ヒカルの特権
初のバトルパート
「問答無用!
貴殿の命、もらい受ける!!」
突然男は持っていた刀で斬りかかってきた。
「うわぁあっ!!」
ヒカルは咄嗟に避けたが左腕を掠めたようで、血が出ているそう、彼は結局面倒事に巻き込まれるのが運命だったのだ。
「な、何だよお前!?
いきなり暗殺しようなんて、頭おかしいんじゃないのか?」
そうやって動揺していると、男が咄嗟にこういい放った。
「私はグリモ。
ある人の命令にて、貴殿を始末しに、参上つかまつった。」
読者に言うとグリモと名乗るこの男の本当の名前は出雲 拓郎だ。 黒い服を来て、刀を構えられて、ヒカルは怯えていた。
「(ヤバイよ…
このグリモっていう人、僕を殺しに来ちゃってるよ!!)」
ヒカルは咄嗟に武器になるものを服のポケットから探しているが…
その隙を突かれ拓郎が斬りかかってきた。
「!!」
今度は真剣白刃取りで防ぎ、拓郎をヒカルは蹴りとばした。
「ほう、流石はあざみ野責任者…
おとなしく死ぬなんて事は」
「あっさり死んでたまるか!!」
ヒカルは釘を手に取っていた。
無意識の内だった、自らを守ろうとする本能が釘を手に取らせていたのだ。
「(手に取れたのは四発、それに腰に実験の為の手榴弾が一つ、これを活用出来なければ…
死ぬ!!)」
ヒカルは呼吸を整え、次で仕留めると、決めていた。
やはり拓郎は走って突っ込んで来た。
しかし、今度のヒカルは落ち着いていた。
拓郎が至近距離でヒカルに斬りかかってきたその瞬間だ!
ザクザクザクッ!!
釘だ、拓郎の体を四本の釘が貫通していた。
しかも釘は投げた瞬間から加速していた。
まるで特権の力が影響しているかのように。
「何故…だ…」
貫通した胴体に開いた四つの穴と拓郎の口からは血が出ていた。
最早立っているのがやっとの状態だ。
そんな拓郎にヒカルは…
「グリモ、貴方にこいつの実験台になってもらうよ♪」
不適な笑みを浮かべたヒカルは手榴弾の安全ピンを抜き取り、投げつけた。
「な…!?」
と驚く暇もなく、物凄い光を放った手榴弾が一つ、爆発した。爆発が途切れたあと、そこに存在したのは、あざみ野のほんの一部分の破壊された集落とヒカルの姿だった。
「あーあ、実験は成功だけど、やり過ぎちゃったね。」
全くだ、周りの被害等も省みず、実験の爆弾を投擲するなんて。
しかし何故、ヒカルだけが生きているのか?
それは後に解るだろう。
ほうら、答えを知ってる女性を乗せたヘリがあざみ野にやって来た。
ヘリが着地したあと…
降りてきたのは、千早だ…
「全く…
消し飛んだ建物が13棟もある、ヒカルきゅんの研究がイカれてるのは知っているが、今度は何を作った?」
「ただの爆弾だよ。
僕は最近兵器の事について科学的に研究してるからね。
いきなりグリモって男が襲ってきたから、実験台になって貰ったよ。」
「じゃあ、この放射能は何だ!
ただの爆弾では無いだろう?
正直に話せよ?
でないと…
お姉さんが君の事をおいしくいただくぞ?」
「ごめんなさい!
原爆を手榴弾型にしました!
倒壊した建物は弁償しますから、r-18な事だけは!!」
顔を赤らめるヒカル、それを見て笑う千早。
しかし…
「減点1だ!
よって罰を与える。」
「えっ!?」
千早がヒカルに与える罰とは?
「おい、部下ども、ヒカルきゅんを縛れ」
「はっ!」
ロープによってヒカルは縛られた
「まさか?
死刑ですか!?
死ぬのだけは嫌だよ?」
そんなヒカルはおいといて、千早の口から…
「今日一晩私の抱き枕にする!
いいな?
これは罰だ。
抵抗は許さん。」
ある意味酷い罰が下った。
ヒカルは顔を真っ赤にして、抵抗するが、その抵抗むなしく、あざみ野のヒカルの家に連行されてしまった。
そして、二人は熱い夜を過ごすことになるのだが、それは語らない事にしよう。
一言で言えば、ヒカルは千早にいじり倒された、と、言えるのだ。
次の日の朝
「ふあぁ…
酷いよ千早。
胸が大きいからそれに刺激されて眠れなかったぁ。」
ヒカルは満更でもない表情だった。
そんなヒカルに千早が
「なら、少し真面目な話をしよう。
君は何故昨日手榴弾型の原爆を使用したの?」
「グリモって男が襲ってきたから。
身を守るため…」
「じゃあ、何故ヒカルきゅんは生きている?
普通原爆を至近距離で爆発させれば、普通死んでいる筈だ。」
「え?
そう言えばそうだった。
じゃあ何故?」
「答えは簡単だ。
だが、そこにたどり着くにはまず、私がどういう存在なのかを言ってみろ。」
千早は科学最高責任者だ。
しかし、ヒカルはすぐに答えられなかった。
「答えるのが遅いな。
このままなら今日も抱き枕になってもらうぞ?」
目が本気だ、この人はやる時はやるのだ。
「科学最高責任者だよね?」
「やっと、答えたな。
じゃあ、最高責任者が出来る事は、治安と、責任者を決めるのとあと一つは何?」
「まさか…
千早は僕に特権を?」
「その通りだ。
私は君に科学的エネルギーの強さを弄れる特権
即ち、「増減の特権」が与えられたのだ。」
「(これなら、生きている理由も解る、原爆の爆発時に発生したエネルギーを、自分の所にだけ0にしたっていうなら。)」
なんと言う事でしょう。
千早はヒカルに特権を与えていたではありませんか。
そして、千早は?
「では、もう一度だけ聞かせて欲しい。
黒虎の件、協力してくれるか?
グリモって男が君を襲ったのは恐らくそこからだぞ?
ひょっとするとこのままでは、君の命もあぶない。」
「考えさせて、僕に今するべき事はどっちなのか。
お願い。」
「そうか。
なら、180分だけ、時間をやろう。」
「うん。」