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約束の時

祝200話!

まさかこんなに長くなるなんて…(笑)

これからもよろしくお願いします(*・ω・)ノ

帰ってきました、リリエンハイド王国!!

これ以上厄介ごとに巻き込まれないために、あの後早々に馬車ごと『ワープ』で例の国境門まで移動。

実はブルーノ連れ回したままだったんだよね。

僕達が王城にいる間はレリック達と待っててもらったの。

兵士長とジョルンのところへ行って、ブルーノを押し付ける。

きっと彼が報告してくれるでしょ、まぁさっきの『エコー』聞いてれば察してくれるだろうけど。

しかも今回のサルバト様を助ける手助けをしたという功績から、ブルーノはサルバト様の命で王城の兵士になる事になったらしい。

兵士長とジョルンにもなんらかの報酬があるそうだ。

そして僕達はさっさと出国手続きをして、リリエンハイド王国側に戻ってきた。

それでもう1回『ワープ』して、屋敷に戻ると…


あーら、不思議、僕は三度(みたび)鼻血を垂らして気絶しましたとさ!

チャンチャンっ♪


…単純に限界超えただけです、ハイ。

『エリア』して『エコー』して『ヒール』して『ワープ』2回したら限界超えるよね、あはは。

なんせ『エリア』はまたヴァイリー王国全体だったし…

それで出迎えに出てきてくれていたフローネの悲鳴を聞きながら崩れ落ちました。

ちなみに僕が気絶した後に、父様と母様で王城に報告しに行ってくれたらしい。

陛下とベティ様にも心配させてしまった。

エドワーズ様とメグ様なんて、焦って王城を飛び出そうだったんだとか。


そして目覚めると次の日の昼過ぎだった。

その日はベッドから起き上がらせてもらえなかったよね…

代わりにルーファス達がお見舞いと称して遊びに来てくれた。

なんと、ニコラの家が士爵から男爵に陞爵したそうだ!

例のスタンピードの被害を防いだって功績で、1代限りの爵位じゃなくなったって驚いていた。

僕の力のおかげなのに…と少し所在なさげにしていたので、気にしないでいいと笑って励ましておいた。

こういうところが謙虚なのが、ニコラのいいところだよね。


そして今日は漆黒期、火の5日目の朝です。

漸く部屋から出る許可が降りたので、着替えて食堂に向かう。

…なんだろう、心なしか外が騒がしいような…?


「ユージェリス様、おはようございます」

「おはよう、レリック。なんかあったの?外がちょっと…」

「あぁ、申し訳ありません。ユージェリス様がお戻りになられたと王都民に伝わりまして、一目見ようと押し寄せているのですよ」

「あー…僕が10ヶ月くらいいなかったの、みんな知ってたんだ?」

「スタンピードの際に発覚しましたね、王妃様が出撃されましたから…」


…それもそうか、普通はこの姿で人前に出ないんだから、バレなかっただろうに…


「後は士官志望者が受付をしに並んでいるからですかね」

「士官志望者?」

「先日各学院を卒院した者達が、私兵として雇ってほしいと願書提出に来ているんですよ。本日願書を提出し、明日からの3日間で選定、火の9日目に発表で、最終日に説明会、4雷1日から正式に士官する事になります。ちなみに侯爵領の衛兵は領主館でシャーリー主導で行なっておりますよ」

「あぁ、成る程、そんな時期か…いなかった分、感覚が狂ってるな…」

「それは致し方ありませんね、この漆黒期の間に感覚をお戻しになられればいいかと」

「そうだねぇ…あ」

「どうかされましたか?」

「受付、もうすぐ?」

「ええ、光の9刻からですので、あと1刻ほどですね。受付時間が光の10刻までなので、早く来ている者が殆どです」

「しまった、ちょっと外行ってくる」

「ユージェリス様?!」


玄関に向かおうとする僕の腕を掴んで、レリックが引き止める。


「ちょ、そのお姿で出るおつもりですか?!」

「あ、そっか、仮面はしなきゃね」

「それもそうなんですが、ユージェリス様を見るために人が集まっていると言ったではありませんか!!」

「それはもう、姿を見せて安心させた方がいいでしょ。そうじゃなくて、士官に来てる人で、僕が個人的に雇うって約束してる人がいるんだ」

「個人的に、ですか…?」

「まぁ向こうはそんなの知らないけど」

「約束してるんじゃないんですか?!」

「僕と、じゃないんだよねぇ…」

「はい?」

「…ジェリスの時に約束してくれたの」

「…あぁ…」


なんとなく察した顔のレリック。

とりあえず僕は髪の毛を軽く整えて、仮面を付けてから玄関に向かう。

そのまま扉を開けると、一瞬静まってからまた大きな歓声が上がった。

微笑みを浮かべたまま、手を振る僕。

あ、黄色い悲鳴も上がったわ。

数人のお嬢さんが崩れ落ちてる、ちょっと嬉しい。

ふむふむ、成る程、門にへばりついてるのは普通の王都民で、その少し後ろで固まってるのが卒院生達ね。

僕が門へ近付いていくと、歓声からどよめきに変わっていった。

門まで3メートルくらいになって、後ろ手に組んでいた手を解き、そっと指を鳴らす。

軽く地面を蹴ると、僕の体がふわりと持ち上がった。

『ジャンプ』を使って、門の上に立って、もう1度蹴って王都民達と卒院生の間に降り立つ。

その頃にはもう驚きのあまりめちゃくちゃ静かだった。

そして僕の目の前には…


「待ってたよ、ジーン少年。約束を守ってくれてありがとう」


目を丸くして固まる、ジーン少年の姿があった。

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