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巻き込まれた

毎日更新って難しいですね、すみません…

夜までにもう1話頑張ります…

ステイホームでやる事ないと思ったけど、家族と一緒だと書けないの…

「えーっと、あの、一応この旅の決定権は俺じゃなくてユズキにあるんで、俺には決められないというか…」


汗だらっだらのジーンが口走った。

おいおい、それ言うなよ!

僕の責任みたいになるじゃんか!


「…ユズキさん…?」

「…そんな目で見ないで…」

「君、ユズキ君だっけ?うちの大事な娘を連れていかないだろうね…?」


やーだぁ、ストレイトさんの目が笑ってなぁーい♡

うーんと、うーんと、なんで言えばお断り出来るのか…

こうなったら…


「えっと、一旦お店の中とかで話しませんか?ここで言い争ってると目立ちますし…」


というか、すでに野次馬は出来てるというか。

それに今気付いたらしく、ストレイトさんとシャーロットさんは少し顔を赤くしてから店の中へ通してくれた。

そして向かったのは前回同様応接室。


「…で、勿論連れていかないだろう?」


ゲン◯ウポーズこわぁい♡

目が光っちゃってんじゃん。

ジーンは腕にシャーロットさんが抱きついたままなので余計に怖いらしい。

シャーロットさんは…うん、頬を膨らませながら涙目でストレイトさんを睨んでます。


「えーと、僕的には連れて行くつもりはない、です」

「ユズキさん?!」

「ほう!君は話のわかる人のようだ!そうだよね、こんなか弱い女の子を連れて長距離の旅なんて出来ないよねぇ」

「いや、そこは出来なくないんですけど」

「え?」

「問題は僕達が女の子を連れて帰るって事なので」

「ど、どういう事だい?」

「いや、まぁジーンが連れて帰ったって言うならまだマシか…?」

「ちょっと?!俺に擦りつけるのやめてもらえません?!」

「いやだって、僕にはあんまり近寄らない方がシャーロットさんのためだろうし…」

「だからって俺も貴方のせいで比較的目立つんですから、あまり意味ないでしょう?!うちの国を把握しきれてない女性が突然の事に耐えられるはずがない!」

「そこは『君の事は俺が守る!』くらい言ってあげなさいよ」

「いやそういう関係じゃないですし!」

「あ、あのぉ…?」

「「え?」」

「き、君達、どういう関係なんだい?というか、本当に狩人?」


…ジーンが敬語になるからぁ。

ジト目で見つめると、ジーンに目線逸らされた。

やっぱしょうがないか。


「えーと、信じていただけるかわかりませんが、確かに狩人は仮の姿です。旅に出るのにちょうど良かったので。実際の僕は、リリエンハイド王国の貴族子息です」

「「なっ…?!」」

「ジーンは僕の従者で、一応陛下の許可を得た上で旅に出ていました。今は用事が終わったので急いで帰るところです、王妃様をお待たせしていますので」

「…そ、そうでしたか、それは引き止めてしまい大変失礼致しました…」

「いえいえ。でまぁ、それなりの高位貴族ではあるので、それなりに国では目立つんです。そんな僕達がこんな可愛い女の子を連れて帰ったら目立つし、無駄にシャーロットさんが変な連中に絡まれる事になるかな、と」

「えぇ?!そ、それは、貴方様へ擦り寄る連中に…とか、そういう事でしょうか…?」

「そうですね、困った事に」

「そ、そこまで高位貴族であらせられる…?」

「えーと、生まれてすぐに放棄はしましたが、王位継承権も持ってはいました」

「ひぃぃー?!?!も、申し訳ありません!!本当に大変失礼な事を先程…!!!!」


ゲン◯ウポーズは崩れ、真っ青な顔でソファから降りて頭を下げるストレイトさん。

ちなみにシャーロットさんも顔色悪くジーンから離れていた。


「構いませんよ、そういうのは気にしない性質なので。あ、ちなみにジーンは一応平民なので、シャーロットさんはそんなに怯えなくても…」

「え?!あ、はい!ごめんなさい!」

「うーん、だから言いたくなかったし、この国でこのままお別れしたかった。折角仲良くなれそうだったのにねぇ?」

「まぁ高位貴族だとわかればこんなもんでしょう。貴方のお友達とは違うんですよ」

「まぁみんなは僕の気持ちを汲んでくれるからねぇ」


いやぁ、いい友人達を持ったもんだ。


「というわけで、僕らが一緒に連れて行く事は出来ません。それでもシャーロットさんがきちんとした目的を持ってリリエンハイド王国へ来たいというのであれば、多少ですが手はお貸しします」

「え?」

「知り合ったのも何かの縁ですからね。魔導具をお貸ししましょう、魔物に襲われる事のない魔法を付与した、半永久的なものを」

「そ、そんなものが存在するのですか?!」

「僕の特製です、量産はしませんよ。ただまぁ、魔物を防ぐだけです。他の保証はしません。それでも来る覚悟はありますか?」

「あ、あります!魔物に襲われないなら、私だって1人でそちらの国へ…!!」

「魔物だけ(・・)ですよ?」

「え?」

「盗賊や人買い…そういうのは防ぎません。詐欺師に騙される事もある。貴女はそれに気付けますか?防げますか?」

「あ…」

「商人の娘として、人や物を見る目はあるかもしれない。ですが前回もそうでしたけど、詰めが甘い。箱入りお嬢様は、少し考えた方がいいですよ。あとストレイトさんはちょっと過保護にし過ぎかもですね。姪御さんが可愛いのはわかりますけど、ちゃんと自立させないと」

「「は、はい…」」

「僕の友人はここより遠い国からうちの国へ来ました。家族で移動して、父親を亡くしながら。普通は長距離の移動は命がけなんですよ?ここからの道は基本的に舗装されてて行きやすいでしょうけどね」


ローグナーから最初にその話を聞いた時には、結構衝撃だった。

だからこそ、僕は魔物を出来るだけなくすために魔症石を回収していきたいんだろうな。


「それで?どうします?」

「…考え直します。まずは短期的な旅の練習として、隣国の叔母に会いに行こうと思います」

「シャーロット…!!」

「それで、最終的にはリリエンハイド王国にも行きたいと思っています。私は…ジーンさんに、会いたい、ので…」


顔を真っ赤にさせながら声を小さくして呟くシャーロットさん。

やっぱりジーンに惚れちゃったのね。

うんうん、うちのジーンはいい子だからねぇ、わかるわかる。

対するジーンも顔が真っ赤です。

こうやって面と向かって好意を告げられた事ないもんね、実は。

僕の従者なので基本的にはどんな相手にも裏の意図を考えちゃうのです。

前に1回だけハニートラップかけられた事あったよね。

でもジーンは照れるでもなく、相手をゴミ虫のように見下す目で睨みつけて舌打ちしたら、相手のご令嬢が泣きながら逃げ出した事もあった。

ジーンは僕と一緒の時は犬属性キャラだけど、対敵だと狼属性キャラへと変貌する。

主人を害する者は全て排除する的な、かなり攻撃的になる。

対魔物の時もそうだよねぇ。

そして普通の人に対しては比較的紳士。

一般的な執事キャラに近いというか。

レリックの教育は流石だよね。

あのギャップは凄いと思う、惚れる人続出しそう。

まぁあんまりその3つを全て見れる人もいないんだけどさ。

多分シャーロットさんは執事紳士的な対応を見て惚れちゃったんだろうな。

生憎あれはジーンの外面なので、それだけで惚れられてうちの国へ来られても…ねぇ?

どっちも困る事になるのだよ。


「え、えっと…ありがとうございます、頑張って下さい」

「…はい」


あ、ジーンの他人事な反応見て、シャーロットさんが少しショック受けてる。

シャーロットさん的には『嬉しいよ、待ってるね』みたいな反応待ちだったのかな。

多分今日会いに来るまでは『ちょっといいかも』くらいだったのが、ちょっと感情的になってるのを見て少し冷めたかな?

ジーンも理想が高いなぁ。


「じゃあまぁ、とりあえず話は終わりですね。シャーロットさんとストレイトさんはもう少しお互いに話した方がいいですよ」

「はい…ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした…」

「あ、あの、お聞きしたい事があるのですが…」

「なんでしょう?」

「私、貴方様へ名乗りましたでしょうか?何故名前を…」


…やっべ、普通に呼んじゃったよ。


「…シャーロットさんにお聞きしていたもので」

「あ、あぁ、そういう事でしたか!それは失礼しました!あ、あの、その…貴方様のお名前は、ユズキ様でよろしいので…?」

「あー…いえ、偽名なんですけど…」

「本名はお聞きしても…?」

「…ユージェリスと申します」

「ユージェリス様…この度は色々とご迷惑をおかけしました。もう少し色々と、話し合おうと思います」

「そうして下さい、では」


僕とジーンは応接室を出る。

店の外に出てから体を伸ばして、深呼吸。


「…ジーンのせいで疲れた」

「俺のせいですか?!」

「今回僕は悪くない」

「それは、そうですけど…」

「父様達に報告してやる」

「やめて下さい?!俺まで女性関係が、って怒られそうじゃないですか!」

「怒られてしまえ!ふはははー!」


走って逃げる。

追いかけてくるジーン。

さぁてと、さっさとお家に帰るぞー!

後日、ストレイトさんはユージェの名前からリリエンハイド王国の侯爵子息であり愛し子であると調べ上げ、顔面蒼白になるのでした。

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