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友人に恵まれた

すみません、昨日は寝落ちしました…

月初はお仕事忙しくて力尽きました…

明日の更新は早めに出来るように頑張ります…

つい真顔になったった。

さて、どうしたもんか…

いっそアッシュ君連れて退場しようかな。

そしたらとりあえずはここで晒される事もなさそうだし…

折角みんなに久々に会えて嬉しかったのになぁ。


「…あの、」

「あーら、アッシュじゃない!!ちょっとこっちでお話しましょ!!アッシュの仕事内容とか興味あるわぁ!!」

「は?!いや、僕は…!!」

「アッシュ、あの噂、知ってる?」

「は?噂?」

「魔法師団の臨時試験があるかもって」

「なんだって?!それはいつの話だい?!」


…まさかの、メルヒーとメイーナがアッシュの両腕をがっしりホールドして引きずってった。

やぁだ、2人とも力持ちぃ〜♪

…いや、アッシュ君が非力なだけか?

いつまで経っても彼はヒョロヒョロだよね。


「…良かったわ、俺どうやって回避しようかと思ってテンパってた」

「俺も…がっつり固まっちゃった」

「あはは、2人はこういうの慣れてないだろうからねぇ。出来れば必要以上に身バレしたくないし、このまま僕は帰ろうかな」

「それはあかん、ユズキ、お前はここでローグナーと待っとれ」

「「え?」」

「一応ルーファス様にお前の事頼まれとんねん。とりあえず2人が引き離してくれたから、俺が後は片付けとく。ユズキはもうちょい楽しんでいき?」

「あ、うん、ありがと…」

「ローグナー、後は頼むで」

「お、おう」


そう言って僕らから離れていくロジェス。

最後にフッと軽く笑って手を振ってくれたのが、やけにカッコ良かった。


「やだ、ロジェスカッコいい…」

「くっそぅ、ああいうスマートな動きは苦手だぜ…!」

「まぁまぁ、ローグナーにはローグナーの良いところがあるんだから、無理はしない方がいいよ?今のままでも十分魅力的だから」

「…お前、そういうところだぞ…」

「ん?」


なんでため息つかれてんだろ。

そうして暫く他の人達と談笑してたら、メイーナとメルヒーが戻ってきた。

会話の輪の中からローグナーと抜け出し、2人と合流する。


「メイーナ、メルヒー、さっきはありがとう。ロジェスとアッシュ君は?」

「いえいえ、どーいたしまして!ユズキの事は若旦那様方から頼まれてるもの、これくらいなら出来るわ!」

「ロジェスはアッシュを王城に連れてった」

「王城に?」

「なんか良くわかんないんだけどロジェスが『アッシュ、お前の願い、叶えてやるわ。次期宰相様と次期師長様に会いたくないか?あぁ、もしかしたら王太子殿下もいらっしゃるかもなぁ?』って言って笑って引きずってったわ」


メルヒーのロジェスの真似、超似てない。

イントネーションがバラバラでふ。

…って、そのメンバーに会わせるって事は、つまり…


「…あー、アッシュ君、終わったな…」

「どういう事だ?」

「ルーファスと、兄様と、エドワーズ様に会わせてさっきの一連の流れを説明したら…多分3人とも表面上はにこやかな笑顔だろうけど、内面はガチギレだわ」

「え、そうなの?」

「…ユズキ、大切にされてるから」

「あの人達は僕だから大切って思ってくれてるんだよ。だから僕が困ってた事を知ったら、すっごい怒ると思う。逆に僕もあの人達が困ってたら全力で力になるし」

「…成る程、こりゃアッシュも年貢の納め時だな」

「まぁ悪い子じゃないんだけど、自分本位すぎるのよねぇ…」

「…アッシュは昔からユズキを目の敵にしてる節があった。私の事は女だからって無意識的に見下してた。そして権力に弱い」

「俺に対しては意識的に見下されてた気もする。座学の成績で言えばボロ負けだったしな。まぁ実技ならボロ勝ちだったけど。1回手合わせでぶっ飛ばしてからちょっと怖がられてるかも?」

「あたしは成績も実技も普通だったからか、あんまりそういう目で見られた事はないわね。まぁ聞かされる話は自慢話ばっかだったけど」

「…まぁ、生きてるだろうから、後でどうなったか兄様達に聞いておくよ。なんなら後で見に行こうかな」

「俺は後でロジェスに聞いとくわ。今日もロジェスん家泊まるし」

「そっか。ならメイーナには明日教えるよ、お店に買いに行くし」

「わかった」

「じゃああたしにも今度教えてちょうだいね」

「ん、また『レター』でも送るよ」


そうして同窓会はお開きになり、次回はまた来年辺りにやろうという話が出て終わった。

さて、今日は元々アレックス様のところへ行くのに入城申請してるけど…

あんまりあの3人に虐められすぎるのも可哀想だし、ちょっとアッシュ君の様子見に行こうかなぁ。

学院にある例の通路を使って、王城へ。

通り抜けて見張りの兵士達に挨拶して、とりあえずエドワーズ様の執務室へ向かう事にした。

あ、ちゃんと通路の途中で正装に変身済みですよ?

流石にユズキモードで王城内をフラフラ出来ないからねぇ。


「なんだ、ユージェじゃないか。何してるんだ?」

「ルーファス!」


執務室をノックしようとしたら、ちょうどルーファスが出てきた。

僕がいる事に驚いたのか、少し目を見開いている。


「アレックス様のとこに用事があったんだけど、その前に聞きたい事があって…」

「あぁ、もしかしてロジェスが連れてきたあの文官か?もうここにはいないぞ?」

「いや、別に会いたいわけじゃないからそれはいいんだけど…じゃあロジェスは?」

「アイツも帰った。元々今日は非番だしな」

「あ、そっか」

「ロイヴィス様ももう魔法師団室に戻ってるぞ。エドワーズ様ならいるから、良ければお茶にするか?」

「ルーファスは忙しくないの?」

「今日は別に急ぎの用はないからな。それよりたまには俺と茶でも飲もう」

「ふふ、確かに久しぶりだしね」

「だろ?エドワーズ様、ユージェが来たので入れても?」

「あぁ、勿論いいぞ。ユージェ、お前も紅茶でいいか?」

「はい、お願いします」


どうやら僕らの会話が聞こえていたようで、すでにお茶の準備を始めてくれていたエドワーズ様。

じゃあ僕はお茶菓子でも献上しようかな。

指を鳴らして、アイテムボックスからクッキーなどの焼き菓子を取り出す。


「お、そのナッツが入ったクッキー好きなんだ」

「知ってるよーん。エドワーズ様はこのメレンゲ好きですよね?」

「あぁ、ほろっとふわっと甘く消える感じが美味いよな」


2人とも嬉しそうに摘み出す。

まだ紅茶入ってないのにお行儀が悪いなぁ、全く。

暫くして紅茶の良い匂いが部屋中に立ち込める。

どうやらフレーバーティーみたいで、苺のような香りがした。

実際に飲んでみると、仄かなベリー系の風味がとてま美味しい。


「さて、どうせあの文官の事だろう?」

「あれ?エドワーズ様も会われたんですか?」

「なんせここに連れてきたからな、ロジェスは。ロイヴィスもいたぞ」

「アイツも最近では随分慣れてきたのか、ここにきても普通にしてるよ。まぁ俺達もその方がやりやすいけどな」

「中々ロジェスもいい度胸してるね…」

「まぁここの警備の奴らもロジェスは私の子飼いみたいなものだと認識してるようで、普通に通してくるしな」

「今回は別の人間引きずってきたから、多少困惑してたけども」

「だろうね」

「まぁ結論から言えば、別になんらかの処分を下した訳ではないぞ。明確に愛し子様へ敵意を向けたとか、そういうわけでもないし。お前の正体を学友達にバラすだけじゃ罪にはならんわ」

「そりゃそうです」

「権力者へのすり寄り方があからさま過ぎて、逆に面白かったな。俺達を見るや目の色変えてヘコヘコしてて。めちゃくちゃお前の事を褒めつつ、自分の良いところを話すんだよ」

「僕の?」

「『愛し子様はとても勉学熱心なお方で、私は学院時代互いに切磋琢磨して参りました』…だったか?後は『入学の際、不安げな愛し子様に最初にお声をかけさせていただいたのは、私なのです。それからはまるで親友のように仲良くなりまして!』とか言ってたな。ユージェリス、お前、アイツの親友なのか?」

「いいえ、友達かと聞かれても肯定し辛いくらいの距離感ですが?」

「だろうな。ユージェリスと出かけた事はあるのか、正体を事前に教えて貰っていたのか、ユージェリスの何を知っているのか…そこら辺の問いかけに、頓珍漢な返答しかなかったぞ。そして代わりにロジェスが普通に回答していた」

「ロジェスの回答を聞いて、まぁユージェとロジェスは友達なり親友なりと言える関係性だろうなと改めて思えたよ。ちゃんとお前への気配りも感じられた」

「あぁ、ロジェスへの信頼度が上がった良い機会だったな」


まさかのロジェスの評価爆上がり。


「あの文官には…ああいうタイプの人間には何を言っても自分に良い内容に置き換えられてしまうからな。さっくりぱっさりずばっと伝えて下がらせたさ」

「何言ったんです?」

「『成る程、わかった。私は君を好ましいとは思わない。使いたいとも思わない。何故なら君はユージェリスを出世の駒の1つだと思っているだろう?愛し子様を自身の駒にするとは、いい度胸だな?』とかおっしゃられてたぞ?エドワーズ様は」

「マジでさっくりぱっさりずばっとしてる。というか後半脅してる。そしてエドワーズ様、その言葉昔のエドワーズ様にブーメランしてません?」

「話を聞いてて段々イライラしてきたからな。私はもう改心したし反省もしてるから許してくれ。ルーファスだって『とりあえずお前は今後この執務室に来る事はないだろう。通達は出しておくから、自身の仕事の範疇から出るなよ?』などと言っていたではないか。そして本当に警護の騎士や兵士、あの文官の上司へその場で通達していたし」

「やだ、ルーファスも強気ぃ」

「ロイヴィス様も中々だったがな?『うちの大事な弟をなんだと思ってるの?お望みとあらば僕が師長になる時に魔法師団でこき使ってあげようか?勿論、人権なんて無視してもいいんだよね?』とか爽やかな笑顔で言ってたぞ」

「兄様カッコいい。さすおに」

「「なんでそんな反応違うんだよ」」


だって僕、ブラコンですから!!

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