第3章 旅の始まり
護摩とユノ二人はのんびりと草原歩いていた
しかしウッドハウスに別れを告げてから半日程が立つがほとんど人がいないことに護摩は疑問を浮かべていた。
護摩のいた元の世界では用事もなく散歩をする老人やたわいのない話で盛り上がる主婦たちがいつでもおり人と出会わないのは真夜中くらいのものであったからだ。
「なんでだれにも会わないんだ・・・?」
無意識のうちにぽつりとそう疑問をつぶやいていた。
「そりゃこんな村から離れたところまでくればそうそう会わないよ。」
当たり前だというように彼女はいった。
「だってこの辺りは盗賊団のアジトがあるし、そんなに強くはないけどモンスターだってでるんだから。」
俺は昨日であった盗賊のことを思い出す。
それではなぜ二人で山菜取りに行こうなどと言い出したのか。盗賊のアジトがあるということを知っていたなら危ないということも考えられてはずだ。
「やっぱり昨日の山賊たちもその盗賊のやつらなのか?」
「うーん、わからないけど、そうなんじゃないかなぁ?でももう何年もあの場所には山菜摘みに行ってるけどみたことないんだよね。だから安全だと思ってたんだけど・・・」
腑に落ちない様子のユノを見てならばどうして村の近くまで来ていたのだろうか・・・それを考えてみる。
しかし護摩は平凡な頭の持ち主だ答えなど思いつくはずがない。
当然である元の世界では住んでいた地域では下から数えて2番目の学校で下からから数えたほうが早いくらいの学力だったのだ。
故に思いつくはずがない・・・
しかしながら眼鏡をかけた少年探偵が閃くようにピシッという音とともに一つの結論が頭の中に浮かんだのだ。しかも論理や考察をすっ飛ばしてだ。
「盗賊が現れた原因はボスが厳しい者に変わったこととメンバー増加による獲物の減少である。」
浮かぶと同時にそう口に出していた。
「え?!」
いきなり考えていたことの答えを聞きユノは驚いた。
これは至極当然である。なぜならアジトのことも知らなかった者が答えられるわけがないからである。
「おまえ、盗賊じゃないだろうな?」
半信半疑といった顔でこちらを見てくる。
ユノの思考はこうだ。(こいつは盗賊のしたっぱで取り分でもめて何らかの事故により川で気を失っていたのではないか?でも、いいやつっぽいし・・・)
突拍子もなく根拠もなにもない考えに思えるかもしれないが、盗賊しか知らないであろうことを言われ動揺してのものだ。
「違う!」
疑われたことに慌てて大きな声になってしまった。
もしかすると疑いを強めてしまうような対応をしてしまった。
言ってすぐに後悔する。
「わかったおまえを信じる。」
なのにユノは覚悟をもった顔をした後、にかっと屈託のない笑顔をうかべた。
そんな危うい会話を終え前を見ると森が広がっていた。