21(ギルバート視点)
ーーどうしたの?ーー
水色の瞳は俺にそう語りかけているようだった。
サフィアが迷宮で魔獣に攻撃をされたあの瞬間、世界から色が消えた。
サフィアが倒れた後のことは正直よく憶えていない。
ただとにかくサフィアを医者に診せなければと、無我夢中で走ったことは憶えてる。
全てのゴタゴタを片付け、サフィアと二人宿に戻りサフィアが目を覚ますまで、気が遠くなるほど待った気がする。
そしてやっと目を覚まし、瞼が開きその水色の瞳を見た瞬間、俺の世界に色が戻った。
「…!良かった!痛いところはないか?」
サフィアは驚いたように目を丸くして俺の顔を見た。
「ああ、良かった。もう丸三日寝ていたから心配した」
「ミャ、ミャウ」
「喉は渇いていないか?ほら」
そう言って差し出した水をサフィアは大人しく飲んだ。
良かった。思っていたより元気そうだ。
そしてサフィアが気にしていそうだったので迷宮での顛末を話した。
全てを話し終え、その後ろ脚に触れる。
優しく。壊さないように。
「俺がついていたのに……すまない」
そこには脚の半分ほどに薄らと傷が残っていた。
……俺の回復魔法がもっと上手ければ。
いつ死んでも構わないと、回復魔法はあまり修練してこなかった日々を悔いた。
落ち込む俺の手をサフィアが舐める。まるで気にしていないと慰めてくれているようだ。
そんなサフィアちゃんをじっと見て思う。
猫とはいえサフィアも女だ。こんな傷が残ってしまって気にならないはずがない。
………うむ。
やはりこれしか無いと決意を固めサフィアを見つめる。
「責任は俺が取る」
サフィアを傷物にしてしまった。その責任は取らなければ。
そしてその免罪符があればサフィアをずっと傍に置いておける。
申し訳なさと、しかしそれ以上にサフィアを繋ぎ止める理由が出来たこと。仄暗い独占欲に俺は静かに笑った。
これから数回ギルバート視点です。
三回ぐらいで終わる…かなぁ(;´Д`A




