ユージェの暗躍
私、金曜日更新忘れてましたね…
そして昨日は月曜日でしたね…
すんません…
はぁーい、どぉも、おはこんばんにちわー!
ゆ・う・じぇ・でっす☆
…キャラ崩壊しちゃった、僕あそこまでいい声じゃないし。
さてさて、僕は今ベティ様の命により森の奥、エヴァンド地区に来てまーす。
空飛んで来たんだけど、これが意外と広いの。
領地1個分くらいかと思ったら、2〜3個分くらいあったわ。
虎徹さんに地図借りといて良かった。
どうやら本当に小さい子供やお年寄りは森に残ってたみたいで、探ってみると生体反応があった。
エヴァンド地区とその周辺1キロを『エリア』で範囲指定して、例の植物2種類を探す。
「…へぇ、地区の真ん中辺りにしかないや」
認識阻害の魔法を自分にかけて、森の中に降り立つ。
どうやらエヴァンド地区の中心には円形の台座…祭壇のようなものがあって、その周りを取り囲んでいるのがマギとマジュロンの木らしい。
見た目はゴムの木とユーカリっぽい。
どっちも葉っぱは丸い感じ。
見た目だけで言えばいいインテリアになりそうだけどねぇ。
さてさて、鑑定鑑定っと…
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【鑑定結果】
マギの木(マキリの木)
説明・魔力干渉により性質変化したマキリの木。ガジャーノ内ではマギの木と呼ばれる。樹液は下剤として使用可。マジュロン(マージロン)と合わせると爆発するので危険。
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【鑑定結果】
マジュロンの木(マージロンの木)
説明・魔力干渉により性質変化したマージロンの木。ガジャーノ内ではマジュロンの木と呼ばれる。葉を煎じた物は堕胎薬として使用可。マギ(マキリ)と合わせると爆発するので危険。
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…マキリの木とマージロンの木なら僕も知ってるな。
というか王都の屋敷の庭にもあった気がする。
あれは丸い葉っぱじゃなくてシュッと細長いやつだったはず…
あれも前世にはない植物だけど、庭を散歩中にファーマ爺に色々ウンチク聞いたんだよな。
マキリの木は幹を傷付けると粘り気のある液体が出てきて、遠い昔は接着剤の代わりとして使われていたんだと。
一方マージロンの木は葉っぱに特徴があって、揉み潰して体に塗ると虫除けの効果があるんだって。
よく揉まないと上手く塗れないらしい。
にしても魔力干渉…?どゆこと?
効能も変わってる?
周りを見回しても、あるのは祭壇のみ。
誰もいないのをいい事に、僕は祭壇に近付いて観察してみる事にした。
…円形の台座には、目を凝らさなければ見えないほどうっすらと模様が刻まれていた。
元々砂で汚れてたりするからよく見えないな…
軽く風を起こして砂を退け、じっくりと歩きながら見る。
「…これ、平仮名…いや、魔法印…?」
殆どが絵のような模様だけど、所々に刻まれていたのは平仮名で日本語だった。
なんていうか…ミミズが這ったような字っていうのか?
「辛うじて読めるのは…『ちから』『てをたすける』『もとめる』『かえる』…?他は読めないってか、本当にこれ日本語か…?なんだこれ、『ふおはる』…ん?『ふよする』?」
意味不明すぐる。
ここから推測して何が起きてたか判断するようかな…
とりあえずこれも鑑定するか。
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【鑑定結果】
石の台座
説明・エヴァンド・ガジャーノの祈りの場。遥か昔、ジャルネ自治国の転生者である『真珠』が作成した。祈りの力を少量の魔力に変換可能。変換効率は最低レベル。近辺のみに効果を発揮するため、周囲への魔力干渉が発生するだけの不良台座。
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鑑定スキルさんが辛辣。
つーか転生者が作ったんかい!
にしてはなんで平仮名…?
魔法印って漢字じゃなくても反応するのね。
…つまり、この台座の上でいつも精霊に祈っていたから、変に魔力が変換してマキリとマージロンの木に…?
つまり…
「…これ壊せばこれ以上生えないのかな?」
とりあえず今ある木は全部『イレイザー』で成分消すとして、台座は手を加えようかしら。
そうと決まればさっさと行動あるのみ。
広範囲の『エリア』からの『イレイザー』で問題なく爆発成分を消せた事を鑑定スキルさんで確認出来た。
後はこの台座か…
「…《リライト:祈りにより災害発生率を軽減する》」
魔導具の付与魔法などを書き換える時に使う魔法『リライト』。
元々付与されていた魔法よりもMPを消費すれば使用可能なので、そんなに簡単に使える物ではない。
魔法印もこれで書き換え可能だ。
うーん、付与されてる力は中々…
いや、僕に比べたら全然なんだけども。
一般人よりちょっと上かな?くらい。
平仮名が使えるならと、とりあえず普通の言葉にしてみたけども、上手く使えるかなぁ?
「…ん、書き換え終わった。後は…うーん…」
少し考えてから、指を鳴らす。
消えかかっていた模様を復活させると、良くある丸で囲まれた六芒星の魔法陣のようなものだった。
「やだ、なんか単純。というかこれだと明朝体みたいな漢字使うと浮くなぁ…だからひょろひょろした平仮名だったのか?じゃあ僕も文字崩しておこう」
指を鳴らして微調整。
まぁそれっぽく見える程度でいいでしょ。
「な、ナンだ?!祭壇ガ変わッてルゾ?!」
「何が起キタ?!」
やっべ、誰か来ちゃった。
そして言葉聞きづらぁ!!!
…ベティ様も向こうで何かしてるだろうし、僕も少し警告しておくか。
指を鳴らして姿を変えて、認識阻害も外す。
ジェリスちゃんキラキラエフェクトたっぷりで、白のレースたっぷりフレアワンピース!
ついでに浮遊魔法で宙に浮く!
頭と顔にはヴェールをかけて、普通の人っぽくない感じで!
するとぉ…?
「「「「…?」」」」
すげぇ、現れたお爺ちゃんお婆ちゃんや子供達がみんなポカーンってしながらこっち見てるわ。
あ、声も変えて少しエコーかけておこう。
「…誰ダ…?」
『世の理を知る者』
「よのことわり…?」
『この祭壇は其方らの手に負える者ではない。我が力持って破壊した』
「「「「ナッ…?!?!」」」」
怒りの気配が充満する。
彼らにとって最も大事な場所だったんだろうな。
本来の使い方は知らなくとも。
でも、放っておくわけにはいかない。
「キサマ…我々の大事ナ祭壇を…!!!」
「降リてコい!!裁きヲ受けろ!!」
『裁き、だと?』
怒りの気配に負けないくらい、というかそれを凌駕する殺気をぶつける。
子供達には悪いけど、こういうのは力関係をはっきりさせないといけないからね。
「「ひぃっ…!!」」
あ、やべ、子供達、泣きながら漏らしちゃった。
ごめん…
老人達は顔面蒼白で体を震わせている。
『裁きを受けるのは其方らの方だと言うのがわからぬか。関わりのない国を未知の力で奪おうとするのは誰だ?其方らは彼の国達から同じ仕打ちを受けたのか?やられた事をやり返されても、文句は言わぬのだな?』
「そ、ソれは…」
『私が彼の国の代わりに其方らを傷付けても、文句はないな?我が世界の言葉に『因果応報』と言うものがある。どんな行いも自分に返ってくるというものだ、正しい言葉だろう?』
ニタリ、と笑う。
意味が通じたらしく、老人達は先程よりも顔色を悪くしていた。
多分僕の言ってる意味が通じたんだろうなぁ。
まぁ本当にやるつもりはないけど。
だってベティ様がすでにボッコボコにしてる可能性あるし。
『…まぁ、今日は警告に来ただけだ。これ以上はしない。ただ祭壇は今のままでは不都合なので、其方らに利のある修復はしておいた。好きに使え』
「な…何ヲした…?」
『さて、な。自分の行いを見直せ。されて困る事はするな。いつでも我らは其方らを正すために舞い降りる。夢夢忘れる事なかれ』
指を鳴らして、突風で視界を妨害する。
全員が目を閉じている事を確認して、僕は『ワープ』でジャルネへと戻った。