゃ上手いってわけでもないし、めちゃくちゃ知ってるってわけでもないから飯テロは出来ないけど…

1回作って、みんなに食べてもらって反応が見たい。


「ユージェリス?どうかしたのか?」

「ぅえっ?!あ、いや、なんでもない…」

「まだ本調子じゃなくて、食べきれない?残しても大丈夫よ?」

「いや、多分大丈夫…えっと、記憶がなくて曖昧なんだけど、今日の料理っていつもの朝食と一緒?」

「えぇ、いつもこういう感じのお食事よ。毎日同じものではないけど。うちの料理長はこの国でも腕がいいから、他の貴族家庭よりかは美味しいと思うわ」

「…そうなんだ。教えてくれてありがとう」


まーじかぁ…これがトップレベルなのかぁ…

なら文句つけらんないじゃん、どうしよう…


気が滅入ってしまい、思うようにフォークが進まない。

結局、スープとヨーグルトと紅茶しか完食できなかった。

お腹はまだ空いてるんだけどなぁ…


「お兄様、大丈夫ですか?」

「ん?うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、フローネは優しいね」

「はぅっ…お兄様、やっぱりなんかいつもと違って不思議な感じですぅ…!」

「なんかちょっと大人っぽくなって、カッコよくなったよねー」

「そ、うかな…」


そりゃあ元々大人ですから、とは言えない。

だから否定も出来ない。


「さて、食事も終わったし、少し真面目な話をしようか」


父様の一言で、食堂から何人か出て行く。

残ったのは僕達家族と、使用人らしき人達が5人だけだった。

その中にはリリーさんがいる。


「ユージェリス、まずは紹介しよう。彼が執事長のレリックで、私の幼馴染でもある」

「レリックと申します。よろしくお願い致します」


暗い灰色の髪に黒眼の整った顔立ちの男性が一礼する。

父様はアイドル系イケメンだけど、この人は俳優系だな、もっと年取ったら渋くなりそう。


「その隣にいる彼女はシャーリー。この屋敷のメイド長で、レリックの妻だ」

「シャーリーと申します。よろしくお願い致します」


赤みがかった茶髪に鳶色の瞳。

落ち着いた大人のキャリアウーマン系美人だ。

てか夫婦かよ、お似合いすぎる。


「その後ろに控えているのが、お前達の専属メイド達だ。リリーはわかるだろうから省略するが、リリーの左がロイの専属メイドのミーナ、右がフローネの専属メイドのセリスだ」

「「よろしくお願い致します」」


ミーナさんは黒髪に灰色の瞳の秘書系美人ちゃんで、セリスさんは黒に近い茶髪に黒眼の清楚系かわい子ちゃんだった。

こう並ぶと、リリーさんは天然ほわほわ系かわい子ちゃんって感じだ、主観だけど。


「とりあえずお前が今までよく関わっていたのはこのメンバーだ。他は顔見知り程度で名前も把握していなかっただろうから、追々覚えていきなさい。この者達にはお前の記憶喪失の事なんかも伝えてある、困ったら頼りなさい」

「うん、父様、ありがとう。皆さんも、よろしくお願いします」


父様にお礼を言って、使用人達には頭を下げる。

すると慌てたようにレリックさんが声をかけてきた。


「ユージェリス様、そう簡単に使用人に頭を下げてはいけません。他の下働きの者達が侯爵家の方々を軽く見る可能性があります」

「でも、僕は何も覚えていないんです。それで世話になるのですから、きちんとお願いをするのは当然です。悪い事をしたら謝る、いい事をしたら褒める、お願いしたいなら頭を下げる…これって人として当然ではないですか?」


僕の言葉に、レリックさんが息を飲む。

他の使用人達も驚愕の表情だった。

そんな中、父様が声を上げて笑い始めた。


「ユージェリスは正しい事を言っているよ。人としての礼儀は忘れちゃいけない。だがな、貴族というのは厄介なんだ。いくら親しくなろうとも、侮られてはいけない。領民達の上に立つ存在だからね。人としての礼儀は今のままでいいが、身分の下の者への態度は少し変えた方がいいな。使用人達に敬語や敬称などは不要だ、わかったね?」


なるほど、上に立つ者としての体裁か。

それは確かに明確にしないと、侮られるだけか…


「はい、父様。じゃあ、えっと、レリック…みんなも、よろしくね」

「はい、承知致しました。こちらこそよろしくお願い致します」


レリック達がみんな笑顔で一礼してくれる。

打ち解けられたみたいでよかった。

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