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今回はいつもより短めです。

 朝の冷たい空気を感じ、鼻をヒクっと動かす。傍らにある温もりが気持ち良くて口が弛む。夢と現実の狭間で覚醒する意識に従いゆっくりと目を開くとそこにはーーー


 般若がいた。




 あの衝撃的な出会いから一月。


 サフィアとギルバートは何とか一人と一匹の生活に慣れてきた。


 最初の頃はひたすらギルバートがウザかった。

 とにかくサフィアの傍を離れない。


 そりゃギルバートの波乱万丈な生い立ちを聞いたときは私が傍にいてあげなきゃ!とある種の使命感にも駆られたが、別に意識して傍にいなくてもギルバートは片時もサフィアを離さなかった。


 まぁおかげでギルバートの恐い顔にも雰囲気にも慣れたので良かったといえば良かったのだけど。


 異常なまでの執着をみせるギルバートに、ただの猫を装っているサフィアは何も言えずにいたが、ある日我慢の限界がきてギルバートの顔を思いっきり引っ掻いたことで一応の決着がつく。

 

 構いすぎ、良くない。


 そして普通の猫はこんなに人間と意思疎通は出来ないと思うのだが、ギルバートは今まで猫どころか動物に触れたことすら無かったのでサフィアがギルバートの言葉に返事をしたりすることに疑問を抱かない。

 多分、猫は頭がいいんだな。ぐらいにしか思って無い。


 あと心配だったお金についてだが、まったくその必要が無かった。

 この見た目からは想像出来ないが、ギルバートはとんでもないお金持ちであった。


 その理由はSランク冒険者であること。

 Sランクとなると、とにかく報酬が高い。その上ギルバートはそのお金を使う機会がなく、貯まる一方なのだそうだ。


 そこへ現れたサフィアに当然ギルバートは惜しみなく金を使う。


 まず前飼い主がつけたと思っている前脚のリボンを新調した。

 生地は最高級のサテンみたいな生地、色はギルバートの髪や目と同じ黒、場所も脚ではなく首につけてその独占欲を満たした。

 濃紺の毛なのに黒のリボンって、パッと見つけてるかよく分かんないよ。と思うサフィアの突っ込みは当然聞こえない。


 他にも毛艶が良くなるシャンプーやトリートメントなど、サフィアに関する細々した物も全て最高級だ。


 猫相手に完全に浮かれている。


 厳つい大男が真剣にリボンを選んだり、猫用シャンプーを選んでる姿に店員たちは全力で目を逸らしていたが本人は全く気にしていなかった。 


 大体のことには慣れたので、そろそろこの街を出て行くことにした。

 なんでも別の街で高ランク向けの依頼が出ているのだが、受けてくれる冒険者が現れないのでギルバートにその依頼がきたのだ。


 「では行くか」


 「ニャア!」


 そうしてサフィアは初めて訪れた人の街を出た。



日に日にランキングが上がり、ブクマされる数も増え、嬉しさより驚きと戸惑いが勝っております:(;゛゜'ω゜'):

だ、大丈夫ですか?拙作は皆様の萌を供給出来ているでしょうか?

これを励みにまた頑張りたいと思います!

皆様、お読みいただきありがとうございます。

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