恋の話(はな)咲く男子会
気付けば投稿してから1年経ってました。
1年以内に終わると思ってたのに、随分続いたなぁ(笑)
これからもよろしくお願いします!
結局、ガルフィ様とソフィア様は別れないようだ。
というより、別れられないというべきか。
今回の事件やソフィア様の魔法印については上層部しか知らないので、突然ラブラブ(に見えていた)夫婦が離婚、しかもそれが前陛下と前王妃…
他国に説明が出来まてん。
『魅了』の魔法印なんて詳しく説明して、悪用されても困るからね…
ガルフィ様は仕方ないね、と諦めた顔をして笑っていたらしい。
ソフィア様は安心して泣いていたみたい。
そうそう、ついにソフィア様にも魔法印について説明したんだって。
今ならちゃんと理解出来るだろうからって。
だからこそ泣いたらしい。
自分のした事を、少しでも悪い事だったと気付いたなら、僕も倒れた甲斐があったってもんだよね。
まぁそれで許されるわけではないけどさ。
ソフィア様は王家所有の領地で余生を過ごす事になった。
幽閉と同じだね、基本的にそこから出る事は出来ないそうだから。
お付きとして、ララティエお祖母様が付き添うそうだ。
今更ながらも、王妃教育をしていくとの事。
本人たっての希望らしい。
自分がもっと強く諫めるべきだったと責任を感じてるみたい。
お祖母様は元々ソフィア様の侍女なわけじゃないし、同い年じゃないから学友ってわけでもないし、責任はあんまないと思うんだけどねぇ…
責任感の強い女性だ。
お祖父様は渋い顔をされていたけど、一緒にその領地に住む事にしたそう。
なんだかんだ、お祖父様ってお祖母様が好きなんだろうな。
…お祖母様がどうかはわかんないけど。
お祖母様は幽閉ってわけじゃないから、たまに遊びに来てくれるって言ってた。
僕も1回行こうかな、そしたらお祖母様が遊びに来てくれても送っていけるし。
ガルフィ様は幽閉ってわけじゃないけど、別の領地で過ごすそうだ。
どうやらソフィア様とずっと一緒だったストレスで体を壊していたらしい。
僕が治しても良かったんだけど、ガルフィ様に断られた。
なんでも『アマーリアも聖属性魔法で治す事はなかったし、これは自分の罪だから、簡単に治されて許されるべきじゃないんだよ』だって。
ソフィア様と離れて過ごして、自力で治すそうだ。
さて、とりあえず解決したと思ったんだけど、実はそうでもなかったらしい。
後日、王太子となられたエドワーズ様とのお茶会(という名の兄様含めた男子会?)にて、据わった目をしたエドワーズ様に責められて知ったんだけどさ。
僕が口走った『愛し子不審視してるエドワーズ様』っていうのが実は問題になってたらしい。
やっぱり?ごめんね。
「ユージェリス…お前のせいで父上と母上、それに宰相と師長に個室で尋問を受けたぞ…」
「えーと、それは、失礼致しました…」
「僕も見てたんだけど、もうすっごかったよ?珍しく真顔の陛下に、悲しそうに微笑む王妃様、眦を吊り上げた宰相様に、疲れた表情の父様…そんな中、笑わなかった僕って頑張ったと思う」
「おい、ロイヴィス、貴様心の中で笑ってたのか!!」
「あはは、バレなければいいじゃないですかー」
兄様、なんか最近エドワーズ様に対して辛辣になってきたなぁ。
仕事し始めて、ちょっと変わったみたい。
…兄様が辛辣なところって、アマーリアお祖母様譲りなのかな…
「おい、何を遠い目をしてるんだ。元々はユージェリスのせいだぞ!!」
「いやぁ、つい口が滑って…それで、なんて言われたんです?」
「…父上からは歴代の愛し子様について改めて語られ、母上からは悲しげな瞳を向けられ、父上の話に補足をする宰相からは厳しい眼差しを…唯一の救いは師長の同情した瞳か。あれは『うちの息子が申し訳ない』という気持ちがこもっているように見受けられた」
…ごめん、父様…
僕の一言で父様に負担かけちゃったかも…?
だから天ぷら食べて泣いてたのかな…
「それで、どうされたんですか?」
「…ユージェリスに言った事と、同じ事を言ってやったさ。今更取り繕っても仕方あるまい」
「あぁ、『愛し子って怖いじゃん!』ってやつですか」
「ロイヴィス…お前、私に恨みでもあるのか?」
胡乱げな瞳で兄様も睨むエドワーズ様。
対して兄様はにこにこ笑ってる。
…兄様って、結構いい性格してるよね。
苦労性な父様よりも上手く師長の仕事熟せそうな気がしてきた。
でもそんな兄様も素敵です、大好き。
あ、兄様は僕とエドワーズ様から先に説明を受けてたので知ってたのです。
「…父上は、なんというか微妙な表情をしていたな。逆に母上はかなり大声で笑われた後に、私を抱きしめて下さった。宰相はため息をついて、師長は悲しげな表情をしていたな」
「まぁベティ様は僕と同意見ですから、理解してくれた息子が嬉しくて仕方がないんでしょうね」
「みたいだな。私も母上が偽る事なく笑ってくれた事が嬉しかったよ」
「父様は複雑だったんだろうなぁ、ユージェが愛し子様なわけだし。僕も最初は複雑な気持ちだった。僕にとって、ユージェは大事な可愛い弟だからね。エドワーズ様の言う歪な存在って意識は全くなかった」
「私とて母上やユージェリスが歪な存在だと言ってるわけではない。あくまで愛し子様という制度が気に食わんのだ。それによって2人が困る事だってあるだろう?ユージェリスは学院に通えず、母上からは婚約者探しも難航していると聞く」
「あー、まぁ、ねぇ…」
理解のある兄様方で嬉しいよ、僕は。
というか、ベティ様、何変な事言ってんの?
僕の婚約者、または恋人が出来ないのは僕自身のせいだから!!
…言ってて悲しくなってきた。
あーあ、運命の出会いとかしないカナー?
「ユージェリス、メグとはどうなのだ?仲は良いんだろう?」
「いつの間にか恋話に…申し訳ありませんが、その可能性はないかと」
「なんだ、つまらんな。お前が義弟になるなら面白いと思ったのに」
「マーガレット様とユージェの結婚なんて、王族の愛し子様の独占とか言われて地方貴族やめんどくさい貴族にヤジ飛ばされますよ」
「それもそうだな、収集が大変そうだ」
「そんな事より、未来の王妃様はどうなんですかねー?」
「…お前は痛い所を突くな。まだ吟味中だよ」
そう、エドワーズ様には婚約者がいない。
単にエドワーズ様が運命の出会いを信じているからだ、本人には言えないけど。
どうも両親の影響があるらしいな。
本当に好きになった人と添い遂げたいみたいだ。
「ロイヴィスのところは仲睦まじくて羨ましいな」
「もっと羨ましがって下さい」
「貴様…!」
仲良いなぁ、あはは。
「ユージェはどんな人がいいの?」
「そうだ、それを聞いてなかったな」
「えー?どんな人って…前にもルーファス達に聞かれたな…姦しくなく、僕を見た目やステータスで決め付ける人じゃなきゃいいです」
「地味に難題だな。顔の系統は?」
「…優しい雰囲気のある人がいいです、キツい美人とかじゃなくて。柔らかい性格の人とか?押せ押せな感じは引きます」
「高位貴族の婦女子はキツい性格も多いそうだから、中堅どころなんかいいかもな」
「伯爵、子爵、男爵あたりですかね。もういっそ、ユージェは後継の柵もないし、平民でもよろしいのでは?」
「それでもきちんとした教育を受けている者がいいだろうな。無知過ぎて良いように使われないためにも」
「中々難しい…」
うーん、と唸って考えるお2人。
僕以上に考えてくれてるじゃないか。
…今の話からすると、当て嵌まるのって数人いるんだよね。
今のところ、そういう目で見た事ないけど。
あーあ、運命の出会いとかしないカナー?(2回目)
一応、年末なので明日も特別更新します!