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夢にまで見たお買い物

初日から更新出来なかった…!!

申し訳ありません!!

代わりに今日は夕方にもう1話上げますm(_ _)m

ここは天国か。


「ユージェ様、大丈夫ですか?」

「これはダメね、放心状態だわ」

「あらあら、どうしたのかしらねぇ?」


醤油に味噌、みりんに清酒、七味にわさびにからしに柚子胡椒。

オマケのオマケに豆板醤とオイスターソースまで!!

桃源郷はここにあったのか…


「…買い占めたい…」

「まぁそれでも構わないけどねぇ」


お、しまった、トリップしてた。

初めて聞いた声の主に視線を向けると、顔ではなく胸元に目線がいってしまった。

…おばけマスクメロンが2つ…!!


「あらあら、流石男の子ねぇ」

「あの、肩凝りません?」

「え、肩凝りの心配なの?」

「うふふ、毎晩旦那様にマッサージしてもらってるから大丈夫よぉ。男の子に初対面で肩凝りの心配されたのは初めてだわぁ」

「十六夜、この子が例の子なのよ。しかもTSタイプ」

「あらぁ、それは大変だったわねぇ。お姉さんが抱き締めてヨシヨシあげましょうか?」

「あ、いや、流石に人妻だし遠慮シマス…」


あれは抱き締められたら窒息するやつや、あかん。

改めて十六夜さんの顔を見たけど、またフェロモンたっぷりのお姉様だったわ。

口元の黒子がせくすぃ。


「それでぇ?お買い物に来たのよねぇ?」

「あ、はい!ユージェリス=アイゼンファルドと申します!調味料各種あるだけ下さい!」

「ユージェ、何と交換するの?十六夜のジャッジは厳しいわよ?」

「そこはもう、なりふり構いません…」

「あらぁ、何かしら?」

「…これでどうだぁ!!」


近くにあった広めの机の上に、指を鳴らしてアイテ

ムボックスから出したものを広げていく。

それが並ぶ毎に華さんと十六夜さんの目の色が変わっていく。


「こ、こ、これはっ…!!」

「ゆ、ユージェ君、一体どうやって…!!まさか…!!」

「…お譲り、いただけますね?」

「…持ってけ泥棒、ですわぁ」

「十六夜、私も欲しい…」

「ダメよぉ、うちの商品と交換なんだからぁ」

「酷い!ケチ!おばけおっぱい!!破裂しろ!!」

「…華…?言っていい事と悪い事があるのよぉ…?」

「ひぃっ…!!…ゴメンナサイ」


うわぉ、十六夜さんの後ろに般若のお面が見えたわ。

色っぽいお姉さんが急に怖くなったな。

ちなみに机に並べたのは例の美顔器と専用の化粧水、それに僕が作った魔導具じゃない装飾品が数点だ。

ちゃんと使われてる宝石も本物だし、多分金額で言えば余裕でこの店のものを買い占められると思う。

ジャルネで違和感のない簪も出してみた。

出し惜しみはしません。

2人的には美顔器と化粧水に過剰反応したみたいだけど。


「ならうちは調味料全種、とりあえず店頭に並んでる分は全てかしらねぇ。倉庫の在庫はご近所さん達用にも少し残しておきたいんだけど」

「それじゃユージェが割りに合わないでしょ。他に出せる物ないの?」

「そうねぇ、あぁ、豆腐とか乾麺系とかそういう食材はどうかしらぁ?」

「よろしくお願いします!!」

「あらあら、清々しいほどいいお返事ねぇ」


コロコロと笑う十六夜さん。

だって必要なんだもん。


「十六夜ぃ、お客さんかぁ?」


店の奥から聞こえた声に、僕達が全員で視線を向ける。

出てきたのは…


「「…子供?」」

「失礼な!成人しとるわ!!」


160センチくらいの少年だった。

少し肌が黒い、西の高校生探偵のプチバージョンって感じ?

あそこまで顔濃くないけど。

ちょっと鈍ってるし。

僕より全然年下だと思ってたら、どうやら同い年らしい。


「えぇー?同い年ぃ?」

「なんや、文句あるんかい!!」

「ほ、む、らぁ〜♡」


突然、目の前で目尻を吊り上げた焔さんが吹っ飛んでった。

真横を凄い速さで十六夜さんが走って突っ込んでったからの模様。

…何が起きた?!


「あーあ、またかぁ」

「ど、どういう事?」

「十六夜が焔にベタ惚れなのよ。昔っからずーっと十六夜が告りまくって、焔が諦めて受けたって感じかしら」

「昔から?」

「焔が6歳、十六夜が20歳の時からかしら?」

「「犯罪じゃねぇか」」

「リアルおねショタを目の前で見る事ほど複雑な気持ちはなかったわ…」

「失礼ねぇ、元々は(・・・)同い年だったのよぉ?」

「いや、俺的には親戚のおば…姉ちゃんくらいの感覚だったけどな…」


うわ、今睨まれて言い直したでしょ。

とりあえず、コイツが苦労人なのはわかった。


「…苦労、してるんだな」

「わかるか?」

「わかるだろ、その状態見たら」

「だってさぁ…彼女作ろうもんなら、本気で潰しに来るんだぞ…?『あらあらぁ、そんな貧弱な体でアタクシに勝てると思ってるのかしらぁ?』って、口は笑ってるのに目が笑ってない状態で…いつしか歳の近い奴らは俺を敬遠するようになった」

「「おぅ…」」

「…良い奴ではあるし、受け入れた方が精神的に辛くないと悟ってからはずっと一緒にいる」

「「…おぉ…」」


ついジーンと一緒に焔さんを哀れんだ目で見てしまった。

焔さんも遠い目をしてる。

そんなの関係なしに蕩けた表情で焔さんに擦り寄る十六夜さんに少し狂気を感じた。


「失礼ねぇ、愛の深さを示しただけなのにぃ」

「ハイハイ、ソウデスネー」

「なのにちっとも焔はアタクシに愛を囁いてくれないしぃ。好きなんて言われた事ないわぁ」

「それはしょうがないのでは…」

「なんか寒気が…」

「焔さん、頑張れとしか言えない…」

「呼び捨てでいいよ…お前ら、名前は?」

「僕、ユージェリス=アイゼンファルド。ユージェって呼んでよ」

「俺はジーンだ、よろしくな」

「おう、また買いに来いよ。ほら十六夜、商品の用意してやれよ」

「はぁーい♡」


瞬殺か。

凄まじいスピードで商品を纏めてくれる十六夜さんもすげぇな。

纏められたものから順番にアイテムボックスにしまっていこう。


「凄いわねぇ、アイテムボックスに制限ないの?」

「今のところないけど。え、制限あるの?」

「流石に家1軒は入らなかったわね」

「何してんの」

「引っ越しするのに丸ごと取り込んだら楽かと思って試した事あるわ。ちなみにアイテムボックスは私たち9人しか出来ないわ、元ネタ知ってる人だけって感じかしら」

「引っ越しなら飛ばすか持ち上げればいいのに」

「好奇心よ」

「みんなってやっぱりチートなの?MP無制限とか、スキル取れやすいとか」

「そうでもないわ。この国の一般人よりも多いくらいかしら?ユージェ、チートなの?」

「うん、やっばいステータスだよ」

「精霊によってくれる物は違うのかしらねぇ」

「みたいだねぇ。ここでは何貰ったの?」

「1人1つ、全員別々の特殊能力かしら。私は『魔眼』」

「アタクシは『治癒再生』」

「俺は『火炎』」

「スキルとは違うの?」

「私のは鑑定スキルの上位版かしら。勿論MPもHPも使わないわ。スキルよりも自分の意思で出来て、調整も自由自在。なんなら相手の動きとかも止めたり出来る、厨二病感たっぷりなチートなお目々ね」

「アタクシのはホ◯ミとかザ◯リクみたいなのも可能よ。まぁ蘇生は1日1回くらいだし、寿命はどうしようもないけど」

「俺はメラ、ギラ、イオ系だな」

「ごめん、僕ドラ◯エやってないから細かいのはわかんないけど…でもまぁ、なんとなくわかったわ」

「ユージェは?」

「スキルレベルはカンスト以上、MPは無制限」

「あら、それも凄いわね」

「そして何よりこの美貌と、侯爵家次男坊というステータス」

「それはずるいわね」

「イケメンよねぇ」

「羨ましいわ」

「ジーン、ユージェはモテる?」

「めちゃくちゃ。なんなら自分からタラシに行く、しかも無自覚で」

「女の敵ね」

「背後に気をつけなさぁい?」

「羨ましすぎるわ」


酷いな、ジーン。


「女の子には優しく、が僕の信条だからね」

「フェミニストも程々にね?」

「ユージェ君は奥さんいないのぉ?」

「婚約者すらいませんよ」

「なら華なんてどうや?誰も貰い手がおらんのや」

「失礼ね、私だって本気出せば!」

「その『魔眼』で本人の知られたくない事柄知って暴露してたら嫌がられるに決まっとるやろ」

「別に良くない?だって薄毛で悩んでるとか最近太ってお腹が出てきちゃってるとか、悩み事の程度が低いのよ!」

「本人にとっちゃ大事でしょうが」

「それは困るな…」

「ジーンの悩み事だって小っちゃいのよ!そんなの本人に言えばいいのに!」

「え?ジーン悩み事あるの?僕には言えない事?」

「華さん!黙って!」

「えー?」


顔を真っ赤にさせるジーン。

不貞腐れる華さん。

なんなんだよぅ、僕にも教えてー!

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