目次 次へ 1/75 プロローグ 目の前に広がる一面の青。 見上げた海面には太陽の光がゆらゆらと揺れている。 平時であれば綺麗だと言えるその光景に、私は唯一の助かる道だと死にもの狂いで手を伸ばす。 だが必死の思いとは裏腹に遠ざかる海面。視界を埋め尽くす空気の泡。 もがいて、もがいて、それでも海面に辿り着くのは口から出た泡だけ。 やがて泡も無くなり、音も無く、静かな海へと戻っていく。 伸ばした手の先から力が抜けていく。それが私が最期に見た光景だった。