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家族団欒と平和(?)な日常

今日はちゃんと早く更新できたっ…!!

「あら、ユージェリスちゃん、バラライアの王族に会っちゃったのね」


帰宅して久々の家族団欒な夕食時、今日の出来事を母様達に伝えたところ、少し可笑しそうに母様は告げた。

あ、ちなみに兄様は帰ってきてるけど、父様はまだお仕事中でいまてん。


「母様、知ってるの?」

「元王女ですもの、習ったわ。あと、王妃様が初めてバラライアの方とお会いした瞬間に同席してたもの」

「何したの?」

「ふふっ、あの時来ていたのは今のバラライア王の弟、王弟ね。まだ王妃様が王太子妃候補としてご婚約中の時。王妃様の他にも接待用に数名の貴族令嬢も同席してたから、その中でも愛し子様とバレないようにバラのコサージュからレースやリボンなんかが垂れた形のヴェールみたいなものをつけて髪を隠されて出席されてたの」


成る程、未婚で女性で愛し子様なら、最悪擦り寄ってきて何かしらの既成事実を作られたら拙いもんな。

まぁベティ様なら相手のを圧し折るだろうけど。

…何を、とは言わないお?


「そしたらね、部屋に相手方が入って来た時、何故か王妃様ったら吹き出しそうになって堪えて体を震わせていたの」

「…ベティ様…」


それ絶対あの顔見て笑いそうになったんでしょ。

僕は驚きの方が先だったから笑わなかったけども。


「そんなに目立ってたわけじゃないのよ?でも何故か王弟殿下が気付かれてね。王太子だった陛下に言ったのよ、『あの女性は私に会えて感激のあまり震えてしまってるようだ、後で抱擁して落ち着かせてやらねばな』って」

「ひでぇ」

「勿論王妃様にベタ惚れで絶賛口説き中の陛下は内心ご立腹。青筋立てながら口元ひくつかせて『はは、ご冗談を』なんて笑ってたわ」


やだぁ、想像がかんたーん♡


「それで『いやいや、モテる男は辛いですな。そこの令嬢、こちらへ来い』なーんて言われて、記憶を失くして王太子妃教育なんてすっかり知らない王妃様は『は?』って口から出ちゃったのよ」

「それはあかん」

「中々凄い顔されてたわよ?それで陛下も我慢出来なくてね。ツカツカと2人の間に割って入って王妃様の肩を抱き寄せて、『彼女は私の妻となる女性だ、国家間の争いを起こしたくなければこれ以上はやめていただこうか』って言ったのよ」

「陛下、カッコいい…!」

「あの時の王妃様の表情は陛下からは見えなかったでしょうけど、真っ赤になりながら不貞腐れる顔が可愛らしかったわよー」


やだ、ちょっとときめいちゃったんですね、ベティ様。


「それでそのまま『そして彼女は貴方方にとって1番対応を間違えてはいけない人物だったな』って不敵に笑って、抱き寄せたまま歯でヴェールを噛みながら捲り上げて愛し子様の証明たる黒髪を見せ付けたのよ。あれも珍しくカッコ良かったわねぇ」


何それ、陛下ってそんなワイルドな事出来たの?

絶対その時にベティ様惚れちゃったんでしょ、今度聞いてみよう。


「流石に気付いたらしくて、王弟殿下は顔を真っ青にしてたわね」

「残念だね」

「ふふふ、あの国の王族達はね、意外とあの顔に危機感がないのよ」

「え?そうなの?」

「焦るのは結婚適齢期になってから。それまでは蝶よ花よと周りから接せられて、自分は顔ではなく内面的に好かれてるんだと勘違いしてるから。それで実際に適齢期になって自分の好みの相手へ婚約という名の王命を下してみて、あらびっくり!キスしても顔が戻る事はなく、なんなら相手はすっごい嫌がってる。今まで相手が自分に優しかったり甘かったりするのは、不敬だからと処罰されないためなのにねぇ?」

「あぁ、持ち上げられてる事を知らない王族なのね…」

「仕事に対する能力はあるのよ?でも相手の気持ちとかを察する能力はあまりないの。唯一解けたという過去の王族は過信する事無く日々を過ごせた人だったみたいね。それで本当に内面を好いてくれた相手と幸せになったみたい。そこの家系は今では伯爵だけど、あの顔の系統ではないんですって」

「いいねぇ、そういう人と僕も結婚したい」

「…なんの話かわかりませんでしたけど、ユージェお兄様、ご結婚の願望ありましたの?」

「フローネ?」

「てっきり独身を貫かれるのかと…」


いやいや、僕だって結婚願望あるからね?!

そこまで色恋沙汰に興味ないと思われてたのか…


「そういえば、さっきもそんな話してたね。それで実際、誰かいい人でもいるの?」

「あらやだ、初めてのユージェリスちゃんの恋愛相談?!お母様も聞きたいわぁ!」


テンション上がりすぎでしょ、母様。


「…お付き合いしてる人はいないよ」

「お付き合いしたい人は?!」

「…いるけど、付き合えたらちゃんと改めて紹介するから」

「きゃあ!ユージェリスちゃんなら絶対大丈夫よぉ!ユージェリスちゃんが好きな子だもの、きっと貴方を1人の男性として見てくれる子なんでしょう?」


あら、よくお分かりで。

愛し子や侯爵子息としてしか見てない相手は、そもそも僕の対象外だからね。


「お兄様、ちゃんと私にも紹介して下さいね!」

「勿論僕にもだよ?」

「ちゃんと付き合えたらここに連れてくるから大丈夫だよ」

「うわぁ、もう1人お姉様が出来るの、すっごい楽しみです!」

「気が早いな…あれ?そういえば今日、ルーナ義姉様は?」

「今日は実家に帰ってるよ。実はユージェも帰って来た事だし、そろそろ結婚しようと思ってて」

「なんと!おめでとう!」

「ありがとう。それで暫くは実家で過ごして、最後の家族団欒するって言ってたんだ。結婚式の準備は元々してたし、招待状とか送って人数確定させればもう挙げられるんだよね」

「ごめんね、僕が遅くなったから兄様達も結婚遅くなっちゃったんだよね…」

「そんな事ないよ、元々僕の仕事がひと段落してから結婚するつもりだったんだから。引き継ぎが全部終わったわけじゃないけど、粗方教えて貰い終わったからそろそろだねって話してたところなの。寧ろタイミング良かったね、無理矢理帰ってきて貰わなくても良かったんだから」


ニコッと笑う兄様、プライスレス。

お金で買えない価値があります。

もう本当に大好き、愛してます。

あー、兄様達の結婚祝い、何にしようかなぁ。





次の日。

…暇を持て余してます。

何故なら今日は父様と兄様が仕事、母様はお茶会、フローネは学院。

ルーファスとレオは仕事、ナタリーとニコラは領地で勉強中。

ダティスさんとデイジーも領地、シンディとドロシーは仕事。

ロジェスも仕事、メルヒーも領地で仕事。

メイーナは…店に会いに行けばいるだろうけど、仕事中だろうなぁ…

はふん、プー太郎ちゅらい。

ソファに寝そべってため息ついてたら、紅茶を入れてくれたジーンがカーテンを開きながら笑っていた。


「お暇でしたら遊びに行ってみては?」

「みんな仕事とかなんだもん…」

「お1人でもいいですし、俺が付き合いますよ?」

「ジーンとは四六時中一緒だったから…」

「泣きましょうか?」


泣かれてもちょっと…


「…家にいてもやる事ないし、王都散歩行ってくる」

「俺は?」

「お留守番」

「泣きましょうか?」

「めんどくせぇ」

「冗談です、たまには息抜きでもしてきて下さい」

「ジーンもね。今日はゆっくりしてな」

「はい、では失礼します」


ヒラヒラと手を振ってジーンを下げる。

笑いながらもジーンは頭を下げて退室してった。

さて、散歩といっても格好をどうするか。

まぁ安心安定のユズキスタイルかな。

黒髪に黒縁眼鏡、服装は一般的な平民服。

瞳の色は変えなくていっか。

着替え終わって、そのまま窓からあいきゃんふらーい!

2階くらいなら魔法使わなくても身体強化スキルで軽々着地出来る。


「坊っちゃま、何故窓から?」

「あ、ファーマ、おはよう。散歩行ってくるね」

「ほっほ、お気をつけて」

「はーい」


ファーマに挨拶して、指を鳴らす。

一時的に認識阻害して、そのまま王都の人並みに紛れ込んだ。

適当なところで魔法を解き、フラフラと彷徨う。

あー、なんかこの帰ってきた感いいなぁ。

バレてないのも息苦しくなくていい。

さてさてさーて、どこにいこうかなぁ?

あ、雑貨屋のおばちゃんのところへ行こうかな!

兄様の結婚祝いの相談乗ってもらうとか。

それともティッキーディッキーに行って、何か作らせて貰おうか。

忙しそうなら仕事手伝ってもいいしね。

そうと決まれば早速…


「ふわぁーん、ままぁ…!!」


予定変更、とりあえずお母さん探しか…

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― 新着の感想 ―
[一言] 王様のエピソード、面白いのでもっと読みたいw いつも1番に読んでしまうくらい好きな小説です、更新楽しみにお待ちしております!
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