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図書室の密会

ちょっと短めです。

午前中の授業が終わって、お昼休み。

ローグナーから食堂へのお誘いを受けたけど、それを断って東棟の図書室にやってきた。

入口にある特別個室の利用状況板を確認すると、1部屋予約されているようだった。

備考欄に書いてあったのは…『なんとかする会』。


…なんか他に書き方なかったのか…?

どうせ書いたのニコラだろ。

僕は予約を取られてた部屋に近付く。

うーん、やっぱり黒制服少ないねぇ…

地味に目立つ、気がする。

こういう時は久々の幻覚魔法『ハルーシネイション』ですかね!

そっと人気のない本棚の陰に隠れて、指を鳴らす。

この図書室に監視カメラ的なものがないのも確認済み。

無用心じゃないかな?と思ったけど、入口で対策はしているそうだ。

入口の扉が魔導具になっており、個々の入退室記録が残るようになっている。

その記録というのがまた凄い。

名前、学年、入退室時間、持ち物、健康状態、魔力や体力の大幅な低下の有無などなど…

例えば図書室の陰でイジメなどがあっても、身体的攻撃や精神的攻撃なら健康状態で発覚する事が出来る。

万が一魔法などが使われても、入室と退室の魔力差から使った相手を見つける事が出来るというのだ。

後は本の不正持ち出しなどもわかる。

一定期間は記録が残っているそうで、図書室でバカな事をする人はほぼいないらしい。

たまにいる奴は、この情報を知らないおバカさんって事。

…まぁ、僕は魔力無限かつアイテムボックスがあるので、やろうと思えば持ち出しとかも可能なんだけどねぇ…

勿論しませんが。


というわけで、攻撃魔法禁止という規則に引っかからない幻覚魔法で見た目を変えまーす。

まずは目立たないように、黒制服を白制服に。

構造は大体同じだけど、実は首元が違う。

黒制服は黒地に白い縦のラインが入ったネクタイだけど、白制服は白いクラバットなんだよね。

間違えないようにしないと。

他の見た目はお忍び用(ユズ)仕様でいいや。

ボサボサで目元を隠すようにしていた髪型はキチンと整えて、眼鏡を外す。

幻覚だし、眼鏡は付けてても外してるように見えるんだけど、うっかり触られるとバレるから念のためね。


…うん、まぁ、それなりの貴族っぽく見えるでしょ。

僕は自分の姿を軽く確認してから、特別個室へと向かった。

磨りガラス越しに人影を確認出来たので扉を開けると、そこには既に4人が集まっていた。

こちらを見て、一瞬固まってる。


「…あぁ、『ユズ』か。誰かと思った」

「そちらの姿でいらしたんですね。幻覚魔法ですか?」

「うん、ここだと黒制服目立つからね」

「でもユー…ユズはカッコいいから、顔が出てる限り目立つと思うよ?」

「ニコラの言う通りだと思うなぁ。ほらほら、早く中に入って」


レオに促されて、室内に入る。

勿論全員揃っているので、扉に鍵もかけた。

ついでに防音の魔法も重ねがけで部屋にかけておく。


「さてと、こんなに早くわかるとは思わなかった。状況を教えてくれるかな?」

「うーん、まぁ、なんというか、思ったよりも大ごとになってきたんだよねぇ…」


レオが珍しく困ったように眉を下げながら、力なく笑った。

ん?どういう事?


「えーと、まずはユージェからの依頼を受けて、僕は親父殿に詳細を尋ねる『レター』を送ったのね?」

「そして俺は父上に『レター』を送った」

「あたしもレオの指示で父さんに」

「私はデイジーさん達に『レター』を送って呼び出し、休み時間の間にお話を聞いてきました」

「それで、何が大ごとなの?」

「ユージェのファンクラブについて調べてもらったら、出るわ出るわ不正の数々」

「それでハロルド様から父上に詳細な連絡が届いて、今、王妃様を宥めてる」

「は?」


ハロルド様って、レオのお父さんだよな。

にしても、なんで突然ベティ様が出てきた?!


「えーっと…ごめん、もうちょっと詳しく説明頼む」


全く話の流れが読めない、特にルーファス。

今北産業じゃあるまいし、要約しすぎて意味不明とか笑えん。

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