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夢で逢えたら2

 「そもそもなんで誰もいないんだろう」


 誰もいない街の路地裏で、サフィアは一人膝を抱えてうなだれていた。


 あれは確かギルバートが依頼から帰ってきて話をしている途中だった気がする。

 段々と意識が遠くなり気がついたらこの人の気配がまるでしない街に立っていた。

 誰かいないのかと歩き回ってみたが人っ子一人いない。

 ギルバートもいないこんな状況でどうしたらいいのか全く分からなかった。


 いよいよ途方に暮れたサフィアだったが、ここで初めて人影らしきものを発見する。


 何か話を聞けるかもと走り寄るサフィアだが、それに近づくにつれ違和感が沸き起こる。

す人影に見えたそれがはっきりと人の形に見える距離に近づいた時、それの姿をはっきりと確認したサフィアは口の中で小さく悲鳴をあげた。


 その人影は顔にホッケーマスクをつけ、チェーンソーを手に持つあの有名な殺人鬼そのものであった。


 (ジェ、ジェ、ジェイソンーーっ!! )


 すぐに反転して逃げ出すサフィア。 だがサフィアがジェイソンを認識したように、相手もサフィアを認識しチェーンソーを掲げて追ってきた。


 追いかけてくる殺人鬼に、恐怖で震えそうになる足を叱咤して全力で走るサフィア。


 だがすぐに息が切れ、仕方なく路地裏へと入り込み物陰に隠れて息を潜めた。


 (なにあれ! なんでジェイソンがこの世界にいるのよ! )


 あれは前世の世界の、しかも架空の人物のはずだ。

それがよりにもよって今この状況で登場するとは。


 (どうしよう。 どうしたらいいの。 怖いよ、ギルバート……)


 膝に顔を埋めて泣くのを堪えていると微かに足音が聞こえ、サフィアは腰を上げすぐ走り出せる体勢をとった。

 このままサフィアが隠れている路地を通り過ぎてくれる事を願いながら様子を伺っていると、その足音は路地の前でピタリと止まった。

 しばらく動かずにいた足音だったが、やがて路地裏へと踏み出したのを確認してサフィアは反対側へと走り出した。

 すぐに路地を抜けたサフィアを追いかける殺人鬼。またしても二人の追いかけっこが始まりサフィアはヤケクソ気味に叫んでいた。


 「うわーん! 助けてギルバートっ!! 」


 サフィアの声だけが虚しく響いた。……ように感じたのも束の間、何かが高速でサフィアの横を走り抜けた。


 「……え? 」


 驚いて足を止めたサフィアが振り返ると、そこには殺人鬼に斬り掛かる頼もしい夫の姿があった。


 「ギルバート! 」


 その瞬間、恐怖に支配されていた心が晴れた。


「無事かっ!」


 殺人鬼を斬り倒してすぐにサフィアを腕に掻き抱き、ギルバートもサフィアの存在を確かめた。


 「良かった…サフィアが無事で」


 「うん。 助けてくれてありがとう」


 「そんなのは当たり前だ。 何者からもサフィアを守るのが俺の役目だ」


 「ギルバート」


 「サフィア」


 暫し見つめ合い、自然と顔が近づく二人の後ろから「いい雰囲気のとこ悪いがな」と別の男の声が聞こえた。


 ビクっと身体を震わせるサフィアの背を優しく撫で、ギルバートは舌打ちをしながら振り返った。


 「なんだその面は。誰のおかげでここまで来れたと思ってんだ」


 (熊男? )


 ギルバートの肩越しに見たのは大柄なギルバートと同じくらいの背の高さと体格、それに加えて顔を覆う髭面にボサボサの髪という出で立ちの男だった。


 「あなたは……」


 「俺は嬢ちゃんの解呪を頼まれた者だ」


 「解呪?」


 「ああ。憶えてないか? サフィアは呪いのアイテムに触れてから目を覚まさなくなったんだ」


 「え? で、でも今はちゃんと起きてるし、呪われてるなんて……」


 「ここは嬢ちゃんの夢の中だ」


 「夢?」


 「あのアイテムは取り付いた人間を支配して精気を吸い取る呪いのアイテムだったんだ」


 「夢を乗っ取る精神支配型アイテムでな。手っ取り早く乗っ取るには夢の中で夢主を殺すことだ。 だから夢主の恐怖を形にして追い詰めるんだ」


 「だからあんな殺人鬼が……」


 自分を殺しに来る殺人鬼。これをイメージするものと言えば確かにジェイソンを思い浮かべるかもしれない。でも夢の中に殺しに来る殺人鬼はフレディじゃない? ……と、そう考えたのがいけなかったんだろう。


 「きゃっ!」


 突如ギルバートに抱えられ横に飛び退いたと思ったら、今いた場所を長い棒のようなものが横切った。


 「え?」


 棒のように見えたそれは長い爪であり、その爪を持った人物の顔は予想通り火傷でただれていた。


 (フレディーー……!! )


 今度こそ夢の中に出現する殺人鬼の登場だった。

ジェイソン=13日〇金曜日

フレディ=エルム街〇悪夢


という有名な映画の殺人鬼の名前です。

(※〇には「の」を入れてください。)


ちなみにジェイソンはチェーンソーを使って人を殺した事はないです。

イメージとしてチェーンソーを持たせました。


フレディは人々の恐怖が力の源となるため、夢の中に出てきてその人物の苦手なものに化けたりしてジワジワと恐怖を煽り人を殺します。


どちらの作品もオリジナルやリメイク版などで多少設定も変わっているようですので、気になった方がいれば観てみてください。


以上、本編に関係ない豆情報でした。


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