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お茶会にて

そんなこんなで、入学式してから1ヶ月経った。

結局あのデブハゲ伯爵と伯爵令嬢は爵位を失い、平民へと落とされた。

ついでに王都からも追い出された。

本当は罪人扱いで炭鉱送りだったらしいけど、さすがにそれは良心が痛みすぎてやめてもらったよね。

ちなみに売上金はデブハゲ前伯爵が全て独り占めしていたらしく、屋敷の隠し部屋にたんまり入ってたらしい。

他国へ流出とか、武器を買い溜めとか、そういうのがなくて良かったよね…

まぁそんな事出来るほど頭が出来てないけど。

そんな2人の言い分は『うちの可愛い娘を振るなんて、愛し子様と言えど許さん!!』という逆ギレからの逆恨みと、『ユージェリス様のファンクラブを作る事でもっとお側に近付けると思ったのですわ!』という意味がわからないものだった。

本当に意味がわからない。

大事な事なので2回言いました。


そして意外と平和的に1ヶ月を過ごせた。

今日は5雷に入っての最初のお休み。

ご招待されていたシンディ&ドロシー嬢のお茶会という名のガーデンパーティーにきてます、withナタリー&ルーファス。

ニコラとレオは用事があるそうで、今日は不参加。

この前のお詫びとして、手土産はクッキーにした。

サクサクのナッツ入りです。

今回のガーデンパーティーはそれなりに人が多いらしい。

ちなみに僕の格好はこの前の討伐の時と同じ髪型にしてある。

マントと仮面はしてないけど。

ちょっと使い分けようと思ったんだよねぇ、こんな感じに。


普段(ラフ)モード→髪の毛はサラサラのまま、右耳に髪をかけるだけ


愛し子(外面)モード→右側の前髪をかき上げて、ワックスで全体的に纏めてる感じ(時と場合により仮面&マントあり)


ユズ(お忍び)モード→髪色は暗い茶色で黒縁眼鏡(瞳の色はそのまま)


ユズキ(学院)モード→黒髪黒眼でボサボサの頭に黒縁眼鏡


意外と別人に見えるから不思議だ。


「皆様、ご機嫌よう。本日はお越しいただき、ありがとうございます」

「楽しんで行って下さいね!」


庭の入口で、双子令嬢が挨拶をしていた。

僕らはナタリーを両脇でエスコートするような形で近付く。

ナタリー曰く、本当はこの並びが嫌らしい。

なんでも周りから目の敵にされるからとか。


「シンディさん、ドロシーさん、本日はお招きありがとうございます」

「ナタリー様!ルーファス様と、ユージェリス様もよくおいで下さいました!」

「ご足労ありがとうございます!」

「いや、お招きありがとう」

「これ、つまらないものだけど。先日のお礼です、お2人で食べてね」

「まぁ!よ、よろしいんですか?」

「ユージェリス様、これってなんですか?」

「僕が作ったクッキーだよ。お口に合うといいんだけど」

「「えぇ?!じゃあ『領域の料理』って事ですか?!」」


おぉ、ハモった。

さすが双子、息がぴったりだね。


「まぁ大したものではないから」

「いつもナタリー様からユージェリス様のお料理は美味しいと伺っていましたの。とても楽しみですわ!」

「うわぁ、本当にいただいていいんですかぁ?!」

「どうぞ。デイジー嬢にも用意してるんだけど、彼女はもういらしてる?」

「えぇ、もう中にいらっしゃいますわ」

「どうぞー」


2人に促されて、僕らは庭へ足を踏み入れる。

うーん、子爵家とはいえさすが貴族の庭だ、とても綺麗。

にしても、結構同年代の人が多いんだな。

…あれ?もしかして…


「ごめん、ちょっと離れる」

「ん?わかった、先にデイジー嬢の方に向かってるな」

「お気をつけて下さいね」


2人に断って、進行方向を変更する。

目当ての人の後ろまで歩き、肩を叩く。


「ルーナ義姉様」

「…まぁ、ユージェ君!いらしてたのね?」

「双子令嬢とは友人だからね」


そう、見つけたのは兄様の婚約者、ルーナ義姉様だった。

後ろ姿でもわかるくらい仲良しです!

ちなみにルーナ義姉様の周りにいたご令嬢方は顔を真っ赤にさせて驚いていた。

まぁ突然愛し子が現れたら驚くか。


「ルーナ義姉様はどうして?」

「先日学院内で仲良くなったのよ。それで今回呼んでいただきましたの」

「そうだったんだね。あぁ、そうだ、よければこれもらってくれる?」


僕はポケットからアイテムボックス越しにクッキーが入った小袋を取り出す。

3人にあげる用が少し余ったから、いくつか包んでおいたんだよね。

ちょうどいいから、ルーナ義姉様にもあげよう。


「まぁ、いいの?ありがとう」

「また屋敷に来た時にでも感想聞かせてね」


僕はルーナ義姉様に手を振って、その場を離れる。

ちなみに後で聞いた事だけど、僕が立ち去った後にご令嬢方に囲まれて大変だったそうだ。

ごめんね、ルーナ義姉様。

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