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前後の話《side men's》

折角なので平成最後ギリギリ投稿しようと思ったけど、駆け込み需要多そうだからやめました(笑)

新元号も引き続きよろしくお願いします!

★☆★side カイレック★☆★


授業終了まで、あと10分。

どうやら皆さん、気が気じゃないようですな。

特に5人、目に見えて授業に集中出来ていません。

まぁしょうがないと言えばしょうがないんですが…


「…という事になります。ここまで質問は?…ないようですな。では、ルーファス様、レオナルド様、ナタリー嬢、ニコラ嬢」

「「「「は、はい!」」」」

「貴方方はこの後大事なお役目があるでしょう。板書が終わり次第、この授業は終わりで結構です。よろしいですかな?」

「「「「あ、ありがとうございます!!」」」」


4人は嬉しそうに感謝の言葉を述べた後、今までの散漫だった集中力が一気に戻ってきました。

いつもこれくらいやってくれてもいいんですけどねぇ。

それにしても、余程愛し子様の事が大事なんでしょうな。

愛し子様だから、というよりかは、やはり友人だから、という感じが伝わってきます。

青春ですなぁ…


「せ、先生!妾もルーファス達と一緒に行くぞ!!」


集中出来ていなかった最後のお1人、マーガレット王女様が挙手しながら声を上げる。

やれやれ…まるでどなたかを彷彿とさせる発言ですな…

あれは確か、私がまだこの学院に勤め始めたばかりの頃の…

いえ、あの方よりかは大分マシですね。

マーガレット王女様は愛し子様関係でなければとても大人しい方ですし…


「マーガレット王女様、貴女は案内役ではないでしょう?きちんと授業は最後まで受けて下さい」

「うぐっ…で、でも、ユージェが来るのに、妾だって…」

「愛し子様がご指名された案内役では、ないでしょう?ご自覚下さいませ」

「…うぬ…」


すごすごと手を下げて、目に見えてしょぼくれる王女様。

まぁこれで引き下がってくれるなら可愛いものですな。

あの方なら私の言う事など聞かずに出て行ってしまっていたでしょうし…

そういえば、あの方はお元気ですかね?

旅に出てるとの事で最近はお見かけしていませんが…


ま、あの方なら先代様と仲良く楽しくやっているでしょうがな。




☆★☆side ロイヴィス☆★☆


ルーナを連れて、食堂に向かう。

僕の腕の中には可愛い弟の作ったお弁当。

…たまーにだけど、ユージェが妹のような錯覚を起こす。

こうやってお弁当とかお菓子とかくれるからかな?

あと、結構可愛いもの好きだよね、ユージェって。

だからなのか、ルーナの事も結構好きみたい。

勿論、恋愛対象としてではなくて…まぁ、姉として、なのかな?


「ロイ、やはり人が少ないようですね」

「そうだね、人が増える前にさっさと食べちゃおう?」


僕達は人気のない席に向かい合って座ると、真ん中に重箱を置いた。

蓋を開けようとした瞬間…


「ロイヴィス」


凛とした声に、反射的に僕達は立ち上がる。

声の先にいたのは、エドワーズ第1王子と数人の取り巻き。

来年には王太子になられる、我らが未来の主は僕も次期宮廷魔術師長として、仕えるべきお方。


「エドワーズ様」

「…それが、愛し子様(・・・・)の?」

()の、です」


僕は別に愛し子様から貰ったとは思ってないんだよね。

これは可愛い可愛い、僕の大事な弟からの差し入れなんだ。


「…中身に興味がある、少し分けてはくれぬか?」

「申し訳ありませんが、お断り致します」


若干食い気味に拒否する。

あ、取り巻き達の顔がヤバイ事になってる。

ちなみにルーナはにこにこ笑ってる。

多分、ルーナも渡す気はないんだろう。

エドワーズ様は片眉を上げて、声のトーンを少し下げた。


「…それは、私の頼みでもか?」

「はい」

「ロイヴィス殿!エドワーズ様がこうおっしゃっているのだぞ!少しぐらいお分けして差し上げないのか!!」

「お断り致します」

「「「なっ…!!」」」

「これは私の弟が、私と婚約者のために作ってくれたものです。誰であろうと、お分けする事は致しません」


さっきは肯定しなかったけど、これは確かに愛し子様の『領域の料理』でもある。

つまり、本来なら簡単に食べていいものではない。

ユージェも最近ではあまり出し惜しみはしていないようだけど、それでも親しくしている一部の者にしか振舞ったりはしない。

きっと悪用なんかをされないためだと思う。

今のところ許可しているのは、侯爵家とルーナと友人が数人、あとは陛下と王妃様と…あぁ、王城の料理長もだったかな?


だから誰にもあげないよ、あの子を守るのは僕の役目だ。


「そんなにか…」

「…王妃様と弟を敵に回し、この国から消し去りたいのであれば、どうぞいくらでも」

「「「「?!」」」」


まぁ、食べたところで多分そこまで大ごとにはならないだろうけどさ。

でも、やっぱりあげたくないんだよね。


「…不敬なのは、私か…致し方ない、出直そう。だが、後でロイヴィスの弟(・・・・・・・)を紹介してくれる事は可能か?」

「弟は人見知りですので、お約束は出来かねますね」


にーっこり、いい笑顔で誤魔化す。

別に未来の我が主は悪い人ではない。

頭の回転は速いし、頭も良ければ運動神経もいい。

まさに次期国王にも相応しいだろう。

でも少しだけ、目的のためなら手段を選ばないところが見受けられる。

そこにユージェが使われたりするのは嫌だからね。

王妃様から未だに紹介を受けていないのは、そういう心配があるからだと思う。

本人は気付いてなさそうだけど。

ならば僕もまだ紹介しませんとも。


「…そうか…わかった」


そう呟いて、僕達の元から去っていくエドワーズ様達。

一旦、これで大丈夫かな?


「…ふぅ、ちょっと緊張しました」

「ふふふ、疲れたね。さぁ、これ食べて癒されようか?」

「はい、ロイ」


僕達は改めて着席する。

さーて、美味しいお弁当の時間だ!




★☆★side ロジェス★☆★


「うーん、この距離でも愛し子様が整った顔しとるのがわかるなぁ」


少し離れた場所にいる5人を眺めつつ、俺はそう呟いた。

それに同意するように、ユズキとメイーナが頷く。

あぁそうやった、今日のユズキは喋られへんのやったな。

声変わりっちゅーんは難儀なもんやなぁ、俺はまだやけど。

自分の時には症状が軽い事を祈っとくわ。


「あああああ…あれが本物の愛し子様…!!妹が言ってたお姿よりも麗しいわぁ!!」


お、メルヒーが興奮しとる。

そろそろ鼻血でも出るんとちゃうか?

何人か鼻にハンカチ当てとるの、そのためやろ?


「あぁ、あの立ち位置が羨ましい…!!どうしたらお近付きになれるのか…!!」


アッシュが鼻息荒くブツブツ呟いとる。

コイツ、ほんまに怖いわぁ。

ユズキが苦手としとるの、気持ちわかるわぁ。

俺も爵位を目指す者としてお近付きになりたいと思っとったけど、あれは無理やろ。

あの周りにおる4人、かなり警戒しとるやないかい。

愛し子様本人はあんまり警戒してないように見えるけども…多分、何かしらの対策をしてあるからやん。

下心ありきで近付いた瞬間、瞬殺されそうやわ。

まぁアッシュ以外は単純に愛し子様と話してみたいって感じでしかないんやけど。

ほら、あの無表情が当たり前のメイーナでさえ…お?


「メイーナ、どうかしたん?そない怪訝な顔しよって」

「…なんでもない、けど…あの愛し子様の顔、どこかで…」


うん?見た事あるって言うんか?

そんなまさか、ただの平民がか?

そんな事を思っとったら、ユズキがノートにサラサラと何かを書き始めて、俺らの方に向けた。


[愛し子様もお忍びで王都をフラフラしてるのかもね]


あぁ、なるほど。

確かに殆どの貴族の子って、1度は変装してお忍びしとるらしいからな。

それであった事あるかもしれんのやね。


「せやな、いくら愛し子様でもずっと屋敷に引きこもっとるわけないやろ。こんなところに来とるくらいやしな」

「…そう、だね…」


メイーナも少し納得したらしい。

でもほんまにそうなら、俺も愛し子様と話した事あるかもしれんなぁ。


ふふふ、それも中々おもろいやん?

ちなみにカイレックとはダン◯ルドアみたいな見た目の花組指導員です。

渡り廊下ですれ違った人ですね。


あとロジェスのエセ京言葉っぽいエセ関西弁へのツッコミはなしでオネシャス!!

雰囲気で書いてるだけなんで!!

てへぺろ←

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