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変化と日常

少々性的な話になります。

不快に思われたらすみません。

でもユージェリスはそういう事も越えていかないといけないので、ご容赦下さい。

さらっとアイカット様とリュシエル様に挨拶をして、その場は撤退した。

何故なら少ないながらも出席されていた歳の近そうなご令嬢方がめちゃくちゃ距離を近付けていたから。

僕に直接話しかけたりは誰かと会話中なら抜け道がある。

その会話相手へ話しかけて紹介して貰えばいいわけで。

アイカット様やリュシエル様にお祝いの挨拶をしたら、運が良く…みたいなのを狙ってたみたい。

レオからの情報だと、僕は愛し子としての価値もさる事ながら、貴族子息としての価値がめちゃくちゃ高いんだそう。

侯爵家次男(つまり婿入りも可)で、父親は師長だし、陛下達の覚えも良く、ルックスも○、性格は女性に優しくて人当たりも良くておまけにめちゃくちゃ強い。

社交界デビューの時の釣書禁止令がなければ大変な事になっていたらしい。

噂を聞きつけた近隣諸国から陛下を通して婚姻話も出ていたとか。

まぁ愛し子だから他国にはやれないって事で、それに関しては勝手にお断りしててくれたみたいだけど。


…なんか年々女性が怖いと感じるようになってきたなぁ。

前は『あー、はいはい、こういう女子いるよねー』みたいな体感だったのに。

最近はよく考えれば(・・・・・・)わかるよねっていうポカが増えた。

この前の化粧水とかもそうだけど、この世界に来た頃ならすぐにそれが察せられて、対策を打ててた気がする。

…もしかして、やっぱり今の性別に引っ張られてるんだろうか。

思考が男寄りになってて、気付けないんだろうなぁ…

意外とニコラの言ってた『女子に刺される』ってのも危惧するべき事かもしれない。

いつまでも性別=中性でいれないもんなぁ…


…なぁんて思いながら寝て起きた、翌朝。

違和感というか不快感を感じて布団をめくって、血の気が引いた。

悲鳴を上げる手前だったわ。

…これは、あれか…

知識しかなかったけど、まさか…


「…《クリーン》」


…この世界に魔法があって、本当に良かったと心から思った。

これを誰かに見られたら、マジで死ねると思う。

前世の少年達は凄いな、これを隠して洗面所とかにいかなきゃいけないのか。

ベティ様にも言えないわ。

なんか同情した目で見られそう。

いっそ赤ければ『あーあ、来ちゃったよ…』程度で憂鬱になるだけだったのに…


…心なしか、体と気が重い。


「お兄様、どうなさいましたの?」

「…んー、ちょっと昨日の疲れが残ってるのかもね」

「あら、大丈夫?学院お休みする?」

「大丈夫だよ、母様。今日は進級試験もあるし、出ないとね」

「無理するなよ?」

「はい、父様」

「何かあれば連絡してね」

「わかったよ、兄様」


朝食の席でみんなに心配かけてしまった。

そんなにわかりやすかったかな…

でもさすがにこんな事言えないわ。

よっし、気を取り直して行くかー…


今日は第3学年の組を決めるための進級試験の日だった。

去年は僕不在だったからなぁ…

別に試験に不安はないけど、ぶっちぎりトップを取るわけにもいかないから、どこで間違えるか気をつけないと。

ユズキモードで学院に向かうと、知らない人から挨拶をされたりする。

これはあの事件以降変わった事で、気軽に声をかけてくれる先輩とかが増えたんだよね。

ちなみに女生徒からは貴族平民問わずにちょこちょこ黒騎士リクエストを貰うので、時間があれば茶番に付き合ったりする。

みんな楽しそうで何よりです。


「ユズキ!!これわっかんねぇ!!」


教室に入って開口一番、ローグナーが半泣きで抱き付いてきた。

ローグナーはいつも成績ギリギリだからな…


「はいはい、教えてあげるからとりあえず座らせてよ。というか、メイーナは?」

「まだ来てない…いつもギリギリに来るし…あと、メイーナ、説明短くてよくわかんない…」

「あー…成る程、わかった、ちょっと待ってて」


メイーナのあの話し方だと、結構途中の解説端折ったりするからな…

机に座って荷物を片付けてから、ローグナーの質問に答えていく。

要領は悪くないから、1度理解すれば出来るんだよなぁ、ローグナーって。

そこからはいつの間にか来ていたロジェスも加わったりして、人数が増えていった。

…あー、なんか普通の学生生活って感じで落ち着くぅ。

頼られるのって嬉しいよねぇ。


「お前ら、始業のチャイム鳴ってるぞ!!席に座らんか!!」


おっと、いつの間にかセリウス先生も来てた!

鳴ったのには気付かなかったなぁ。

みんながバタバタと席に戻る。

いつも通りHRして、授業が始まる。

というか、今日は授業じゃなくて試験なんだけどさ。

特に苦もなく終わったので、試験内容については割愛します。


そして全てが終わった帰りのHR後。


「なぁなぁ、今日寄り道して帰らねぇ?」

「いいけど、どこ行くってのよ」

「なんや甘いもんでも食べたいわぁ、頭使ったからなぁ」

「さんせーい、俺、この前出来たジュース屋行きたーい」

「うむ、あれは美味そうだったな」

「…美味」

「え、メイーナもう飲んだの?俺も飲みたい!」

「じゃあ行こうか、混む前にさ」


あぁ、なんか青春って感じ…!!

こういう会話してると若返るわぁ、既に若いけど。


「そういや、あの噂知ってっか?」

「「「「噂?」」」」


お店に向かう途中で、サラスが突然思い出したかのように告げる。


「海の向こうの他国が、うちの国を侵略しようと試みてるって噂だよ」

「え、そんな噂あるの?」

「あぁ、なんや聞いた事あるなぁ…でも確か、侵略やのうて同盟やなかった?」

「あたしは諜報員が潜り込んでるって聞いたけど?」

「…初耳」

「俺もだ、聞いた事なかったなぁ」

「僕も」


というか、父様からもそんな話は聞いてないし、ベティ様からも言われてない。

寧ろレオが何も言ってこないなら、この話はデマだな。

ロジェスの言ってる同盟ってのは、ヴァイリー王国との話だろう。

まだ秘密なんだけど、どうやらエドワーズ様とルーシャン様は『レター』で文通しているらしく、少しずつ愛を育んでいるようだった。

お互いまだ直接会えてないけど、近々ルーシャン様が勉学のためにこちらの国に数ヶ月留学するらしいので、その時には僕も会いに行こうと思っている。

キューピット役って楽しいねぇ。


…でもまぁ、変な噂は早めに止めた方がいいよね。

後でレオに確認しよう。


「ほら、あった、あそこだ!まだあんま並んでないぞ!」

「あたし、何にしよっかなぁ!」

「俺、イチゴミルク」

「じゃあ俺はミックススムージーかなー?」

「キウイ&マンゴーが気になるわぁ」

「…桃オレ一択」

「そんな好きなの?」


わーわー騒ぎながら選ぶ。

あー、マジで青春してるぅ…

こういうひと時も必要だよね!

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