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バレる?

なんか今日は少し長めです。

父様達にも無事許可を貰って、正式にジーンを僕の私兵に採用した。

というか、従者の契約にした。

つまりレリックと同じなので、暫くジーンは執事見習いって事でレリックの下に付く事になった。

なんか色々学ぶらしい。

別にそこまでしなくていいよって言ったら、頑張ります!って返されちゃった。

なんだかレリックと2人で話してから雰囲気というか、目が変わったような?

何を言ったんだが…


そして迎えた、5雷1日。

今日は午前中が授業で、闇の1刻からエドワーズ様の王太子継承の儀。

僕は愛し子として出席するので、授業が終わったらさっさと帰る必要がある。

さすがに遅刻は出来ないよねぇ…


「んじゃ、行ってきまーす」

「いってらっしゃいませ、ユージェリス様!」

「…うん」


めっちゃキラッキラの目で見送るジーン。

…ダティスさんみたいに、わんこ属性か。

彼は見た目がゴールデンレトリバーだけど、チワワ的なプルプルしてるイメージがあった。

ジーンは…うん、一部が陽に焼けたこげ茶の黒髪だし、バーニーズっぽい。

わんこ属性の男子に好かれる何かがあるのか?僕は。


少々不思議に思いながらも、僕は王都内の仮の家に『ワープ』する。

そこから出てって、フラフラ歩きながら学院を目指す。

久々の学院に心弾ませて教室の扉を開くと、中にいるメンバーが僕を二度見した。

そして謎の奇声が上がる。

え、なんぞ?


「…おはよう?」

「ユズキ!!おまっ、今まで何してたんだ?!」

「うぇっ?!」


突進してきたローグナーに肩を掴まれて、前後に思いっきり揺さぶられる。

おぉ、ローグナーも声変わりしてんじゃん!

って、気持ち悪ぅっ!!


「ろ…ぐ…!!」

「家庭の事情って言って休んだかと思えば、全っ然来なくなるしよぉ!!学年上がって月組一覧貼り出されて、お前の名前なかったらどうしようかと思ったじゃねぇか!!」

「今まで何しとったんやユズキ!!」


ローグナーの後ろから涙目のロジェスも加わってきた。

ちなみに学年末試験を受けてない僕は、学院長の計らいで月組保留となっている。

明日以降に再試験受けるんだよね、まぁ月組は確定してるんだけどさ。


「ローグナー、ユズキ、死にそう」

「え?あ、悪い」

「ぐはっ…おぇっ…」

「…大丈夫かいな?」


やっと揺さぶりから解放されて、床に崩れ落ちながら息を整える。

ローグナーは気まずそうに頭を掻いていた。

あぁ…メイーナも大人っぽくなったね…

ウィッグ生活は変わらなそうだけど…

ロジェスは背中をさすってくれた。


「…悪い、連絡もしなくて…ちょっと遠くに行っててさ…」

「何、してたの?」

「…んー、えーっと、ちょっと、親戚が見つかってさ。会いに行ったりしてて、休学状態になっちゃったんだよね」


嘘はついてない、サルバト様達(親戚)に会いに行ったのは漆黒期の間だけども。


「…あぁ、ユズキ、孤児院育ちやったっけ?親戚が見つかったなら、そら良かったやないか!引き取られたりしなかったん?」

「うーん、それがあんまりいい養父達にはなりそうになくてね。こき使われそうというか、なんというか…そこの子供達はまともだったんだけどさ。まぁ結構バタバタしちゃって大変だったんだよ」

「あー、まともじゃないのは困るな。じゃあ特に今までと変わらずか?」

「うん、今日からは普通に通うよ」

「そりゃ良かった!本当に心配したんだからなー?」

「ほんまやでー!」

「あはは、ごめんごめん、ありがとう」


にかっと笑い、僕の背中を叩くローグナーとほっぺを突っついてくるロジェス。

うーん、ユズキ側の友達には本当に何も言わずに行っちゃってたからなぁ。

悪い事しちゃった。


「…ユズキ、ちょっと、話がある」

「僕に?今?」

「授業終わったらでいい」


はて?話とは?

聞こうと思ったらチャイムが鳴っちゃったので、全員散り散りになる。

ちなみに席は前と同じだった。

一体メイーナの話って…なんだろ?




セリウス先生からも泣きながら抱き付かれて、なんか愛でられた、何故?

そんな雰囲気のまま授業が始まり、第2学年の授業内容なんかの説明を受けた。

どうやら月組生徒の変動はなかったらしい。

それと今年度は実習の授業が増えるとの事だったので、コース毎に色々あるそうだ。

狩人コースは実際に森とか行って魔物倒すのかなぁ?

やりすぎないように注意しないと…


そんなこんなで、授業終了。

さっさと帰って支度しなきゃいけないんだけど…

メイーナとの話があるんだよなぁ。


「メイーナ、明日じゃダメかな?」

「すぐ済む」

「あ、ハイ」


メイーナに引っ張られつつ、図書室の個室へと連れられる。

ここ、1回使ったっきりだなぁ。


「…単刀直入に、聞く」

「はいはい?」

「ユズキはそれ、変装?」


…何故バレた。


「…なんでそう思うの?」

「…ユズキの眼鏡外して、前髪上げた姿…見覚えがある。あれは、愛し子様の顔」


なんでバレてんのー?!

いや、なんで?!

本当になんで?!

いくら僕でも冷や汗が止まらないんだけど?!


「…め、メイーナ…?」

「ユズキがいなかった期間、愛し子様がいなかった期間と一緒」


そこも判断材料かー!!


「そこから推測するに、ユズキは…」


まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい…


「愛し子様の、影武者」

「…ハイ?」

「愛し子様が学院に来た時も、ユズキはここにいた。本人ではない。でも、そっくりすぎる。だから、ユズキは、愛し子様の従者兼影武者」


…うわぁ、メイーナがいっぱい喋ってるぅ。

…いかんいかん、現実逃避してしまった。

えっと、うんと…


「…例えそうだとしても、簡単には言えないよ。なんせ愛し子様の事(・・・・・・)なんだからね」

「…!そ、う…ね…」


庶子のメイーナにはわかるんだろうな、今の言い回しで。

愛し子とは、過干渉してはいけない存在。

貴族としては、追求したりしてはいけない事が暗黙の了解。

少しでも貴族の教育を受けた事があれば今の台詞でそれを察する事が出来ると思ったけど、どうやら通じたようだ。

まぁこれで僕がただの平民じゃないとバレちゃっただろうけど、しょうがないよね。


さすがにまだ本当の事は言えないよ。

まぁ、メイーナが庶子だって教えてくれたら、僕も教えるかもね?

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