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授業開始

月曜、水曜と更新出来なかったので今日…!!

明日もちゃんと更新します!!

キーンコーンカーンコーン…


聞き慣れたチャイムが鳴り響き、騒がしかった生徒達も着席を始める。

チェルシー嬢も僕にカテーシーで挨拶をしてから席に戻っていった。

彼女はドア側の席だったが、周りはあの社交界デビューの時に群れてた取り巻き?達だった。

未だに親交があるんだね…

なんかきゃーきゃー話してるみたいだけど、聞かなかった事にしよう。


「皆様、お揃いですかな?」


聞いた事のある声が扉が開くと同時に聞こえてきた。

コツコツ、と足音を立てて教壇に立ったのは…


「おぉ、リアルダン◯ルドア…」


花組指導員のカイレック先生だった。

僕の呟きが聞こえたようで、カイレック先生が僕の方を向き、微笑んでくれた。


「これはこれは、マーガレット王女様が素敵な王子様へと変わられましたな」

「あ、えっと、ユージェリス=アイゼンファルドと申します。お邪魔します」

「指導員のカイレック=グルジェナーと申します。本日は一生徒として扱って良いとの事でしたが、よろしいですかな?」

「はい、よろしくお願いします」

「承知致しました。では昨日の続きから始めます」


カイレック先生の教え方はとてもわかりやすかった。

いくら暗記スキルで覚えてるからとはいえ、やっぱベテランの先生の教え方って違うんだなぁ。

月組はセリウス先生だけど…なんかこう、結構体感で話すタイプなんだよね。

わからなくもないんだけど…ねぇ?

一方のカイレック先生はちゃんと理論に基づいて説明して、例題や実際に手元の中で実際に見せてくれたりする。

これはわかりやすいよねぇ。


「さて、今日は特別な方もいらっしゃる事ですし、少し変わった事をしてみましょうか。さて、問題です。この世界に属性は全部でいくつあるでしょう?」


僕を含め、数人が手を挙げる。

おいニコラ、まさかわかんないのか?

なんで目を逸らすんだよ。


「では、レオナルド様」

「はぁい。火、水、地、風、雷、光、闇、聖、時空、無の10種類です」

「はい、その通りです。失礼を承知でお聞きしますが、ユージェリス様は全ての属性をお持ちでしょうか?無論、お答えいただかなくても結構です」

「えーっと…そう、ですね、まぁ、大体」


僕の一言に、教室が騒つく。

そうだよねぇ、全属性持ちなんて殆どいないよねぇ。

というか、全属性持ちって愛し子特権なのかな?

ならうちの父様とか次期師長の兄様とかの7属性持ちって、結構稀有なのか。

…もしかして、うちの先祖に愛し子いるのかな?

今度調べてみよう。


「授業では火、水、地、風、光、無を中心に行っていますな。理由としては雷、闇、聖は持っている人間が稀だからですが…今日はその3属性について学びたいと思います」


そういって、カイレック先生は黒板にその3つについて書き始め、説明をしてくれた。

まぁ僕が最初に暗記スキルさんに尋ねた事とほぼ一緒だよね。


「これらの属性は基本的に遺伝で現れます。特に雷属性は遺伝以外で現れるのは愛し子様くらいですな。親御様で聖属性や闇属性をお持ちでないのに現れた場合は突然変異扱いです。最近の研究では先祖にそれらの属性を持っていた方がいらっしゃると出る可能性があると言われております。さて、この中で3属性のどれかをお持ちの方、挙手を」


そういうと、僕を含め4人が手を挙げた。

ニコラと、知らない女子と、まさかのチェルシー嬢。

ニコラが聖属性持ちなのは知ってる。

聞いた時にはナタリーが『本当に物語の主人公みたいですわ…ニコラちゃんが聖女として崇められたら…』なんて、また自分が悪役令嬢になるんじゃないかと不安がってたなぁ。

とりあえず、ニコラは聖女ってガラじゃないし、僕達も立場とか忘れてゾッコンにならないから大丈夫だとなだめておいた。

ニコラを好きにはならない、とは言わない。

僕はさておき、ルーファスとレオはわかんないしねぇ?

僕的にはニコラは妹っぽい感じ。


「そうそう、カルデラ公爵家は雷属性持ちが殆どでしたな。では聖属性をニコラ嬢、雷属性をチェルシー様にお願いしましょう。レリース嬢も聖属性でしたかな?今回は大丈夫ですので座って下さい。お2人はこちらへ」


呼ばれた2人が先生の横に立つ。

どうやらニコラは緊張しているようだ。


「さて、各々の属性は使った事は?」

「あ、ありません。重篤者に会った事もないから、光属性で十分だったし…」

「継承問題でしたので、幼い頃に習って1度初級のものを使った事がありますわ。中級、上級は本で読んだ程度ですけども」

「成る程、結構です。ではこの教室で使っても問題のない魔法を使ってみましょう。このページにあるものです、どうぞ」


カイレック先生がそれぞれに薄い本のようなものを手渡した。

2人はそれを読み始めると、少し思案しながらぶつぶつと小声で詠唱を覚え始めている。


「闇属性はこの教室にいないようですので…お手隙ですがユージェリス様、お願い出来ますか?」

「あ、はい」


僕もカイレック先生に請われて前に出る。

さて、何を使おうか…


「闇属性を使われた事は?」

「『ナイトメア』と『サモン』くらいです」

「…『サモン』はともかく、『ナイトメア』ですか…そうそう使う場面などないでしょうに…」

「自領の平和のためですよ」


にっこり、といい笑顔でカイレック先生に微笑んでおく。

カイレック先生は少し引き攣ったように微笑み返してくれた。


「…どことなく、その笑顔は、ララティエ嬢…アイゼンファルド先代侯爵夫人に似ておられますな」

「先代侯爵夫人…って、お祖母様?お会いした事がないのですが、私のお祖父様とお祖母様はどのような方でしたか?」

「そうですなぁ…先代侯爵のファスナー様は内面が現侯爵のルートレール様によく似てらっしゃる。まぁ顔付きは中々貫禄のある方ですが。ルートレール様の外見は先代侯爵夫人のララティエ様にそっくりですな。まぁララティエ様は大人しそうな外見に反して、中々本心を笑顔で隠して物事に当たる方でしたよ…ファスナー様はそんなララティエ様に度々頭を抱えていたようですね」


…なんだろう、見事に父様と僕みたいじゃないか、お祖父様とお祖母様。

いや、別に僕は父様を困らせてるわけではないんだと…思うんだけど…


「ちなみに先代陛下についてもお話しましょうか?」

「いえ、そっちは別でお聞きしたので大丈夫です」


カイレック先生、そっちはお腹いっぱいなんです…!!

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