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お忍び道中

先週は更新してなくてすみませんでした!

ちょっと個人的な都合がありまして…

今週からはまた普通に更新する予定ではありますので、よろしくお願いしますm(_ _)m

無事にヘイゼートさんところの商店でお土産を買い込み、準備万端!

奥様もストレイトさんも今日は不在だったそうで、特に会う事もなく宿に帰りました。

折角だから奥様には会ってみたかったな。


そして次の日、体調万全!

魔力も満タンなので、朝から早速飛ぶ事にした。


「次はどこまで飛べるかしらねぇ?」

「結構な距離いけましたし、もしかしたら1発で着くかもしれませんね」

「ふふふ、久々の故郷楽しみだなぁ」

「…ジャルネ、か…」


ワクワクした様子のベティ様と神楽さん。

東雲さんはなんか思うところでもあるんだろうか。

とりあえずまた神楽さんに認識阻害かけて貰ってから『ワープ』した。


「…で、ここはどこなの?」

「マジでここまで来れるとは。愛し子2人分の魔力って凄いなぁ…」

「ベアトリス様、ここはジャルネのお隣、スラース公国ですよ!あの遠くに見える謎の壁がうちの名物であるウォールジャルネです!」

「まぁ、あれが!そっくりで素敵だわ!」

「…俺にはあの良さってのが全くわからん…」


まぁ無理矢理主人公役させられたんだもんな。

この距離なら回復待って『ワープ』じゃなくって、普通に向かえばいいか。

幸い近くの街には貸し馬車とかあるだろうし。

という事で歩いて街に到着。

中々賑わってる感じだった。


「おや、そこのお美しい奥様!名物の干物の試食は如何ですか?!」

「なんの!うちのイカ焼きも美味いよー!」


…前はジャルネ目前だったしあんまりじっくり見なかったけど、結構ジャルネや転生者の影響受けてそうな料理があるんだなぁ。


「あら、干物の試食はいただきたいわね。どれがオススメなのかしら?あぁん、どれも美味しそうねぇ…」


あらまぁ、ベティ様、目を爛々と輝かせちゃって…

黒鉄さんとこで美味しいご飯食べれるよー?

まぁここで食べるのは別腹か。


「ご主人、そこの小さい干物串を4種類1本ずついただけますでしょうか?」

「あいよ、まいど!」

「奥様、どこかで座っていただきましょう。お好きなものをお選び下さい」

「まぁ、流石私の従者、わかってるわね」


お褒めのお言葉とチャーミングなウィンク貰っちゃった。

あらら、店主のおじさん、ベティ様に見惚れてるし。


「よ、よろしければコイツもサービスです!お召し上がり下さい!」

「まぁ、嬉しい。ご丁寧にありがとうございます」


今度は美しく微笑むベティ様。

それ、王妃様の公式スマイルやないですかー。

おじさん、完全に目がハートだよ。

このまま言い寄られたらベティ様は楽しいだろうけど、陛下にバレた時にめんどくさいからさっさと立ち去ろう。

おじさんが差し出してた追加の串を受け取り、さっきの4本分の代金を支払って退散。

近くのベンチまで逃げてきました。

周りに人通りはあれど、比較的空いてるところでたすかる。

とりあえずポケットからハンカチを出して、ベンチに敷きます。


「奥様、こちらへどうぞ」

「うふふ、ありがとう」

「べあ…奥様、笑顔でイチコロですね!」

「ついいつもの調子で微笑んじゃったわ。私って罪な女ねぇ」

「…裏のありそうな笑顔…」

「何か言ったかしら?シノール?」

「…イエ、ナンデモ…」


ジャルネの名前は目立つので、ここでは狩人名です。

ジャルネから人が出る事なんて殆どないから、ここで見つかると凄い囲まれちゃうんだって。

顔の系統は似てるから今はバレないけども。


「んん〜、美味しい!この塩っ気が堪らないわぁ!」

「お腹に余裕は残しておいて下さい。あちらでまだ食べるんでしょう?多分今日中には着きますからね」

「わかってるわよぅ、それでも食べたくなるのが乙女心よ!」

「それわかりますー!」

「…乙女…?」

「「シノール?」」

「ナンデモ…ナイ…ナンデモ…」


あの目が笑ってない笑顔って怖いよね。

東雲さんは少し発言を見直した方がいい。

これも虎徹さんに告げ口する事項に含めておこう。

美味しそうに串を平らげるベティ様を見ていると、なんだか少しガラの悪そうな男達が近寄ってきた。

…5人、か?


「よぅよぅ、この辺じゃ見ない顔だなぁ?そっちの奥様はお貴族様かぁ?」

「ただの観光中ですので、貴方方には関係ない事かと。そこをどいていただいても?そろそろ出発しますので」

「なんだよ、お前、生意気だな。ガキはすっこんでろ」

「旦那様より奥様をお守りするようにと仰せ使っておりますので。ここから下がる事は致しません」

「そっちの美人の奥様とちっこい姉ちゃんに用があるんだよ、ガキと男はすっこんでろって言ってんだろ!」

「あぁん?!」


やべ、東雲さんがキレちゃう。

多分この人達よりも東雲さんの方が強いだろうけど、ここで面倒起こしてジャルネに向かうのが遅れるのは避けたい。早めにベティ様を国に返さなきゃだし。

とりあえず東雲さんの前に立つ。


「どけ!俺が…!」

「貴方の主人にこれ以上告げ口されたくなければ下がっていて下さい」

「うっ…」


あ、目線が泳いでる。

困るけど、でもコイツらムカつくし、みたいな感じかな。

ちなみに神楽さんは僕が強いってわかってるからかニコニコしてる。

そしてベティ様は冷笑を浮かべて男達を見ていた。

そして僕にそっと食べ終わった串を渡してくる。

え、捨てろって?

しょうがないなぁ。


「それ以上近付くようでしたら、警告を無視したとし、迎撃態勢に入ります。貴族に不用意に近付くべからず…ご存知ないですか?何をされても、文句は言えませんよ?」

「なんだとぉ?!テメェが近付くなっつってんだけだろーが!!」


男が1人、怒りに任せて僕に手を伸ばしてくる。

その手を難なく躱し、右手に持っていた串を4本勢い良く投げる。

そして残った1本で手を伸ばしてきた男の左目数ミリ目の前まで指し向けた。

男は串に気付いたようで、冷や汗を流しながら動きを止めた。

ちなみにさっき投げた串4本は残りの男達の胸に刺さっています。

でもちゃんと服までで止めてあるよ?

体には怪我1つありませんとも。

男達は小さく悲鳴を上げて固まっていた。


「…次はナイフでやりましょうか?串だと致命傷を与えるには中々の集中力がいりますので。ナイフだと簡単でいいですよね」

「なっ…お、お前…」

「あと、1つだけ訂正を。人を見た目で判断しない方がよろしいかと」

「…テメェみたいなガキが、ってか?」

「それもありますが、私、これでも他国の侯爵子息なんです」

「は…?」

「侯爵子息が従者として側にいる女性…果たして、奥様って何者でしょうね?」

「…は…あ…え…?」


目線だけ、ベティ様を見る男。

顔色は最悪に悪い。

そしてベティ様は冷笑を浮かべたまま、軽くため息をついた。


「…私に用があるなんて、なんて無礼な男なのかしらね…?」

「「「「「…っ!!!!!」」」」」


威圧。

王族のオーラというか、凄まじい魔力というか。

一瞬だけ男達に向けて放ったソレは、高位貴族である事を存分に知らしめたらしい。

股間を濡らした状態で声も上げずに走って逃げていった。


「やだ、ばっちぃ」

「あれを向けられればしょうがないかと…」

「奥様、凄いですねぇ!」

「…俺も漏らしそうだった、見てただけなのに…」

「アイツらにしかしてないじゃない、やめてよね。それにしても、6歳のエドワーズでも泣くだけで漏らさなかったのに、なんて堪え性のない男なのかしら」

「…エドワーズ様、アレで怒られてたのか…そりゃ、ちょっとの事じゃ動じないな」

「あら、ユージェの殺気の方が怖いじゃない。本気出さなくてもアイツら失神させられるでしょ?」

「まぁ、そりゃ、簡単ですけど」

「…コイツの殺気は、意味わからん…」


…あぁ、経験者は語る、ね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 体調でも崩されているのかと心配していました。次話以降も楽しみにしています。
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