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魔物狩り

身内でインフル疑惑出て、バタバタしてたら更新遅れましたー!

幸いただの風邪だったのでよかったです。

皆様もお気をつけて!

似顔絵付きの手紙を額に飾るという母様の奇行を止めた約3ヶ月後。


…この世界の日にちは『1日』や『10日』だし、ひと月の事を『1ヶ月』と表すけど、『1月』とか『10月』とかの暦の表し方が違った。

『1月〜12月』の事を『1雷〜12雷』で表し、1ヶ月は30日間と決まっている。

1週間は6日間で、1ヶ月は5週、曜日は存在しない。

6の倍数の日が学院など休みの日曜日的扱いだ。


四季は存在せず、毎日が春のような秋のような、ちょうどいい温度で保たれている。

ただし雪山や灼熱の火山などが存在しないわけではなく、まるで結界を張ったかのようにそこに存在するのだそうだ。

その山に入れば、突然寒くなったり暑くなったりする。

体感は約20度なのに目の前に雪山という、不思議な現象が起こるらしい。


また3ヶ月に1度、各10日間、太陽が空に浮かばない漆黒期というものがあり、その間は空が真っ暗だが周りは普通に見えているという、謎現象が起こる。

そしてその10日間は学院などが休みになる。

夏休みみたいな扱いらしい。

早い順に『火の10日間』『水の10日間』『地の10日間』『風の10日間』と呼ばれる。

つまりこんな感じのカレンダーになるね。


・1雷1日〜30日

・2雷1日〜30日

・3雷1日〜30日

・火の1日〜10日(漆黒期)

・4雷1日〜30日

・5雷1日〜30日

・6雷1日〜30日

・水の1日〜10日(漆黒期)

・7雷1日〜30日

・8雷1日〜30日

・9雷1日〜30日

・地の1日〜10日(漆黒期)

・10雷1日〜30日

・11雷1日〜30日

・12雷1日〜30日

・風の1日〜10日(漆黒期)


ちなみに社交界デビューの日でもある建国記念日は、水の10日間が終わった後の7雷6日になる。

僕が目を覚ましたのが6雷6日で、誕生日が6雷15日。

初めて水の10日間を体験した時はびっくりした。

空は真っ暗なのに、普通に周りは見えるんだもん。

お伽話や伝承の中では、この10日間太陽が見えなくなるのは精霊様が太陽を隠してるからだと記されていた。

…それに関しては、まだ専門家の中でも解明されていない。

愛し子様なら知ってるかもと思われてるらしいが、知らんよそんなん。


そんな不思議体験もしたりして、本日は9雷19日。

お仕事が休みの父様に連れられて、初めての魔物狩りにやってきました!

現在、僕と父様は王都から離れた森に来ている。

ちなみに誰にも見られないように、いつものメイド姿に幻覚魔法で姿を変えてみました。

父様専属の若いメイドさん的な。

触れられないなら『ハルーシネイション』の方が魔力少なくて楽なんだよね。

…でも7歳になったらお忍びとかしたいし、今度『トランスフォーム』を付与した魔導具作ろう。

そしたら今後魔力使う必要ないもんね!


誰もいない事を確認して、幻覚を解く。

腰には誕生日プレゼントを帯剣し、動きやすい格好で準備万端です。


「さて、魔物はどこにでもいるわけではない。発生する理由はまだ確証されていないから、いるかどうかは意外と運だ。ここら辺は出やすいと言われているがね。何かあれば私が対処するから、好きなようにやってみなさい」

「わかった」


僕は魔物を探してみる事にした。

最近では随分指パッチンに慣れてきたから、基本的には無詠唱もどきで済ませている。

イメージとしては、『エリア』で半径500mの範囲指定をし、『サーチ:魔物』で検索するのを1回で行うように…

えいっ!


「うぉっ!」


めっちゃ鳥肌立った!!

なんか一瞬魔物の姿も見えたし!!


「どうした?」

「なんか思ったよりも近くにいるみたい、びっくりしたぁ」

「ほう、どんな奴がいるかわかるか?」

「えっと…熊の魔物だったよ」

「それは…初めてで倒すには少し難易度が高い奴だな。熊の魔物は大きさによっては騎士団案件だぞ?」

「じゃあ父様も倒したりするの?」

「指導の立場だから、あまり前には出ないがな。部下に危機が迫れば前線で戦うさ。基本的には魔法で応戦だが、多少は剣も嗜む」


おぉ…戦う父様見てみたい…カッコ良さそう…

でも今回は僕の戦闘練習だからな。

また今度見せて下さい。


そんな事を考えていたら、魔物の気配が強まってきた。

うーん、この肌にピリピリくる感じ、やだなぁ。


「不快だ…」

「さすがだな」

「ん?」

「気配というものは鍛錬を積まないとわかるものではないんだよ。一般人なら、目の前に現れない限り気付かないなんて事もある」

「それ…危ないね」

「商人なんかは危機察知の魔導具を持っているから、それで知る人もいるな」

「なるほど」


その魔導具もいいな、今度作ってみよう。

にしても、このピリピリした感じってわかる人少ないのか…


【察知スキルを取得しました】


おぉ、さすがチートだ。

これで毎回『エリア』も『サーチ』もいらないな、魔力温存出来るわ。

さてさて、段々近付いてくるな…

てか何を持ってして近付いてくるんだろ?

匂いかな、魔力かな。

襲ってくるって事は、魔物にとってどっちが食事になり得るんだろう。

そこんところは解明されてないっぽいし、今度暇な時に調べてみよっかなー。


「父様、来ます!」

「危ないと思ったら私も手を出すからな」

「はい!」


僕は剣を鞘から抜き、右手で握る。

思ったよりも軽くて、これなら振り回せそうだ。

左手は指パッチンの準備をする。

焔の大佐をイメージして、現れた瞬間に爆発させてやる。


〈GLLLLLaaaaaa!!!!!〉


襲いかかるように草むらから飛び出してきたのは、大きな大きな熊だった。

昔、北海道の熊牧場で遠巻きから見た熊なんか目じゃない。

確かあの熊でも2m超えてた気がする。

でも、自分が6歳で小さいから、余計に感じるのかもしれないけど…


これは、10mくらいないか?

3階建のアパートくらいはありそう…

ちょっとした怪獣じゃねぇか。

僕の体なんて一飲みでいけそう。

どっから現れたんだよ。


「なっ…これは、まさか天災級か?!」


天災級?!何それ?!


ーーーーーーーーーー

【魔物の表し方とは】

魔物には大きさにより、通称が存在する。

種別により大きさの規定は変わる。


神話級 > 天災級 > 災害級 > 自然級


ただし神話級はここ数十年発見されておらず、事実上1番危険なのは天災級と言われている。


〜参考文献〜

著・ハイドロ=キングラー、"何故魔物は発生するのか"、P5

ーーーーーーーーーー


はい、暗記スキルさんありがとう!

…いや、そんな場合じゃねぇわ。

僕はさっさと指を鳴らす事にした。

その瞬間、けたたましい爆発音が煙と共に鳴り響いた。

父様が慌てたように『シールド』を唱えて、爆風を防いでくれる。

暫くして爆風が晴れると、そこにいたのは…


「Oh…Jesus…」


ズタズタに引き裂かれた、熊の魔物の残骸だった。

うへぇ、グロい…

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