第6章 魔女と学校
「私の名前はルリク=ガトー=ショコラ。」
勝手に自己紹介を始めたぞ・・・
「ショコラって呼んでくれていいわ別に呼んで欲しいわけじゃないんだからね。」
俺「君は何者なんだ?」
「もう一回いうけど別に呼んで欲しくなんかないんだから!」
どうやらショコラとよんでほしいらしい。
ああ、めんどくさいキャラが出てきたな。
仕方がないから言い直す。
「ショコラは何者なんだ?」
「だれがあんたなんかに教えるもんですか。」
「っていうか私の魔法が効かないあんたこそ何者よ?」
「俺か?俺は護摩志雄だ。」
「そうじゃなくて何で私の魔法が効かないかって聞いてるのよ早く教えなさいよ!」
「えぇ・・・そういわれてもなぁ。」
知らないのだから当然答えられない。
「ふん!あくまでしらを切りとおすつもりねいいわ!ならあんたを学校に連れていって調べてやるわ」
「エェ(´Д`)」
「何よ!その顔はなんかむかつくわねぇ!」
ユ「ちょっと待て私をおいてけぼりで話を進めんなよ~」
ユノがむくれた顔でぼやく。
シ「あらなんかいたのね気づかなかったわ」
ふふんというような顔をしてさらりと言い放った
ユ「ふざけんな。」
俺「ちょっと二人ともけんかしないで」(心の声)
シ「あんたも仲間ね?なら連れていくわ」
ユ「ふざけんな。私はセントラルに行かなきゃいけないんだよ」
「あらなんでかしら?」
「おまえにいう義理はないだろ」
「ちょっと!気になるじゃない」
「俺たちは城に招待されてるんだ」
「え、嘘・・・」
「だから悪いけど君にはついていけないごめん。」
「ちょうどいいわ学校はセントラルにあるんだから。」
「それじゃあいくわよ」
「浮け!」
そういうとユノとショコラの体が浮いた。
しかし俺には何も起こらない。
「はぁ・・・やっぱり効かないのね」
「仕方ないわあなた何かに捕まって」
しかし、捕まるものなんてな・・・い。
目の前にユノがいるだけだ。
「しかたないなぁ~私につかまれよ。」
「お・・・おう。」
ユノにおんぶされる形でつかまった。
柔らかい感触が手に当たり、体が密着する。
ほのかな暖かさも加わってとても気持ちがいい。
体が熱い、顔が熱い、全身が熱い。
恥ずかしくて頭がフットーしそうだよぉ。という薄い本のセリフがなんとなく理解できた。
ような気がした童貞であった。
「じゃあいくわよ!飛ばすからしっかりつかまってなさい!」
そういうと猛スピードで急上昇すると猛スピードで前に飛び出した。
まさかバトル漫画の技のようなことを実際にするとは思わなかった。
顔が風に当たりまくって短距離走の選手のように顔がぶるぶると震えている。
しかしユノやショコラは髪がやや揺れる程度でほとんど動いていない。
なぜだ・・・?
さっきまでのことをことを考えればすぐにわかることだが・・・
しかし護摩はバカであった。
一時間ほどが過ぎたころだろうか、顔に当たる風が止まった。
「着いたわ!流石ね私!普通なら10日はかかる所を日が沈む前についてやったわ!」
「ゴマおまえ髪さかだってるぞ~」
「え?なんで?」
「しかたないじゃない!私の魔法が効かないんだから!」
「なるほどそういうことか」
今になって護摩は理解した。
「じゃあさっさといくわよ!ついてきなさい!」
「おう」
少し歩くと大きな壁に門があり甲冑をきた兵士が立っている。
「通るわよ!」
「これは大魔法使い様、後ろの方たちは?」
「私の弟子よ!」
「お弟子さんでしたかどうぞお通り下さい」
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門を通ると大きな町が広がっていた。
煉瓦づくりの建物が延々と続いている。
宿屋に武器屋それに服の店もある。
「うわ~かわいい服だなぁ~いいなぁ~」
目を輝かせながらきょろきょろとしている。
「ちょっと!何してるの行くわよ!」
「いいじゃんか~」
「だめよ!」
「ちぇ~」
しぶしぶユノは諦めたようだ。
幾度も角を曲がり20分くらい歩くと大きな建物があった。
「ここがカスタード王立魔法図書館付属魔術式学校よ!」
中に入っていくとこちらにいくつもの視線が向いているのを感じる。
そのどれもがまずショコラを見てからこちらを見ている。
つまりショコラが連れいるこちらが何者なんだという目線である。
しばらく歩くと校長室というプレートのかかった部屋の前に来た。
「話しつけてくるからまってなさい!」
「わかった」
コンコン ギィ
扉が開きショコラが入っていく。
少し古い建物独特の香りが鼻をくすぐる
目の前には髭の生えた初老の男がシックな椅子に座っている
「やあよく来てくれたショコラ君」
「ひさしぶり校長」
ショコラはこの校長のことが好きではない。
いつもニコニコとしていて何を考えているかわからないし、けんかをうってくるからだ。
過去に戦ったことがあるが、大量の術式を使われ苦戦を強いられた。
「単刀直入に聞くわ!私の魔法が効かないやつがいるんだけど!」
「なに?!君の魔法が効かないだとそんな馬鹿な話があるか!」
「バカって何よ!ほんとに効かなかったんだから!」
「ん・・・だがそうすると君より強いということになる。だがしかし・・・君より強い者なんてこの国にはほとんどいないぞ、私でさえ勝てない君にだ。ありえない。」
信じられないように何度もありえないと繰り返している。
「それがありえるから調べてほしいのよ!」
「わかった。私も気になる。引き受けよう。だが試験は受けてもらうぞ」
「それでいいわ!」
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扉が開きショコラが出てきた。
「あんた入学決まったから!」
「え?」
かくして俺は魔法学校に入学することになった。