お昼ご飯
さよなら平成、こんにちは令和(・∀・)
というわけで、1話更新しまーす!
「…とりあえず、さっさとここで食べて校舎内を散策しよう。まぁ知ってるところもあると思うがな」
「ユージェ、なんか魔法で周り隠せる?」
「あー、そうだな、何にしよう?」
「『ブラインド』だけでいいんじゃないかしら?声が聞こえても問題ないでしょう?」
「そうだね、要はご飯の中身が見えなきゃいいんだし!」
「それもそうか、じゃあ…あ、そうだ」
「「「「ん?」」」」
僕が魔法を使うのをやめると、4人は揃って首を傾げた。
周りを見回して、対象人物がちょっと見つからないので叫んでみる。
「デイジー嬢!シンディ嬢!ドロシー嬢!ダティス殿!」
僕の声が中庭に響く。
すると女子3人は最初から控えていたかのように堂々と人混みの中から出てきてくれた。
ちなみにダティス殿は転がり出るように出てきた、半分転んでるな、あれ。
「お呼びですか?ユージェリス様」
「折角だから、一緒にお昼でもどうかな?いっぱい作ってきたんだ」
「まぁ!よろしいんですの?」
「勿論、友達だからね」
「良かったですわね、ダティ」
「わ、私もいいのかなっ…?!」
「デイジー嬢の伴侶となられる方なら、これから付き合いも長くなるでしょうからね。是非お友達になって下さい、ダティス殿」
「よ、よよよよよよ喜んで!!」
目にいっぱい涙を溜めて頷くダティス殿。
そんなに感極まらなくても…
「では、改めて。《エリア》《ルーム》《ブラインド》」
僕が魔法を展開すると、やっぱり周りが騒ついた。
こっちから見えないようにして、入れないようにしておけばオッケーです。
そして僕は大きめのピクニックシートを取り出して広げて、その真ん中に作ってきたお弁当を並べていく。
「あ、あの、ユージェリス様…」
「なんですか?ダティス殿」
「どこからこんなに荷物を…?」
「あぁ、時空属性魔法で他空間に入れてあるんですよ。入れてる間は時間も止まってるので、重宝してます」
「じ、時空属性魔法?!そんなもの、存在してたんですか…」
「まぁ、そうだったんですね。いつもどこからともなく荷物が出てくるから不思議には思ってたんですよ」
「ユージェリス様だからか、なんでもありですね!」
「ドロシー、その言い方はどうかと思うわ…」
成る程、『僕だから』で全てが片付くのか。
じゃあ今度からそう言おう。
「さぁ、召し上がれ」
「「「「いただきまーす」」」」
「「「「へ?」」」」
あぁ、この4人は知らないよね。
「食べ物や作ってくれた人に感謝を込めて、食べる前に言う言葉ですよ。それとは逆に、食べ終わったら『ご馳走さま』と言うんです」
「まぁ、それはユージェリス様が考えられたんですか?」
「うーん、僕というか…愛し子なら、誰もが知ってる言葉かな?」
「なら『領域の言葉』ってやつですのね」
「折角ですから、私達も言いましょう」
「そ、そうだね」
4人は座り直して、ルーファス達に倣って両手を合わせた。
「「「「いただきます」」」」
「どうぞ、召し上がれ」
今日のお弁当は自信作だから、いっぱい食べてね!
結構瞬殺でなくなった。
あるぇー?いっぱい作ってきたと思ったんだけどなぁ?
「えっと…足りなかった?」
「いや、大丈夫だ。それにどうせこの後西棟の食堂に行くと言ってただろう?」
「つまり足りてないんじゃん」
「余力がある程度だよぉ」
「デザート分くらいです」
「だから食堂ではデザート食べるー!」
「私達はお腹いっぱいですわ」
「あまりに美味しくてつい食べ過ぎてしまって…」
「皆様の分まで食べてしまったかも…」
「すっごく、すっごく美味しかったです!!」
あ、ダティス殿、目をキラキラさせてる。
餌付け成功した犬みたいだ、可愛い。
一生懸命食べてたもんなぁ。
年上なのに年上に感じさせない、不思議だ。
「まぁ気に入ってもらえたなら良かったよ。そろそろ本題の校内案内でもしてもらおうかな」
「あぁ、任せておけ」
「では私達は一旦失礼しますね。元々案内係ではありませんでしたし。何かあればご連絡下さいませ」
「うん、わかった、ありがとう、デイジー嬢」
「あ、あの、ユージェリス様。よろしければ私達の事は呼び捨てて下さいまし」
「折角お友達なのですから!」
…確かにそうだな。
いつまでも敬称はいらないか。
「じゃあ、これからは呼び捨てるね、デイジー、シンディ、ドロシー。僕の事は『ユージェ』でいいよ」
「「「はいっ!ユージェ様!」」」
「あ、あの、よろしければ私の事も…」
「でも一応年上ですし…じゃあ『ダティスさん』とお呼びしますね」
「は、はい!ユージェ様!」
あれ?なんかダティスさんに犬耳とブンブン振った尻尾が見える。
幻覚か、疲れてるのかな?
次は…可能なら明日かな?
無理なら休み中にもう1回!